表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/126

No.18 実況・配信用のゲームの話と運営からのメッセージ

既存ゲームのモーションキャプチャー対応版みたいなのはやってみたいと思ってる私です。

「そういえばおにい、コミケの話からは変わるんだけどさ。実況ゲームのリクエストとかあったの?」


「ゲームのリクエスト?あー…」


そういえばまだリクエストボックス見てないっけ。


「ちょっと待ってね……」


携帯でリクエストボックスを開く。リクエストボックスは複数のタブで仕切れるようになっていて、リクエストした側の人がどこのタブに投稿するか選択すれば自動的に分けられるようになってる。


その中の“ゲーム”タブを開いてみる。わ、結構あるなぁ…とりあえず一番最初は……


「えっと……ブ〇ボやってほしいってあるね」


「なんで?」


「さぁ…」


「少なくとも絶対初手に選ぶゲームじゃないと思うよ、それ…」


ブ〇ボ。正式名称Bloodbor〇e。死にゲーを作ることでかなり有名な会社が作ったゲームの1つ。このゲームも例に漏れず、最初のボスですら倒せない人がほとんどっていう話。


「ホラーゲームっていうことでリクエストしてきたのかな?」


「だからって他にもいろいろあったと思うんだけど…」


「一応ホラーっぽいのは変わりないからね。…ただ、問題が1つあって。」


「うん?」


「…私、これ既プレイなんだよね…」


「…そうだったね。」


そうなんだよね…既プレイなんだよ。しばらくやってないけどなんとなく感覚は覚えてるよ?


「あ、でもおにいってVR版はやってなくない?」


「あー…そうだね……でも流石に初ゲームでこれはないでしょ…」


「…まぁ、確かに。だったら他のゲームリクエストって何があるの?」


「シューティングゲームで…ごす?ゴース?…ええと、“GoS VR”?っていうのが書いてあるんだけど…愛海、知ってる?」


「GoS…って、“Gun's of Survival”?結構有名なFPSゲームだよ、それ。名前くらいは聞いたことあるんじゃない?」


「あぁ…それかぁ。略称だと分かんなかった。」


“Gun's of Survival”。完全なPvEのFPSゲームで、敵の種類や武器の種類が結構豊富。シューティングゲームだけど近接攻撃が最強って聞いたことがある気もする。


「わたしもVRはやったことないけど、それならちょうどいいんじゃないかな?おにいはFPS初心者だし。」


「んー…やったことないゲームだけど、やってみようか。せっかくおすすめしてくれたんだし。」


「じゃあ、今から買いに行く?車出すよ?」


「そうだね。愛海、お願いしてもいい?」


「りょーかい。ちょっと準備してくるね。」


そう言って愛海が居間から出ていく。私や奈々は車持ってないからね。自転車や徒歩で大体解決しちゃうから。


さてと、私も出かける準備して、結に声かけていかないと……



ヴーッ



と、思ったとき私の携帯が震えた。短いからメールなんだけど……


「…Yourtube運営から?」


差出人がYourtube運営。…私、何かしたっけ……


「……って、“調査途中経過報告”か……そっか、もうそんなに経ったん……」


……途中経過報告?


一応、この不正検証システムは不正があったかどうかを調べるもの。その検証が終わったら、チャンネル主と検証したアカウント全てに対してほぼ一斉送信でメールが届く。そのメールが届くまでの期間は検証開始から約1ヶ月。“調査完了最終報告”という形でメールが届く。


…だけど、今私に届いたのは“調査途中経過報告”。これはチャンネル主にしか届かないもので、調査が長引いている場合や緊急でチャンネル主に伝えたいことがある場合に使われるもの。


「……なんだろ」


メールを開いて───内容を見て脱力。そんな時に愛海が戻ってきた。


「おにい、車の準備でき───ってどうしたの?」


「……収益化」


「え?」


「収益化、申請できるって。今Yourtube運営からメール来た。」


「え……」


「あと実数はまだ定かになってないけど、少なくとも5,000人突破してるらしいよ……」


「えぇ……」


愛海がちょっと引いた。私だって引くよこんなの……


「実数表示にできない関係で収益そのものは発生しないけど収益化の申請はできます、っていう通知……実際に見ることになるなんて……」


「確かそれだと収益化の条件緩いんだっけ?」


「どうだっけ……未収益化かつ5,000人突破してることが確認できないとこの通知送られないって聞いた気がする…」


……それで、この通知が着て収益化を申請して、それがちゃんと通った場合。または既に収益化していて、この不正検証システムを起動されたことで収益化が一時停止された場合。システムによる検証が終了してなお収益化剥奪されていなければ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


