とある国のできごと
【あらすじ】
ある国のちょっとしたできごとです。
ある国にふらっと立ち寄った旅人がいた。
小料理も出す居酒屋の主人に
「あれはこの国にないのか?」
「あれって何です?」
「あれだよ。おいしいんだよ」
「どんな形です?」
「確か、刀を入れるアレがあるんだが」
「鞘ですか?」
「そうそう!鞘があるんだが」
「刀もあるんですか?」
「刀はないんだなぁ」
「で、他には何があるんですか?」
「つるもあるんだ。」
「じゃあ弓ですか?」
「いや、弓じゃないんだ。食い物だよ!さっきから刀とか弓とか!」
「だって、鞘とかつるとかいうから。」
「食べる部分は実じゃないんだ。」
「じゃあ種を食べるんですか?」
「いや。種も食べない。」
「じゃぁ種と実の間とか?」
「いや。それも違う。何だっけ?あれだよあれ!」
「花を食べる?」
「違う」
「葉を食べる?」
「違う。」
「つるをたべる?」
「違う」
「茎を食べる?」
「違うって!」
「何ですか?まったく想像がつきませんね!」
「確か夜は眠るらしい」
「あなたの奥さんですか?」
「お前おれの妻を食ったのか?」
「いえ、まだキスしか。」
「てめえ!」
「嘘です!」
「食い物で眠ると言ったら、牛、豚、鶏、魚ですか?」
「いいや!動物じゃない!」
「鞘があるけど刀じゃない、つるがあるけど弓じゃない、食べるのは実、種、花、葉、茎じゃない。夜眠るものですか。」
「それは知識とも呼ばれる。」
「知恵の実は確かリンゴの事ですよね」
「リンゴじゃないなぁ。つるもさやもないだろう。夜眠らないし。」
「一体なんですか?」
「それの柴犬もいるんだ。」
「その種類の犬が?」
「空もあるし、枝もある、緑の平和もある。」
「この国にも空も、枝も、緑の平和?なんだそれ?もありますよ。」
「小も大もある。」
「下ネタですか?トイレでしょ?」
「違う。乳もでるし、腐りもする、納めることもある。」
「やっぱりあなたの奥さんですか?」
「てめえ!だれの妻が腐ってるだと!」
「身体が服に納まってないとか。」
「まぁいい。電球もあれば血でできたものまである。これでわかっただろ?」
「わかりましたよ。絞りもありますよね?」
「そうだよ。せーので一緒に言うぞ」
「せーのっ!」
「中世の紛争地域の美女カメラマンっ!」
「豆っ!」