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No.6 自己紹介動画を作る

自己紹介動画。

私のは…非常に分かりにくいようなものだと思ってます。

正直黒歴史みたいな感じになりつつあるような。

それでも私の一部なのは否定しないので記憶の彼方に消し去ろうとは思ってないんです。

「どうしよう…」


私は通話が切れた後、悩み続けてた。


デビュー前だから自己紹介動画作らないとなんだけど……


「……名前…どうしよう」


私、昔から色々センスなかったりするんだよね…


「声の問題は私自身がPC前にいれば女の子になってるから問題ないし……実際、いきなりおじさんに戻ったとしても少し上げれば今の私と同じくらいになるらしいからボイチェンとかも必要ない……」


あと、モデルを軽く動かしてみたけど凄く滑らか。指先一本一本、変に固まったりせずにそのまま動くから、多分奈々は私の身長だけじゃなくて身体情報をそのまま3Dモデルにしたんだと思う。思えば服を買いに行った時に身長やスリーサイズだけじゃなくて手足の指の長さとか太さとかまで調べられたし。あの頃から私のVtuber化計画始めてたんだろうね…


「パパ、ただいまー。」


「ん…お帰り、結。」


PCの前で悩んでいると結が小学校から帰ってきた。確か今日は5時限目までって言ってたから早く帰ってくるんだよね。結も座れるように椅子を1人用の椅子から2人用の椅子に変えておく。変えたところで結が部屋にやってきて、私の膝の上に座った。まだ私より結の方が若干小さいから、少し頭を避ければ画面は見える。


「わ、可愛いー!お花畑にいる妖精さんみたい!ねぇねぇパパ、これってママが作ったの?」


「うん、そうだよ。」


「ママ、すごーい!パパがこの女の子になるんだぁ…!」


目をキラキラさせながら私を見る結の頭をなでる。すると少し我に返ったようで、少し悩む表情を見せた。


「どうしたの?」


「…あのね、パパ。ちょっと相談があるんだけど…」


「?」


「えっと……今のパパのこと、お姉ちゃんって呼んでもいい、かな…?」


「……娘にお姉ちゃんと呼ばれる父親とは…?でもまぁ、いいよ。」


違和感凄いのは本当だし、とは言わなかったけど、私が許可を出すと恥ずかしそうにしてた結がぱぁっと明るい笑顔になった。


「ありがと、パパ……じゃなくて、ええと……お姉ちゃん!パパの女の子としての名前、出てこなかった…」


「加奈、だよ。」


「わ、忘れないように頑張るね…?」


結は結構覚えてること多いからそこは心配してない。あと、結がお姉ちゃん呼びだとますます私が奈々の娘になったように見えるね。…そういえば


「ねぇ、結。さっき、私のモデルのことを見てなんて言ってた?」


「え?可愛い、って言ったけど…」


「そのあと。」


「えっと……お花畑にいる妖精さんみたい?」


「お花畑……」


「うん!お花の種類もたくさんあって、組み合わせたら虹色みたいなの作れそう!」


「……虹…それだ。」


「え?」


不思議そうな表情で私を見上げる結に小さく笑う。


「結、結が言った言葉をもとにこの子の名前を付けていい?」


「いいよー?そのまま名前にしても大丈夫!」


「流石にそのまま名前にはしないかな?」


えっと……


「……花畑……花乱れ……乱れ咲き……虹色……七色……水………“花園(はなぞの) 七海(ななみ)”!で……どう、かな?」


「はなぞのななみ……あれ?ねぇねぇお姉ちゃん、“はなぞの”ってどんな字を書くんだっけ?」


「え?えっと、花畑の花に幼稚園の園だよ?」


「……あれ?ママがお姉ちゃんと結婚する前の名前って…」


「………あ。」


私が“花神(はながみ)”。奈々が“姫園(ひめぞの)”。だから…見方によっては奈々の旧姓と現姓の組み合わせになってる。


「き、気付かなかった…」


「でも、ママの……ぺんねーむ、だっけ?あれって確か“ひめばな”と“ゆめぞの”じゃなかった?それだったらママの子供だって強調されるんじゃないかな?」


「“夢園”はペンネームじゃなくて配信者としての名前だね。ペンネームである“姫華”の方も字は違うけど……そっか、そういう見方ができるんだ。」


「私、自分で考えたペンネームまだないから…」


「私だってないよ。…でも、結には早すぎるけどね。」


「うぅ…」


私も奈々も、割と結に甘いのは自覚してるけど流石にインターネット(これ)はね。火の粉は全力で払うけど。


「…とりあえず、名前は“花園 七海”でいいかな…?」


「いいと思う!」


「ん、それじゃあこれで登録しようかな。」


モデルの仕様書みたいなのに“命名”の文字があったからそこに書き込んでおく。…たまに変なことやるよね、奈々って。


「…それで、方向性かぁ…幼女っぽい感じするからそんな方向性…なのかな…」


「お姉ちゃんは何か気になるの?」


「うん、奈々から言われたことがあってね。無理にキャラを作らずに振る舞ってもいい、って言われたんだよ。」


「……あー…」


結?


