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No.15 ななみ初配信終了後

ななみ「あけましておめでとうございますー!」

…そのあけましておめでとうが初配信終了後の話でよかったのかすごく悩んでる私がいるんですが。年末年始特別枠とか作れるほどのストーリー進行状態でもない気がするので今回はスルーさせていただきます。

今年もよろしくお願いします。ゆるりゆるりと書いていくのです。

「ふぁぁ……ねみゅい……」


自己暗示を切って配信を切ったことを数回確認する。立ったままでも凄く眠気が襲ってくるけどどうにか堪えて身体の向きを変える。


「結ー…終わっ……」


「………」


「結!?」


結がその場で倒れていたことに驚いてちょっと目が覚めた。慌てて近づいて状態を見る。


「ええっと……だ、大丈夫だ…生きてる……」


呼吸とか心臓の動く音とか脈とか調べて生きてるのは確認できた。でも、なんで……


…うん?結の手元に携帯端末………表示されてるのは私の配信画面(終了後)……


「……」


…あれ?この状態……もしかして“尊死”?よく高校生時代、奈々や愛海がこの状態になってたの覚えてるけど。……えっ?…………えっ???


「…結ってもしかして私でなるの…?」


妻…もとい、元々赤の他人であった奈々はともかく、実の娘である結が実の父親である私でこの状態になるの……?いや、元々実の妹である愛海もなっている時点でちょっとおかしい気もするけど……


「……命に別状はないし……それに睡眠に移行したみたいだから結の布団に連れてっておこう……」


普通の呼吸から寝息に変わっていることを確認してお姫様抱っこ。そのまま結の部屋まで連れていく。……私と奈々の娘だからか結も結構軽いんだよね。それに昔は私も140cm台だったし……まぁ、性転換したら今もなんだけど。……奈々と私と結で三姉妹って思われそうだなぁ…


「……ふぅ。」


まぁ、力が弱まってるから連れていくのがちょっとつらいね?……っと、いつの間にか左手で私の服を掴んで離さないんだけど……


「…仕方ないなぁ……ふぁ…」


オムライスを作ったあの日みたいに同じ布団に潜り込む。私の左手と結の右手を繋いで向き合うように寝転がる。それと同時に眠気が一気に襲ってくる。


「……おやすみなさい。………ゆいおねえちゃん。」


意識が落ちる寸前、無意識に出た最後の言葉にその時点で私が気づくことはなかった。




───翌日




「……う、うぅ…ん…」


意識が緩やかに浮上する。少し重い目蓋を緩やかに開けると、結と目があった。


「あ、起きた!おはよ、お姉ちゃん!」


「……んぅ…おはよ、結……ずっと見てたの…?」


「寝顔可愛かったからずっと見てられたよ?」


「…ちょっと恥ずかしい……」


えー?と言いながら結は布団から出た。私も結の布団から出て、結の部屋から出て、一度自室に戻る。寝てる間は性転換状態が解除されないから、結の起きた時間にもよるけど1時間とか見てた可能性もある。結の部屋で時計見えたけど6時だったし。


「……ん?」


PCの画面を見たらメッセージが入ってたことに気がついた。…愛海から。数分前か…



件名:

おはよ、お兄ちゃん。

ちょっと話したいことあるから今日そっち行っても大丈夫?



「話したいこと?」


それに今日かぁ……また唐突だねー、あの子は。



件名:Re:

おはよ、愛海。

私は特に用事ないし今日来られても問題ないよ。

何か食べたいものある?お昼頃とかになるんだったら用意しておくけど。



とりあえず返信はこれでいいかな。って、返信早っ



件名:Re:Re:

手作り餃子が食べたいっ!!

お兄ちゃんの皮から手作りの餃子、久しぶりに食べさせてください!!(*ノ´□`)ノ

あと時間はお昼2時とかになると思う!



「え、えぇ……」


私の皮から手作りした餃子に何の意味が……まぁいいや。そうなると餃子の皮の仕込みとかやっておかないとね。あとタネの材料買っておかなきゃ。


「……っていうか、最近私餃子作りすぎじゃない?」


最初の料理動画でも作ったし、その翌日に奈々のところ行った時も作ったし……今月3回目だよ?





