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No.61 家庭訪問……?

家庭訪問……

…家庭訪問なのかなぁ、これ。

一応担当教員が生徒の家に行ってるわけだから……うん……?どうなんだろ?

コミケが終わってゆっくり休んだ次の日のこと。


私、奈々、結、愛海、咲月さん、悠奈さんの6人は新橋駅にいた。


なんでここにいるかって言うと───


「すみません皆さん、遅くなりました…!」


「うん?いや、そこまで待ってないよ?」


「で、ですが───」


「元より急に行くことを決めたのはわたし達なんだから、奏さんは気にしないの。…ね?」


「……は、はい」


そう、奏さんの住んでる場所への訪問。こんなに大人数じゃなくてもいいんだけど、終わったあとで皆さんとゆっくりお話がしたいです、なんて言うものだから。


「……それにしても、先生が私の家に来るなんて……なんだか夢みたいです」


「そう?」


「はい。先生は私にとって画面の向こうの存在ですし…神凪先生と日奈子先生の方も来てもらえることに実感が湧きませんが、その……コミケで実在が確認できる神凪先生と日奈子先生とは違って、先生はVtuberみたいな存在でしたから。」


「Vtuberみたいな、っていうか今は実際にVtuberなんだけどね。私も、奏さんも。」


「あ…それもそうですね。…ふふ」


「…?」


唐突に笑った奏さんに首を傾げると、少し首を振ってから口を開いた。


「もし、今日先生と2人きりだったら先生のことを…ななみちゃんのことを、私だけで一人占めできたのかな、なんて。ちょっとだけ思っちゃったんです。」


「え…」


「流石に日奈子先生という素敵な奥様がいるのにその旦那さんを奪おうとするほど考えなしじゃないですし、大体かなた先生に対して恋愛感情はありませんし……そもそも私、そういう…略奪愛?みたいなの好きじゃないですからその方面じゃないですけど。その……」


そこで少し顔を赤くする奏さん。


「……え、えっと。その………ななみちゃんにちょっと甘えてみたいな、なんて……」


「……へっ?」


「「「「「あー……」」」」」


ちょっと、みんな!?なんかうんうんって頷いてるんだけど!?


ていうか奈々と結にならいつでも甘えさせてあげるからね!?なんで2人も頷いてるの!?


「あとちょっと甘えられてみたいのもあったりはしたんですが……ヒナさんと香月先生のオフコラボの件で、その…」


「……耐えられないと判断したのね。」


奈々の言葉に奏さんが小さく頷く。ていうか、オフコラボ見てたんだ。


「仕方ないわよ、甘えてくるこの人はすごく可愛いもの。」


「ちょっと奈々、流石に恥ずかし───っ」


ゾクッとする悪寒。それで言葉が切れた私に奈々と愛海が視線を向けたあとで私の視線の先にある建物に目を向ける。


奏さんの後ろにあるその気配よりもずっと強いその気配。


「……奏さん、もしかして…?」


「………えっと、はい。ここが、私の住んでいる場所です。」


「「「………」」」


黙った私、愛海、結に首を傾げる他の4人。


「……お姉ちゃん。ここまで来たら、私でも……」


「わたしも、分かる…」


2人の声に頷いてから奏さんに目を向ける。


「私の戸室にご案内しますね。」


緊張した表情の奏さんの後を追って、奏さんの戸室まで向かう。


近づくにつれて強くなる気配に夏だと言うのに寒気を感じる。それは奈々達も同じようで、特に咲月さんと悠奈さんはずっと周囲を気にしてる。


「どうぞ、ご自由に……少し恥ずかしいですけど。」


「「「「「……お邪魔します。」」」」」


戸室の中は全体的に綺麗に掃除も整理整頓もしてあって、結構綺麗好きなのが何となく分かる。


広さは多分1LDK。キッチンのない方が配信部屋なのか、キッチンのある方には配信機材が見えなかった。


「……こっちかな。えっと、こっちは?」


「あ、そっちは授業を受けるための部屋なんですけど……あと配信部屋。」


「開けてもいい?」


「ど、どうぞ……」


「ん、ありがと」


許可を取って開けるとそこには色々な機材が置かれた部屋があった。


───それと同時に、さらに強まる威圧感。この圧の中心は…


「ん、ここだね。」


「え?」


「そこなの?お兄ちゃん。」


「うん。愛海、用意して。結は奏さん達の近くにいてあげて。」


「わ、わかった…!」


「……あの、すみません。話が見えてこないんですが。」


「わ、私もです…」


「大丈夫、こういうものよ。───人ならざる者と対峙するときはいつだって。」


「「「……えっ?」」」


奈々の言葉に驚いてるみたいだけどその間に私と愛海の準備は進んでいく。


「人ならざる者……ってどういうことですか?」


「あら、聞いたことなかったかしら。“霊能力者の花神”。それがあの子達よ。」


「霊能力者……」


「えっ、待ってください、奈々さん達の“花神”ってあの“花神”なんですか!?」


「えぇ、そうよ?というか、華麗の巫覡という時点で気づいてなかったの…?小学生に上がる頃には基本的に霊能力を発現するらしいわ。そしてその花神の配偶者も婚姻後に霊能力を発現する……」


