【転・結】物を書く以前の事
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
創作部。のあの子。
非常に口が悪い面が出たので、なんでも許せる方向け。
でもこれ、食レポが浅いとついつい思ってしまうんですよ。
ジャンル分からないよ〜!!
夕食を終えてからも、兄さんと会話が盛り上がる事は無かった。ただ当たり障りのない会話だけが行われ、露と消えて行く。私も兄さんも家族間で無理矢理会話を進めるタイプの人間では無いため、あまり気になら無かった。
代わりに私の頭を埋めていたのは、如何に綺麗な文章を書くかである。
とりあえず兄さんの小説から思い付いたのは、下手な場面で擬音語は入れない。例え感情を表すものだとしても、常体、つまり『だ』、『である』で締める様に心掛ける。あとは何だろう。
「ちょっと、こっちに来て」
テレビを見ていた兄さんから突然声が掛かった。私は椅子から立ち上がり、兄さんの隣のソファへ。見ていたのはグルメ番組だった。
「これ、よく見て」
よくあるグルメ番組。今はどうやら和牛の丼物が特集されていた。よく焼けた肉の表面と、断面の赤味が食欲を唆る。口に入れなくても分かる。絶対に美味いだろうと。
女性タレントはそのステーキ丼を口に頬張って、感想を述べる。
――美味しい。凄く美味しい。ただただ美味しい。
……いや貴方が呼ばれた理由を考えて欲しい。もっと何かあるでしょうよ。肉の柔らかさとか、焼き加減とか、肉汁の溢れ具合とか、そういうもっとちゃんとした食レポ。ただ美味しいだけじゃ、何も伝わらないって。なんの為に貴方は此処にいるの?
そう毒づき掛けて、思わずはっとした。私もこの女性の変わらないじゃないか。先程兄さんに紅茶を淹れて貰った時、何て言った? ただ『美味しい』としか返さなかったじゃないか。
歯噛みする私を余所に、兄さんはただただニヒルな笑みを浮かべていた。
「分かった? 私が言いたい事」
「『もっと思った事を言葉にしろ。それじゃ何も伝わらない』。今だけじゃない。さっき私が紅茶を飲んだ時、兄さんはそう思ったんだ」
私が『指導は何時でも受け付けるから』と言った時から、既に始まっていたんだ。
「よく気が付いたね。そして、その思考が何より大切になってくる。物をよく見て、疑問を浮かべ、そう考えた理由を述べる。その繰り返し。覚えておいてね。書き物だけじゃなく、全て通じる大切な事さ」
「指導、してくれる気になったの?」
「……したい気持ちはあるんだよ。それこそ、君が願い出た時から。けれども躊躇いの方が大きいかな。だからもう少し考えさせて欲しい」
以下何でも許せる方向け。
個人の意見飛び交います。私の発言が許せる方のみ宜しくお願いします。
食レポのコメント、あるじゃないですか。
『美味しい』しか言わない方、いらっしゃるじゃないですか。
それを見て
『貴方は何のために此処にいるの? 美味しいご飯を食べるため? それともただ「美味しい」を連呼するだけ? そんなの、子供でも出来るよ』
と思いながら見るんですよ。
これ、全てに通じる事なんですけど、物をよく見ること、感じ取って言葉にすること、凄く大切な事なんですよ。
別に小説を書くことだけじゃありません。
問題に当たった時、必ず必要になります。
というわけで、兄さんが言いたかった事は『浅い』です。
そんな状態じゃ君が望む物は書けないよ。
ということです。
もっと言葉を知らないといけないですね。
ちなみに構成を学ぶのは小説を読むだけじゃなくて、アニメを見るのも良いと思います。
一話に起承転結があって、次に繋げてくれるので。