───花咲香月視点



「…うっ…」


目覚ましの音がして目が覚める。


「…今何時……?」


私───“花咲香月”こと“香川(かがわ) 咲月(さつき)”は結構目覚めが悪くて、結構な数の目覚ましをかけてる。そして目覚めても眠気が強すぎて二度寝に入ることが多い…のだけど。


「……?眠気、無い…?それに、まだ5時…?」


昨日は……確か、ななみちゃんの最後の“大好きだよ、お姉ちゃん”にやられて…そこから意識がないんだけど…………


「……ってそうだ、悠奈!あの子は大丈夫!?」


恐らく私がやられた原因は“尊死”。そうなのだとしたら、私の友達である“夢咲ゆな”こと“夢川(ゆめかわ) 悠奈(ゆうな)”はその耐性が全くないから色々と危険。朝早くて申し訳ないけど、悠奈に電話をかける。あの子はこの時間帯にはもう起きてるはずだから───


「お願い、出───」


〔…はい〕


「っ!悠奈、無事!?」


〔…咲月……?ごめん、私今さっき起きたとこで……ちょっと理解が追い付いてないんだけど…〕


「とりあえず無事なのね!?」


〔え…あ、うん…〕


「よかった……」


〔……えっと、何があったの…?とりあえず落ち着いて話せる…?〕


「……うん。えっとね…」


私は悠奈にななみちゃんの配信で起こったことを話した。…って言っても、悠奈も一番最初と最後の最後以外は起きてたはずだからあまり必要なかったかもしれないけど…


〔……なるほど、なんとなく理解した…〕


「…大丈夫?なんかおかしいところとかない?」


〔おかしいところ……そういえば、いつもよりすっきりしてる気がするけど…〕


「……すっきりしてるって、目覚めが?」


〔うん…なんか、いつもは不快なんだけどね…〕


……言われてみれば、私も結構すっきりしてる気がする。それに、この時間に起きてるのは珍しいし。


〔…ななみちゃんの声に何かあるのかな。〕


「わかんない……ねぇ、悠奈。あの子の配信、見続けられる?」


〔…がんばる。〕


「多分、悠奈にとって劇薬だよ?」


〔…それでも、がんばる。〕


悠奈の声に力が籠っているのが何となくわかる。…でも、私は心配。


〔……ななみちゃんが、私達を選んでくれたから。〕


「え?」


〔ななみちゃん、日奈子先生や神凪先生っていうプロ絵師さんがいるのに私と咲月を選んでくれたでしょ。だからってわけじゃないかもしれないけど、私はななみちゃんのこの先を見守りたい。…咲月と一緒に。〕


「……」


〔たとえ私にとって劇薬でも、地獄になっても…それでも、私を選んでくれた“最初の娘”の行く先くらいは見届けたい。…だめかな。〕


「…そっか」


……そうだよね。日奈子先生や神凪先生という選択肢があったにも拘らず、ななみちゃんは…かなたさんは私と悠奈を選んで指名した。“格が違いすぎる”、と抗議はしてしまったものの…そもそも“指名される”というのは酷く貴重で、酷く光栄なこと。


「…ななみちゃんは言ってた。“私は香月ママとゆなママの手がある状況で生まれたかった”、って。それって多分、Vtuberになるなら確定で私達を選んでくれてたってことだよね。」


〔多分…日奈子先生や神凪先生という2人がいて、さらにそこに私達の追加を要求したくらいだから…きっと。〕


「…それを知っていたから、日奈子先生と神凪先生は私達のサポートに回ってくれてたのかな。」


実は、ななみちゃんのボディと花柄ワンピース衣装、無地ワンピース衣装の3Dモデルを作ったのは私で、無地ドレス衣装と花柄ワンピース衣装、ボディの原画を作ったのは悠奈。日奈子先生は無地ドレス衣装の作成のほかにカスタマイズボーンっていう小物を付け替えれるボーンの導入やカスタマイズフラワーって名付けられた花の小物を作ってくれて、神凪先生は無地ワンピース衣装とカスタマイズフラワーの原画だった。だから、ななみちゃんのよく見える部分を作ったのは私と悠奈だったりする。


私がボディとか作ってる時、日奈子先生はあまり口出しはしてくれなくて、ズレの矯正だけしてくれてた感じだった。それは悠奈と神凪先生も同じ感じだったみたい。深読みかもしれないけど、日奈子先生達はそれを知ってて見守ってくれてたのかもしれない。


…余談だけど、かなたさんに迷惑料込みとかで依頼用に提示してある最大額の倍額払われて困惑したんだよね…


〔…本当のことは本人に聞かないとわからないけど。それでも……〕


「…うん。」


ななみちゃんが私達に期待してくれたのなら…それにどうか、応えたいね。


〔…そういえば、咲月〕


「ん?」


〔今年の夏コミ。どうするの?〕


「………どうしよっか」


そういえば今回って私も悠奈も2人とも落ちたんだよね…新刊用意終わってたのに。


…策は、あるけど。





───掲示板側



【後ろ盾がまるで企業勢】花園ななみについて語るスレ【だが個人勢だ】



250:名無しの花の雄蕊

おいっすー…昨日の配信見たやつおるかー…

いたら返事してくれ…


251:名無しの花の雄蕊

おういっす……反応あり…


252:名無しの花の雌蕊

うぅ……

私寝起きー…


253:名無しの花の雄蕊

>>252

奇遇だな、俺も寝起きだ…


254:名無しの花の雄蕊

>>252

俺も……


255:名無しの花の雌蕊

全員寝起きってそんなことある……?