「───でも、私は今になっても……32歳になっても未だ霊能力を発現できてない。それが原因なのか、私の配偶者である奈々も未だ。だから私には華麗神社巫覡としての資格がないし、才能なんてあるわけがない。成人を迎えてもなお能力を発現、発揮することのできない“無能”……それが私だよ。」


奈々の言葉の後に続けたあと、少し思い出したことを続ける。


「ちなみにここで言う霊能力っていうのは霊視能力や霊感能力、自己強化のことではなくて、霊力を使った何かしらの異能と呼ばれるもののことね。分かりやすい例で言えば結界術かな。まったく、いくら私が無能だからって霊感能力くらい奈々に継がれたっていいのにね。」


そう愚痴るかのように言ったところで愛海の方を見ると、準備が終わったみたいで私の方を見ていた。


「はい、これねお兄ちゃん。いつものように、お願いします。」


「……分かったけど、正装じゃないのに効果あるのかなぁ。」


愛海が私に手渡してきたのは2つの巫女鈴。愛海の片手にも同じ巫女鈴。でも私達は普通に私服。


正装───つまり、巫女服じゃないのに効果があるのかな、って思う。


「んー…効果は弱まるけどやらないよりはいいよ。」


「そっか。愛海がそう言うなら大丈夫かな。」


「まずはここをどうにかするところから……お兄ちゃん、どれくらいだと思う?」


「49かな。」


「了解……それじゃあ、お願いします。」


「ん、お願いします。」


愛海と少し距離を取って一礼。愛海は半身になって鈴を片手で構え、私は低姿勢になって鈴を逆手で構える。


「っ……」


小さい気合とともに打ち込まれる愛海の鈴を私の2つの鈴で同時に受ける。シャンッと音がしたのを合図に一度離れて今度は私から。


「狭い室内で別の戸室に他の人も住んでるってことは忘れないように…ねっ!!」


「分かってる…!」


そこからは下段への打ち込みだけは使わずに鈴を受けて鈴を受けられを繰り返す。


そうやって、これは完成する。



───花神結視点



「あの……これは一体何を…?」


「なぜお2人は戦って…?」


お姉ちゃん達の動きを見ていた咲月さんと悠奈さんが疑問を発する。


「これは“花ノ舞”です。戦いに見えますが舞なんです。」


「「舞……?」」


「これが、舞……ですか?」


「はい。加奈お姉ちゃんと愛海お姉ちゃんが持っている鈴を規定回数打ち合わせることで完成させる舞。巫女鈴を用いた型無き舞───“花鈴共振無型舞”、といいます。」


「共振……?」


「無型…?」


「……華麗の巫覡に伝わる神楽の一種。今のように複数人で舞うのに加え、本来であれば巫女服と着物のいずれかを着用して行う神楽。無型舞の名の通り正式な舞の型は存在しませんが、正装でなければ効力が弱まる……とされています。」


「はぇ……」


「より具体的には、巫女鈴と巫女鈴を打ち合わせて共振……共鳴させることで霊体への効力を高め、その高められた効力を術に使うことを目的とした舞なんです。共振させるごとにあの鈴に霊力が蓄積されるので術の起点…エンジンのようなものとして使えるわけですね。」


私がそう説明すると咲月さんが首を傾げる。


「……やけに詳しいですね、結ちゃん。」


「…えっと、それは…まぁ。……これでも、華麗の巫女見習いですから。」


「「「……えっ」」」


「…正確には、次期華麗の巫女ですから…」


「「「……えっ?」」」


……えっと、そんなに驚くことかな…?


ちなみに華麗神社巫覡の通称を“華麗の巫覡”って言って、その中でも女性のことを“華麗の巫女”って言うんだよね。


「……ねぇママ、私何か変なこと言った……?」


「ええと……加奈が資格がないのに娘の結が資格があることに驚いているんじゃないかしら……」


…そういうものなのかな?


