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No.90 蝶の剣舞

絶対これ長くなると思って予定していたのを分けることに…

……それとここまで連日の投稿をお読みいただきありがとうございます。当話をもって遅れていた全話数が投稿できたことをお知らせします。

遅れていた数の話……30話分ほどを投稿したことで総合評価が664から806に非常に上がっていまして……本当にありがとうございます…

不定期になるつもりはないのですが筆の調子により執筆速度が変化するので不定期になってしまったら大変申し訳ありません。

「グ……ォォォォォ……」


リリアンさんの縛りから解かれて動き出すリザードマンロード。


…ボクがリザードマンロードを苦手としてるのは変わらない。数分戦っただけでそこが変えられるわけじゃないし。…でも。


『……苦しそう、だね…』


なんとなくだけど、そう感じてしまう。


「グルルル……」


盾はその場で突き刺し、ウィンドウを開いてストレージから1振りの細剣を取り出す。


細剣の名は“エンジェルフェザーフルーレ”。羽のように軽く、針のように細く───鍔として天使の環と2枚の羽があしらわれた美しい純白の細剣。


鞘から細剣を抜いて、目を瞑る。



コメント:


:姫?

:姫……?



───集中。


見るのではなく観る。


知るのではなく識る。


聞くのではなく聴く。


読むのではなく詠む。


書くのではなく描く───




───他にも、切るのではなく斬る。抜くのではなく貫く。打つのではなく撃つ。ちゃんと覚えてね。


───えっと……どんな違いが…?


───んー……心構え、かなぁ?私もこれ感覚すぎてさ…上手に説明できないんだよね。…まぁ、続けてればいずれ分かるようになるよ。


───……と、言われても…


───…じゃあ、一番最初に分かる時がどんな時なのか教えてあげる。これが分かるときはね……




『……“感じるのではなく観える”……』


……そう、だったよね。師匠。


「グルォォォォ……!!」



コメント:


:姫ー!!

:姫……!?

:来てる来てるーー!!



怖くない……怖くない。怖く……ない。


視の分を聴に、触に、嗅に───六に。研ぎ澄ませる───


「グルァァァァ!!!」


───観えた。


その場で屈んで───


「グルッ!?」


驚愕の声に身体を右に捻りながら前進、細剣を握った右手を引いて。


『───“観貫(かんぬき)”っ……!!』


鋭く叫んで目を瞑ったまま右手を突き出すと───


「ギァァァァァ!?」


グサリと刺さったような感触とともに悲鳴。


思わず細剣の柄から手を離してその場に座り込む。


『っ……はぁ、はぁ………』


目を開ければボクの細剣はリザードマンロードの脇腹に突き刺さっていた。


でも……そのリザードマンロードの悲鳴とか、その刺した感触とか、それ以上に。


『いま……ボク、観えた……の?』



コメント:


:??

:みえた?

:みえた……って何が?

:……?

:わからん

:こっちからは何もわからなかったから本配信の情報で言うと目を瞑ったままの姫がリザードマンロードの脇腹に細剣を刺したのよね…

:本当に見えてないのかって思うレベルの鋭さよね今の

:あとこっちの配信だと微かに聞こえたんだけど“かんぬき”って?

:かんぬき?

:閂?

:そんなスキルあったっけ?



……いい。後でいいや。今ボクが取るべきは次の一手。


「グラァッ!!!」


怒りに任せた軍刀の振り下ろしを横跳びで回避。次いで距離を取るとリザードマンロードが刺さったボクの細剣を引き抜いて後方に投げ捨てた。


それを見て少し安堵の息を吐く。


『……耐久値高くて助かった…』


耐久値が高いと投げ捨てだけど、耐久値が低いと武器を折られてたから。折られればほぼ修繕不可能だし…


とはいえ。ボクから遠くに投げ捨てられたからしばらくあの細剣は使えない。


他の武器が必要。だからこそストレージを開こうとするけど───


『───ッ!?』


───()()()()()()


HPバーを見るけど状態異常にはなってない。そもそも魔法を受けてないし。


それにも関わらず動けない……いや、動かない。ということは、これは。


『“精神疲労”……!!』


精神疲労。システム上の状態異常ではなく、()()()()()()()()()()()()


症状としては一時的な行動不能である“四肢硬直”がほとんど。


特に、想撃に慣れていないプレイヤーや慣れない事をしたプレイヤーが起こしやすい…!