「なんとなくわかるかも…?だって、今のお姉ちゃんって私のパパだって認識しようとしたら一瞬分からなくなるもん。」


「え、そんなに?」


「うん。あと、私のランドセルとか背負ったら私と同い年くらいにしか見えないと思うよ?」


「ちょっと待ってそんなに??」


「うん。たぶん……これは私の予測なんだけど……他の皆の中に紛れてても一目見ただけだと私でも気付かない…と思う…」


大本は成人男性なんですけど……文化祭とかに生徒として呼ばれないといいけど。……ない、よね?


「…まぁ、方向性はおいおい決まっていくかな…」


「私もそれでいいと思うなー…」


……よしっ。


「定義───私の名前は“花園 七海”。……結ちゃん、動画の撮影しちゃうからちょっと離れててー?いいって言うまでおしゃべりするのもダメだよー?」


「っ…!う、うん…!」


結が椅子から降りたのを確認して私も椅子から降りる。性転換トリガーである自己暗示も使って撮影中に性転換が解けないようにして、モーションキャプチャーを装着する。


「すー…はー……」


深呼吸をして録画開始。…さぁ、始めよう。



「───この動画を見てくれてるみんな、はじめましてー!私は“花園(はなぞの) 七海(ななみ)”、花畑を彩る七色の海なんて言われてます!今日からVtuberとして活動していきます!えっと、この動画はタイトル通り私の自己紹介動画だから、よければ最後まで見ていってねー!」


「まず、私の名前は花園 七海!最初にも言ったよねー。年齢は…ちょっと分かってないんだー。気が付いたらここにいたって感じだからー…ごめんねー。」


「次に、私の趣味!読書にゲーム、それにお料理とかお歌も大好き!お花畑の中で静かに本を読んでたり、歌を歌ってたりするのが好きなんだー。流石に版権の問題あると思うから歌ってみたは…えっと、ボーカロイド曲?が主になっちゃうと思うけど、許してねー!」


「配信は主に週末を予定してるから、時間が合えば来てくれると嬉しいなー。…あ、でも無理はしちゃだめだよ?私との約束!」


「あ、でもね…初配信はまだいろいろ準備が必要だから、ちょっと未定になっちゃうかな。でもでも、土曜日に初配信をやるのは確定してるの!初配信以降は週末が配信、それより前は動画になるって感じかなー?ごめんねー…」


「最後になっちゃったけど、動画のこと!お料理とかゲームとか、配信だと難しそうなものをやっていくつもり!多分、週に2投稿くらいなるかな?あまり慣れてないから少なめだけど、許してー!それでも配信開始前は3投稿できるように頑張るから、よかったら見ていってね!」


「っと、結構長くなっちゃったかな…ここまで見てくれてありがとー!それじゃあまたね!次の動画か配信で会おうねー!ばいばーい!」



録画停止ボタンを押した後に頭を軽く振って自己暗示も切る。


「結、もういいよ。終わったから。」


「う、うん……」


「後はこれを編集してチャンネルを作成して……ってまだ色々やることあるなぁ…」


椅子にもたれかかり、大きく息を吐く。恐る恐るといった感じで結が私に近づいてくる。


「…ねぇ、お姉ちゃん。今のってお姉ちゃんなの…?」


「え?」


「なんか…もう……別の人にしか見えなかったよ…?」


「……あー…」


…そういえば、結に見せたのは初めてだっけ。


「あれって私のちょっとした特技なの。何かを演じる時に自己暗示をかけてから入ると、綺麗に役になりきれるっていう。」


「…ちょっとした、どころじゃなくないかなぁ…?」


「そう?」


奈々も同じことできるからちょっとしたものだと思ってたけど。


「チャンネルとか作る……前に。結、今日の夜は何食べたい?」


「オムライスが食べたい!」


「ん、それじゃあ買い出しとか行かないとね。一緒についてきてくれる?」


「うん!」


一緒に椅子から降りて出かける準備をする。外は少し暗くなってきたかな。

別キャラの視点はいずれ書きます。

それと今更ながらVtuberさん達の名前って漢字姓+カナ名orかな名が結構多いことに気がつく私……

読みにくいとかあったりするのかな、たぶん……

……もっと早く気付いてよ、私…

とりあえず、本人の台詞等のところでは漢字名表記、リスナーさんや別キャラさんの台詞等のところではかな名orカナ名表記にしたいと思います。

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