「そもそも、華麗の巫覡になる条件って霊能力を発現できてるか否かっていうのとその霊能力を使いこなせているかどうかなのよね。霊能力が発現できていないからこそ加奈は資格がなかったわけだもの。」


「霊能力なしで到達できる限界って巫覡補佐なんだけど……自己強化だけで限界まで上り詰める加奈お姉ちゃんって凄いと思うんだ……だって、私加奈お姉ちゃんに一撃当てることすらできないよ…?」


「自己強化……あの人霊力制御が昔から異常に巧いのよ。私も有効打当てることなんてできてないわよ。」


「あ、ママもなんだ…」


「えぇ。…でも確か、お義祖父様の話では……」


そう言ってママがお姉ちゃん達の方に目を向ける。釣られて私も目を向けると身体に薄く鎧のように霊力を纏っている愛海お姉ちゃんと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()加奈お姉ちゃんの姿があった。


“霊力視”。霊視とは別で“霊力”を視認するためのもの。“霊”を視るためのものと“霊力”を視るためのものでまた別物。霊能力に含まれないのは霊視と一緒。


ママは霊力視と自己強化はできるんだよね。加奈お姉ちゃんはそれに加えて霊感もある。私は霊感弱いけど今いるここほど気配が濃かったら流石に分かるかな。


「確か……生まれつき持ち得た霊力が膨大で……それが暴発しないようにすごく努力したって聞いたことあるよ、私…」


「…あの人もすごい才能を持っているのだろうけれどね。あの人はそれを頑なに認めないから…」


「仕方ないよ……私、加奈お姉ちゃんのこともママのことも大好きだからあまりこういう事言いたくないけど……私達本家の認識はともかく、分家の人達からすれば霊能力の使えない花神姓の人間は“無能”なんだもん。」


私がそう言うとママが辛そうに目を逸らした。


……私自身、無能と無能の間に生まれた才女だなんて言われてるけど……そんな事言われたって嬉しくもなんともないもん。


幸いというかなんというか、お姉ちゃんたちが帰省するタイミングがお盆とかお正月とかを外してる影響で分家の人達とはあまり会わないけど…


「結ちゃんは……その、分家の人?が好きじゃないんですね。」


「…加奈お姉ちゃんに霊力制御と技術で勝てる人なんていないのに…霊能力がないだけで加奈お姉ちゃんを馬鹿にするんですもの。好きじゃない、というか実質嫌いですね。」


「…結がそこまで言うのは珍しいわね。」


「だって事実だもん…」


「事実だけれども。」


……ママの言いたいことも分かるんだけどね。だって私、あまり誰かのこと明確に嫌いって言わないもん。


…そういえば……


「…ねぇ、ママ。私……思ってたことあるんだけど、言っていい?」


「どうしたの?」


「…加奈お姉ちゃんが女の子になれるようになってからなんだけど。加奈お姉ちゃんの霊力量が上がってるんだ。」


「…加奈の霊力が?」


「うん。大体……女の子になれるようになる前までの1.7倍くらい。パパの状態でも霊力量は変わらないんだよね。」


「常時1.7倍……それは確かに変ね。」


……その異様な上がり方はまるで…


「まるで……“枷”から解き放たれたみたい…」


「……“枷”、ね…」


枷、枷……と言いながらママが加奈お姉ちゃんの方を見る。


「……そういえば。」


「?」


「花神家ってもともと女性ばかりの家系らしいのよね。」


「え?」


「3世代に1度くらいの頻度で男性が産まれるらしいけれど、基本的には女性ばかりらしいわよ。」


「3世代に…1度?」


3世代……ってことは。加奈お姉ちゃんは、ひいおじいちゃんから考えると2世代後だから……


「…もしかして……加奈お姉ちゃんは元々女の子として産まれてくる予定だった……?」


そして…その子供である私は……私、は……


「本来であれば、男の子で……?」


「……こんな話をした私が言うのもだけれど…あまり気にしないでいいと思うわよ、結。あくまで過去の家系図から平均しての話であって、前回の男性の3世代後に産まれる子供が必ず男の子じゃないと駄目ってわけじゃないわ。直系の子供の性別はどちらでも問題ないわけだもの。」


「……そっか。…私は私でいいんだ……」


「……抱え込みそうになるのは結と加奈の悪い癖よ?今回に関しては不安にさせちゃった私も悪いけれど。」


「あぅ……ごめんなさい……」


ママに撫でられてると落ち着く。


…ふと湧いた疑問を口にする。


「……ママと加奈お姉ちゃんってホントに霊能力ないのかな。」


「……というと?」


「無意識に霊能力を使っていて、それがあまりに自然すぎて…見える形での変化がなさすぎて、霊能力が無いと思われてる可能性ってあるんじゃないのかな……」


そう言ったらママが少し悩んでから息を吐いた。


「……ホント、結は着眼点が凄いわね……それに関しては今調べてもらってるのよ。難航してるみたいだけれど。でも、調べ終わったところで私達の無能の烙印が消えるかどうかは分からないわね。…その烙印で受けた傷も。」


「そうなんですね……」


「ええ……私と加奈が結婚して既に14年。加奈に…いえ、彼方さんに関してはそれよりも長い23年という年月。それだけ長い間、“無能”、“出涸らし”と呼ばれ続けた影響はそう簡単には消えないと思うわよ。」