ボクの場合は“観貫”を使えたのが初めてだからだ……


でも、口が動かせるなら…!


『───皆、お願いっ!!』


「応っ!!」

「任せてくださいっ!!」


ハドラーさんとディルズさんが前に出る。


「これでも食らいな!!“ミョルニル”!!!」


「こちらもどうぞ───“デスサイズ”!!!」


雷属性付与の大鎚スキルと闇属性付与の大鎌スキルがリザードマンロードを襲って───


「“覗き込む狂乱の瞳”!!」


「“マジックスマッシュ”!!」


「は、“遥か高き幽閉の塔”!!」


ロキさんの深淵のスキルとアリナさんの打撃系魔法のスキル、それからラブラさんのあれは……“遥か高き幽閉の塔”……えっと、えっと…何のスキルだっけ……!?


このゲーム、スキル多すぎて全部は分かんないんだってば……!!


ていうか、いつも思うけどボクの従者さん達って純粋に強い人多くない…?技や構築のクセが強い人も多いけど…!


とりあえず、手を開いたり握ったりするように働きかけながら皆の様子を見守る。


今回の精神疲労の症状は四肢硬直。これが解消されてれば指一本でも動かせるようになる。指一本すら動かせないのが症状だから。


そもそも精神疲労ってアバターへの身体感覚出力が弱まってるから起こることなわけで……


『……あ。』


って、そんなこと思ってたら手が動くようになった。


すぐにウインドウを開いてアイテムストレージを確認する。


記憶が確かなら……


『……やっぱり。』


思った通り……ストレージ内に予備の物理武器と言えるようなものはない。最近、自分のプレイヤーホームのストレージに置いてきたから。


それなら、ボクが取り出すべきは……



コメント:


:姫?

:それって……

:記術石?

:姫のやつ……じゃ、ない?

:あれってななみちゃんが作ってくれたやつじゃない?

:あ……言われてみれば



従者さん達の言う通り、ストレージから取り出したのはななみちゃんが作ってくれた記術石。


『ぶっつけ本番だけど……使わせてもらうよ、ななみちゃん…!』


そう告げて記術石を掲げる。


でも、ここで使うべきなのはななみちゃんが複製した記術石で使ったのと同じ“リリース・リコレクション”ではない。


ボクが使うべきは───


『───“エンハンス・ドレスアップ”!!!』


強化盛装。そう叫んだ途端、記術石が強く輝いた。



コメント:


:まぶしっ!!

:ぎゃぁぁぁ!!

:目がぁぁぁ、目がぁぁぁ!!

:…エンハンス・ドレスアップってなんだっけ?

:なんだっけ……

:強化盛装ね。記術石に刻まれた術式をモチーフにした服を身につける呪文。Vtuberモデルだったとしてもそのモデルの上から服装を変えてくれる

:概念化粧……コンセプト・メイクアップの強化版とも言えるもので、お化粧だけじゃなくて全身コーディネートしてくれるのよ

:ほへー

:ほえー…

:一応Vtuberモデルを使ってる人が使用モデル変更以外で服装を変えられる数少ない手段の1つだよね

:んね

:ちなみにエンハンス・ドレスアップもコンセプト・メイクアップもクエスト外でやると変身バンク流れるでよ

:マジでっ!?

:マジで!?

:魔法少女じゃん!?

:アニメやんけ!?

:あれ?姫の記術石の変身バンク映像はチャンネルの動画のところにあるんだけど知らん?

:え?

:…え、待ってあれこのゲームのやつだったの?

:あれって姫が出たアニメとかじゃないんだ!?



まって、ボクアニメ出てないからね!?確かに1期生…リーダーズは演劇声劇経験者だけで構成されてるけど!!


あと実は変身バンクってクエスト中でも見ることできるし、あったほうがいいんだよ!?今回は他のみんなもいるから変身バンクなしにしただけで……!