配信でも言ったけどこのシステムは運営側の善意。それゆえか何もしてない人、特にチャンネル主には“迷惑をかけた”ということでお金が配られる。…言い方何か違う気がするけど。


ちなみに、普通に収益化申請する場合の話をすると。その資格があるのはチャンネル登録者1,000人以上、過去公開動画総再生時間4,500時間以上のチャンネルに限られる。年齢制限は一応16歳から。保護者側の許可とかあれば15歳以下でも問題なくなるけど、まぁ……その場合割と審査が辛いって聞いたことある。


…で。性転換後の私の場合は肉体年齢14歳だから保護者の許可が必要……と思いきや、実はYourtube運営は病院側と連携してるから本人確認ができて、収益化することは可能なんだよね。ちょっと時間はかかるけど、ちゃんとやってくれるのは凄くありがたい。


…とはいえ。


「……何となくこうなる予感はしてた」


「あはは……初配信なのに来てる人多かったもんね…」


あと視聴回数の増え方とかから数日繰り返し見てる人いるの気づいてたんだよね…日当たり2,000~3,000単位で増えてたっぽかったから……


「……まぁいいや、収益化申請はあとでしとく…ゲーム買いに行こっか、愛海。」


「あ、うん。」


「…っとその前に結に声かけてかなきゃ。」


居間から出て結の部屋の前で扉を叩く。


「はーい?」


「結?近くのゲームとか売ってるお店行ってくるけど何か欲しいものある?」


「欲しいもの?うーんと…今はちょっとないかなぁ…ほとんど揃っちゃってるや…」


「そう?ないならないでいいけど…」


「積んじゃってるゲーム一杯だもん……」


あー……積みゲー消化はホントに課題だわ…


「だから、加奈お姉ちゃんは私のことは気にしないで買いたいの買ってきて?」


「…わかった。それじゃあ行ってくるね。」


「気を付けてねー!」


結の言葉を最後に私は結の部屋の前を離れて、愛海と合流して近くのゲームショップに向かった。


…正確にはエンタテインメント専門店、らしいけど。新作ゲームっていったら近場だとここくらいしか思い付かない。


「VR専用のゲームは……と。」


VRゲーム、と一言でいってもいくつかの種類がある。


まず、VR対応ゲーム。HMDヘッドマウントディスプレイを被ってVRコントローラを使ってのプレイ以外に、HMDを被らず従来のコントローラを握ってのプレイが可能なタイプ。順序的には逆なんだけど。


次に、VR専用ゲーム。HMDを被ってVRコントローラを使う、もしくは対応するトラッキングパーツを使うタイプ。


最後に、完全接続型VRゲーム。分かりやすく言うと“フルダイブ型”。現実の体は動かず、意識と感覚がゲーム内に飛ぶタイプ。莉愛がデバッグをしてるのはこの類い。


VRゲームはHMDを被るのを本来の遊び方としている関係上、必然的に一人称視点のゲームになる。三人称にできなくもないけど、基本的には一人称かな。


「っと、GoSはこれだね。あと…」


「ブ〇ボも買うの?」


「うん、持ってなかったし。他のVR版は持ってるんだけどね。」


さっきから言ってるVR版っていうのは元々普通のゲームとして売られていたものを、VR向けにリメイクしたもののことを指す。ざっくりと説明すれば、三人称視点で動いてるゲームを一人称視点で出来るようにして、自由にキャラクターの腕を動かせるようにするっていう感じ。元々が規定されていた動きしかできなかったのに対し、自由に動き回れるようになるものだから結構バグは多い…らしいんだよね。私、その手のバグに遭遇したことないから“本当に?”って思ってるんだけど。


「…あ、あったよ、おにい。」


「んー?…あ、ホントだ。愛海、ごめんだけど取ってもらえる?」


「ん。」


微妙に手が届かないところだったから愛海に取ってもらった。そのままお会計に行ってお店を出る。


「おにい、確かGoSは初見でやるんだよね?」


「うん、そのつもりだけど…」


「最新作のVRはわたしも初見だから楽しみにしてるね。」


そんな話をしながら私と愛海は帰路に着いた。

ちなみに実質的な初配信で死にゲーの1つであるダー〇ソウルをプレイしたのは私です(実話)。

初プレイに加えて元々ゲームが下手なので全然進まなかったのですけどね…

とはいえ、初配信・初動画で死にゲーをやった人を貶すとかこれからの初配信・初動画で死にゲーをプレイしようとしている人に忠告するとかの意図は私にはありません。あくまで彼方さんと愛海さんは“初手に選ぶゲームじゃない”と思っただけです。

それと、愛海さんは家族以外の前では彼方さんのことを“お兄ちゃん”呼びしてます。家族しかいない場合は彼方さんのことを“おにい”呼びしてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