「にじゅう、さん……」


「私達が産まれるよりも前から、ずっと…?」


…当然だけど、私も産まれてないから分からない。分からないけど……辛そうなママの表情を見てたら怒りが湧くのはなんとなく分かる。


「どんなに天才だとか、有能だとか言われたとしても…好きな人が貶されてたら嫌な気分になるって分からないのかな。」


「……」


「……分からないんだろうな、多分。」


そう呟いて小さくため息。


「結ちゃん……」


「ホント……あ。」


「「「?」」」


両手を前に出して握る。私がしたのはそれだけ。


「あの、結ちゃ───」



バンッ



「んっ!?」

「きゃぁっ!?」

「ひゃっ!?」


いきなり聞こえた音にママ以外が驚く。音はしたけどその音の方には何もない。あるとすれば薄いピンク色の透明な細い格子くらい。


「……結?もしかして…」


「…お姉ちゃんたちに対処されそうになって、慌ててこっちに攻撃してきたね。でも、霊体物質化結界の中だから私の霊能力を通り抜けることもできない……あ、霊体物質化っていっても周りの物に当たって物が壊れるとかはないので安心してください、奏さん。」


「ほっ……」


「…というか、スルーしてましたけど結ちゃんは霊能力を持ってるんですね……」


「え?あ、はい……」


「この子、3歳で発現した天才だもの…霊能力も既に使いこなしてるわよ。」


「えっ」


「ちょっと恥ずかしいよ……っと」


握った手を解いてから指だけを立てる。地面から突如現われる薄いピンク色の透明な細い柵。再度バンッって音が鳴るけどこっちに被害がある様子はない。


そこで、私の動きを見ていた咲月さんがそれに気づいた。


「それ……糸、ですか?」


「糸…?」


「…よく気が付きましたね。そうです、これが私の霊能力の形……“霊糸”です。」


私達を取り囲むように存在する薄いピンク色の透明な細い柵。その正体は糸。この糸を自由自在に操るのが私の霊能力の“応用”。


「……霊能力が発現してないと言われるママと加奈お姉ちゃんにはすごく申し訳ないんですけど、私この能力あまり好きじゃないんです。」


「…そう、なんですか?」


「はい。」


「色々と工夫して使えそうな強い力に思えますけど……何か理由でも?」


「……そもそも糸を使えるのは私の霊能力の副産物でしかないんです。私の能力の本質はもっと違うところにあります。」


「えっ、それ副産物なんですか?」


「これは副産物ですね。それで、この能力が好きじゃない理由は……その……虫、みたいで…」


「「「……あー…」」」


……虫、苦手なんだよね…虫苦手にこの能力は相当辛い……


あと別の理由もあるけどそれは話さなくてもいいかな。


「……あれ?そういえば……結ちゃん達はダー〇ソウルとかやってるんですよね?あれって結構虫出てきた気がするんですけど……それって大丈夫なんですか?」


「ふぇ?…あー」


…そういえば虫系いたっけ。


「苦手なのは変わりませんけど……あれに関しては無理矢理慣れました。」


「「「えぇ……?」」」


「でも、私達はそういうものよ。私と加奈も無理矢理慣れてるもの。…苦手なのは変わらないから気を抜くと悲鳴をあげちゃうけれど。」


ヒ〇溜りなんかは一番いい例だよね……うっ、思い出すんじゃなかった。……っと。


「“(ケージ)”」


私が呟くと同時にさっきよりも太い糸が私達を囲むように展開、さっきよりも強い衝撃を受け止める。


「っ……一撃が重い。けど、通常の“檻”で対処できる重さ……」


呟いている間も強い衝撃が振るわれる。その連打で私の糸も崩される───


「“重層檻(レイヤードケージ)(トライ)”」


でも、即座に呟いた言葉でさらに糸が構築される。糸と糸を重ねて強固にする単純な重ね技。


単純だけど、それ故に強く応用が効く。


「お姉ちゃん達が舞を終えるまであともう少し……守りは任せてください。」


「は、はい……」


そう告げて強い衝撃を受け続けて数秒。シャラン、と一際大きな音が響いた。


それは終わりの合図。舞の終わり、術の起こり。愛海お姉ちゃんに加奈お姉ちゃんが持っていた鈴が渡り、それが起動する。


愛海お姉ちゃんの口が動いたのは見えたけど、声は聞こえない。


霊力視を使ってみれば膨大な霊力が鈴を中心に渦巻いているのが視える。


渦巻いている霊力が鈴に集束して、圧縮されて───



パチン



───そんな音と共に、部屋にあった威圧感が消えた。

実は花神家は霊能力者の家系でした。

若干の伏線みたいなのは前々から張ってた気がするんですけどどうだったかなぁ……

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