あったほうがいい理由っていうのは───


『───っ!!』


来た……情報の激流っ…!


元々変身バンク中は無敵状態。要素を構成していくごとに段階的に情報…“出来ること”をプレイヤーの脳に流し込んでいくのがこのゲームにおける変身バンクの役割。


でも今回みたいに変身バンクがない状態で変化すると大量の情報が一気に脳に流し込まれていくんだけど───


『あ……ガッ…!?』



コメント:


:姫!?

:姫!?

:姫様ぁ!!

:大丈夫!?

:なんかすごく苦しそうだけど……!?

姫乃あかりん:ユウくん……!



『ぁ……ぁぁっ……!』


その稀少性からあまり知られてないことだけど、純粋以上の記術石っていうのは内包できる情報量が多い…!おまけに高度固定化すると普通の固定化よりもさらに多くの情報を詰め込まれてるから余計に…!!


それに加えて今回のボクの場合は“知らない情報”を流し込まれてる状態だから……頭痛すらする……!!


でも……


『っ……!ぜっ…たい、に……!まけない、んだか……らぁ!!』


あらゆる総てを受け止め、完全に防げずとも弱めて受け流し、皆を守護する城壁たれ……!


それが()の……“姫川幽”という魂の、根底にある信念なんだから……!!


『っ───!』


バチン、という音とともに光が収まって変化が終わる。


頭痛はまだするし、全部の情報を処理しきれてはない。


……でも、動ける。記術石がこれでも加減してくれたのか、動くには支障がない。



コメント:


:姫…大丈夫?

:服が……

:変わった……のか?

:みたいやね

:本配信見てきたけど見たことない姿してる…

姫乃あかりん:ユウくん、現状理解大丈夫……?ちゃんと動ける……?



『だ、大丈夫……動ける、よ?』


答えてる最中に背中の方になんか変な感覚を感じて背中に目を向ける。


『……羽?』


元々何もなかったはずの背中には黒色の羽がついていた。…いや完全な黒ではないんだけど。


しかも───()()()()()()()()()()



コメント:


:羽……

:羽だ……

:どっかで見たなこの羽

:なんだっけ

:天使の羽ではないな

:天使の羽だと黒だから堕天使にならん?

:確かに

姫乃あかりん:ユウくん、その羽……

:ん?

:あかりんさん心当たりある?

姫乃あかりん:もしかして……“カラスアゲハ”?



カラスアゲハ……言われてみれば。


服も見下ろしてみれば黒と翡翠色みたいなのが混在したような服になっていた。


『……黒か…』


……黒はどちらかと言うとマナちゃんの担当な気がするけど……まぁいいか。


ざっくり今の状態を確認。黒のドレスにカラスアゲハの羽。いつの間にか手にしていた武器は……鍔に蝶が停まってるようなデザインの紫色の細剣。


『…“蝶針オオムラサキ”、か。』


調べたらこれがこの細剣の名前みたい。


オオムラサキって言ったら日本の国蝶だっけ?


……まぁいいや。周辺に浮いてるいくつもの光も気になるけど、今は───


『魔術師班、高所に点のマーカースキルをお願い!!』


そう告げた直後に地面を蹴る。


「「「“ポイントマーカー”!!!」」」


ボクの言葉を聞き届けた魔術師のみんながマーカーを貼ってくれて───


───あぁ。分かる。この服は───


『い……っけぇぇぇ!!』


───()()()!!!


「ゴォァッ!?」


リザードマンロードの頭を越し、空中で体勢を整えて───


───狙うは3箇所。


背中の羽を羽ばたかせて急降下し───


『“トライピアース”!!!』


貫通性の三連撃。それから───


『“ペネトレイトウィーカー”!!!』


「ッ、ガァァァァ!!!」


脳天に浸透のウィーカースキルを叩き込んで怯みを取る……!!



コメント:


:わぉ

:えっぐ

:CLが高くて多種多様なスキルを持てる姫だからこその立ち回りというかなんというか

:広く浅く……に近いけどちゃんと習熟度は高いのよね、姫って

:ねー

:そういやみんな攻撃してるけど何か意味あるの?