もう7時だけど…


256:名無しの花の雄蕊

7時……待て、31時…?

……約11時間も死んでたのか、俺達…!?

俺、ななみちゃんの配信見てて最後に見えた時刻が20時前だったの覚えてるし…


257:名無しの花の雄蕊

いやいやまさかそんなこと……

………マジだ。

え、これ俺今日休みだったからよかったものの他のやつら大丈夫なん?


258:名無しの花の雌蕊

私達が来る前にコメント残していった人もいたっぽいし多分人によるんじゃないかな……


259:名無しの花の雄蕊

休憩入ったんで見に来た。

>>257

俺、4時に起きた。仕事あったから4時ごろには起きんといかんかったんだが。寝た時間も関係するのか妙にすっきりしてた。


260:名無しの花の雄蕊

>>259

情報サンクス。

“すっきりしてた”?眠気が強かった割に確かに目覚めは悪くなかったが…


261:名無しの花の雌蕊

言われてみれば私も…なんか、不快な目覚めじゃなかった。


262:名無しの花の雄蕊

俺もだ……何かあったのか…?ななみちゃんに尊死させられたことくらいしか思い当たらんが。


263:名無しの花の雄蕊

尊死といえば、本題に戻るんだが昨日の配信どうだった?


264:名無しの花の雌蕊

ママたち大暴走してなかったっけ


265:名無しの花の雄蕊

日奈子ママぼっこぼこにされてたよなぁ…


266:名無しの花の雄蕊

日奈子ママに限らず何度か尊死してたと思う…でも多分、一番弱いのはゆなママだろう…


267:名無しの花の雌蕊

初手死は流石にびっくりしたよね……川が見えたって言ってたし…

あと、神凪ママはかっこいいのかかっこ悪いのか分からなかったよ私…


268:名無しの花の雄蕊

あれはなぁwww

…そういえばななみちゃん、コミケとか参戦したりするのかねぇ。


269:名無しの花の雄蕊

そういえば神凪ママはコミケに久しぶりに参戦するんだっけか。

売り子さんとしてだけでも来てくれたら絶対行くんだけどな…


270:名無しの花の雄蕊

これで中身も美少女だったらなぁ…


271:名無しの花の雌蕊

…美少女で思い出したけど。

あの配信でちょっと違和感感じたの私だけ?

ななみちゃん、一度だけ“嫁”って言わなかった?


272:名無しの花の雄蕊

(。´・ω・)ん?

……言われてみれば。

え、あの声で男?それも既婚者?

いや、まさか…あの声でボイチェンはあり得なくないか?


273:名無しの花の雄蕊

このご時世、女性でも相手を嫁っていう人いるからおかしいことはない……ななみちゃんの初配信前に日奈子ママと神凪ママがやってたように。

ないんだが…まぁ、男性が使うってイメージは確かにあるんだよな…


274:名無しの花の雌蕊

…男の娘…だったりするのかな?

成人しても男の娘だったらそれはそれで興奮するしご褒美なんだけど


275:名無しの花の雄蕊

いや、男の娘とかじゃなくて普通にアレの可能性もあり得るな


276:名無しの花の雌蕊

アレ?


277:名無しの花の雄蕊

聞いたことないか?“STS症”。


278:名無しの花の雌蕊

>>277

STS症?


279:名無しの花の雄蕊

>>277

なんぞそれ?


280:名無しの花の雄蕊

あり、知らん?正式名称“突発性性転換症候群”。

唐突に性転換するようになる奇病。

名は出さんけどとある企業勢Vtuberが研究してる症状。


281:名無しの花の雄蕊

あー……


282:名無しの花の雌蕊

それかぁ…略称だと分かんなかったや。


283:名無しの花の雄蕊

ななみちゃん、143cmって言ってたよな?

もしこれがあり得るとしたら10歳の女性への性転換症例…少女型だと思うんだよな…

さすがに症例が“最初の一人”とつい最近の発症者しかない少女化型じゃないと思うんだわ。

あり得るとしたら少女型か少年型……少年化型もギリあり得るのか…?


284:名無しの花の雄蕊

>>283

あんた、学者か何か…?

俺、少女化型ってのが存在するのは知ってたけど症例が2回しかないってのは知らんかったぞ


285:名無しの花の雄蕊

>>284

うんにゃ?ただの字書き。

一応調べれば出てくるぞ。つい最近TSもの書く時に調べまくってたら偶然それにぶつかったんよ。


286:名無しの花の雄蕊

ほぇぇ…


287:名無しの花の雌蕊

個人的には男の娘であることを希望……!


288:名無しの花の雄蕊

TSっ娘も捨てがたい……


289:名無しの花の雄蕊

>>287

>>288

欲望に素直なこって…

ちなみに次話でようやくキャラ設定出します…

書きながらキャラ設定を追加していくことが多かったりするのでたまに矛盾が生じるのです…

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