:言っちゃえば無敵状態だもんねぇ

:あー…

:一応無敵状態ではないんだけどね、ダメージ0に見えてるだけで

:怯みとかある以上無敵ではないね

姫乃あかりん:ターゲットを受け持っておかないとだからね。ヘイトを蓄積させておいてななみちゃんの方に向かないようにしてるんじゃないかな

:あー

:なるほどね?

姫乃あかりん:まぁ人によっては八つ当たりとかも若干あるかもだけど……特にハドラーさんとアリナさんあたり



ありそうだね……


「ゴァァ……!」


『…あ、全員退避!!全方位火吹が来る!!』


ななみちゃんの合図見ててボクも少しだけ分かるようにはなった火を吐く合図。それが長いってことは全方位火吹の可能性が高い。


『“犠牲の盾”!!』


“蝶針オオムラサキ”を腰にあった鞘に納めてからスキル宣言でななみちゃんの前に転移、あらかじめ刺しておいた盾を引き抜く。


全員……いるね!


『みんな屈んで───“ファイアシールド”!!!』


「姫、“オーガ”、“ゴーレム”!!負けないで!!」


アリナさんの魔法が起動したあと、ボク達を火が襲う。範囲的な火吹、かつボクの盾の後ろ側に回り込んでこないってことは全方位火吹で確定。それで───


『あ゛っ……!』


状態異常:火傷。加えて状態異常:感電。今回もボクは状態異常を2つ引いたみたい…!


「“ショックリムーブ”!」


「“バーンリムーブ”…!!姫、大丈夫ですか!?」


『ありがと、アリナさん、ロキさん!』


状態異常解除と共に小回復もしてくれた2人にお礼を言い、細剣を抜いて前に出る。



コメント:


:やっぱ連携ちゃんと取れてるよね

:だよね

:姫のカリスマなのか従者達の適応力なのかわかんないけど全く連携できないってことがほぼないのよね、姫のパーティって

:ねー

:なおこれ聞くと姫は自分のカリスマ否定するけど従者達もどうして姫と一緒に戦うとあそこまでの高い連携力出せるのかがわからないという

:うーん

:やっぱ姫は何か関係してそうだけどねぇ



うん、その現象ボク何も知らないからね!?よく言われるけど!!


ていうかカリスマの強さで言ったらボクよりもななみちゃんの方が遥かに上な気が……!


そんなこと思ってたらリザードマンロードがボク達から離れるように遠くに跳んだ。


『素の跳躍力高っ……!?すぐに詰められるけど……』


リザードマンロードの構えがちょっと問題。相手の攻撃を流そうとしてる。


攻撃が流されれば待っているのはこちらの空振りと相手の反撃。


「あ、あの……」


どうすればいいかな、と思っていたところにラブラさんが話しかけてきた。


『どうしたの?』


「えっと……姫、飛翔中に強風に乗ることってできますか…?」


『強風に乗る?……空中で強風を受けて身体を制御しきる、ってことでいいのかな?』


「あ、はい、そういうことです……」


『……』


空中で強風を受けて身体を制御するのって難しいんだよね。それこそシステム外スキルとまで言われるレベルで。


実際ボクはやったことがない。あったとして微風くらい。


…でも


『…やってみる。』


やったことないけど、やってみる。


───この、ななみちゃんの想いと蝶の力が込められた服を。信じてみる。


『タイミングはラブラさんに任せるね。』


「は、はい!」


上手くいけばリザードマンロードが反応する前に攻撃を叩き込める。


失敗しても風で吹き飛ばされるだけで済むなら損が存在しない賭けだし。


『失敗しないようにするのは普通かもだけどね…!』


そう言いながら羽をはばたかせてリザードマンロードに向かう。


「い、行きます!!───“吹き荒ぶ極寒の風”!!!」


そのスキル宣言の後、ボクの背後から突風が吹いた。


その突風をどうにか制御して加速する。


それにしても“吹き荒ぶ極寒の風”ってことは……!!


『“童話”スキル……なるほど、ラブラさんって“童話使い”…!!』


童話使い───古今東西、様々な人物によって描かれた子供向けとされる“童話”に由来したスキルを使うプレイヤー!!


“吹き荒ぶ極寒の風”はイソップ寓話の“北風と太陽”に由来するスキルで、そのうちの北風に焦点を当てた暴風を起こすスキル…!


そしてさっき使ってた“遥か高き幽閉の塔”はグリム童話の“ラプンツェル”由来…!どうして思い出せなかったんだろう…!


「ギッ!?」


『“レイピアスラスト”!!!』


強風によってかなりの速度がついて肉薄したボクにリザードマンロードが対応できずに細剣の基本スキルを超高速で叩き込まれて吹き飛ぶ。


それを見てラブラさんの方を見て叫ぶ。


『ごめんラブラさん、今のもう一回お願い!!』


「は、はい!?え、えっと“吹き荒ぶ極寒の風”!!」


ボクのいきなりの要請に応えて再度強風が吹く。その強風に乗ると同時に羽を強くはばたかせてさらに加速。


吹き飛んでいるリザードマンロードの位置を超えて───


片足を軸に反転。


『───“ペネトレイトブーツ”!!!!』


そのままリザードマンロードの頭に回し蹴り!!!


「───!!!」


……あ、グシャって痛そうな音聞こえた…



コメント:


:ひえ

:ひえっ!?

:ねぇ絶対痛いって今の音!!!

:今絶対細剣で吹き飛ばした時よりも強い力で蹴ったよね!?

:吹っ飛び方向逆転してるから多分そうでしょーね…

:つーかくっそ速い、姫ってばよくそんな速さ適応できるね!?

:思った

:それ思った……!



チャット欄は驚愕に染まってる、けど。


『……遅い』


遅い。


『まだ遅い……っ』


もっと速く。


もっと鋭く。


もっと重く。


もっと正確に。


もっと綺麗に。


もっと凄烈に。


そうしないとまだ足りない。


そうじゃなきゃ───


『ボクはまだ……1()7()()()()()()()()()()()()()()()()()()っ……!!』



コメント:


:!?

:!?!?

:17年前!?

:はぁ!?

:17年前ってぇと……

:2010年……このゲームの稼働初期だぞそれ!?

:待て待て待て!!それって姫何歳だ!?

:今30歳だから13歳……当時姫中1!?

:前々からお師匠さんに追いつけないって言ってたけど10年前どころか15年以上前のお師匠さんなの!?

:どんだけ高い壁なんだよ……!?

:いくらなんでも壁が高すぎないか!?



高すぎる壁だとボクでも思ってる。それでも挑むことは絶対にやめない…っ!


時が経ってその壁がさらに高くなっていても、挑み続けることはやめない……!


『…っ!!』


立ち止まってるのは終わり。地面を蹴ってリザードマンロードのいる方に飛ぶ。


『───“魔力纏”』


飛んでいる最中に魔力纏をかけておく。


リザードマンロードが立ち上がり、こちらを見たところで───


ボシュ、という音とともに細剣から水が噴き出す。



コメント:


:!?

:……!?

:水!?

:水……!?

:どうして……!?

:何も攻撃スキル宣言してないよね……!?

:あるとして魔力纏くらい……

:魔力纏…

:……まさか、あれ“想撃”!?

:想撃!?

:あー…あれかな?技名は教えてくれないから知らないけど。

:若干心当たりあるわ…



───集中。


相手と自分の一挙手一投足に気を遣え。


“それ”を使うなら“それ”を強くイメージしろ。


「ガァァァァ!!」


『っ!!』


振り下ろされる軍刀に水を噴き出し続ける細剣をぶつけて弾く。


手動弾きで体勢を崩したリザードマンロードの身体に対し細剣を突き刺す。


そのまま細剣を引き抜いて───再度突き刺す。


『───はぁぁぁぁっ!!』


その突き刺した場所から気合いとともにリザードマンロードの身体を斬り上げる。


それが終わると同時に細剣は噴き出し続けていた水を止めた。

実はこの作品内の世界ってVR技術の発達が凄まじく速いです。

2010年ってどんなゲーム機だったっけ…って思って調べたらW〇iとかD〇iとかPlayst〇tion3とかそのあたりの時代らしいですね……なおこの作品内の世界にもこれらのゲーム機は存在しますよ。

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