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No.110 虹の原理

私って戦闘描写苦手なんだなぁってホントに思う…

今回内容薄めです

〘ゴゥァァァ!!〙


〘───“カウンターインパクト”!!〙


突進してきていた龍をカナさんが大鎚で叩く。


〘ゴゥァ……〙


〘…浅いですね、やっぱり…!〙


〘若干スタンはしていますから無意味ではありません、カナさん。一手一手確実に行きましょう。〙


〘う……そうですね、先輩。〙


〘……ななみさんが心配なのは分かりますが、目の前の相手に集中しなくては……足元を掬われますよ?〙


〘うぅ……〙


……“サモーニングファンタズマ”。さっき使われた大技で龍と戦うのはカナさんとヨミさん達に任された現状。


〘心配なのは心配なんですよね……〙


〘私共を信じてくれたのですからこちらも信じなくては───“墨染”〙


ヨミさんがそう呟くと筆先に黒色が宿り、その筆を振ると龍とヨミさん達の間に黒い線が現れる。


〔大筆の基本的なスキル……“墨染”。難しいスキル系統なはずですがよく扱えてますよね…〕


〔な。ンで、聖母サマが気にしてルそのななみちゃんはというとダ───〕


実況さんの言葉でカメラ視点がななみちゃんを映すものに切り替わる。


〘“スロー”!───“アルジス”、“スラストウィーカー”!!!〙


〘キァァァァァァァ!!!〙


〔……コレ、大分ヤベーことしてるよな…〕



コメント:


:確かに

:確かに

:龍の方のギミック解除がなくなったらルーンストーンを投げて解除するのを真正面から八岐大蛇と戦いながらやるって大分やってることおかしいぞ

:その影響で敵視が定期的にななみちゃんに持ってかれるから割と大変らしいね

:でもお陰でダメージ通りやすくなってるから怒るに怒れないっていう

:しかも八岐大蛇ってだいぶ強いからなぁ……

:ねー

:首が8本あるから1人2人じゃやりづらいのよ

:ヒュドラも厄介だけどコイツもコイツで厄介なんだよな…

:どっちかというとヒュドラのほうが再生するから厄介

:まぁねぇ

:ちなみにコイツちゃんとレアドロップで“草薙剣”出るからね

:聞いたことあるわ

:なんか聞いたことある

:ただ超激レアなんだっけ?

:確かそう

:そうそう

:つーかこいつ、ちゃんと弱点が酒なんだよな

:ねー



〔神話の八岐大蛇もお酒で酔って眠ったところを倒されたという話ですからね……〕


〔ナ。……ななみちゃんのやってる事やべぇっても、コレでもまだ本気出してネーんだろ?日奈子先生よ。〕



コメント:


姫華日奈子:えぇ、そうね

:マジで言ってんですか

:マジでぇ

:嘘だと言ってほしいんだが淡々と言ってるっぽいあたり割とガチなんだろうな

:ねー

:ななみちゃんの本気を見れる事があるのかないのか……

:わからんなぁ

姫華日奈子:とはいえ、ななみちゃんらしくない戦い方をしているのは確かだけれどね

:…ん?

:んん?

:ななみちゃんらしくない戦い方?

:どゆことです?

:ななみちゃんらしくない戦い方ってどういう……



〘“魔力剣”!〙


この戦闘で既に何度目になるかはわからない“魔力剣”。それだけ多く使っているということではあるけれど……


その剣に纏った魔力はすぐに虹色の光へと変わる。


〘“フィアンマ・ディ・アルコバレーノ”!!〙


放たれたのは“虹の炎フィアンマ・ディ・アルコバレーノ”。第一形態時に使った“虹の七炎セッテ・フィアンマ・ディ・アルコバレーノ”よりも小さい炎ではあるけれど美しいのに変わりはない。


けれど。


「……高レベルの技を何度も使うのは普段の加奈らしくないのよね……」


私が若干の引っかかりを覚えているのはそこ。


普段の加奈であれば魔力剣や魔力纏を始めとした想撃の前提スキルを使ったあと、すぐに想撃として吐き出すなんてことはしないもの。


どちらかと言えば“ピアースウィーカー”のような当てる技術が要求されるような技を正確に当てるのが加奈の戦闘スタイル。


魔力剣も魔力纏も、どちらかと言えば相手の魔法を破壊するためだけに使うもので想撃のために使うことは滅多にない。


とはいえ……



コメント:


姫華日奈子:実際、私が知っているのは私の夫としてのななみちゃんのスタイルだからVtuberとしてのななみちゃんのスタイルとは別物かもしれないけれど…それでもやっぱり違和感はあるわね

:うーん

:うーん………

:でも実際配信用と配信外用で戦闘スタイルまるっきり変えられるか?

:よなぁ

:ななみちゃんって確か自己暗示使いだったよね……なら出来ないとは言い切れないけれど

:いやそれだとしても難しいだろ

姫華日奈子:中でも“虹の剣”を使ってるのが違和感を強めてる原因なのよね



〔虹の剣……〕


〔ソーいやアレってなんでななみちゃん使えてんだ?辻本の姉御の話ではサーバーにスキル情報残ってないんダロ?〕



コメント:


:言われてみれば確かに

:そう言われれば

ミトロジア辻本:そ、そうですよ!なんであれ使えてるんですか!?属性も“虹の剣”に使う物だったのと同じみたいですし!!

:辻本さんも食い気味です

:でも確かに気になる

:まさかチート?

:いやななみちゃんに限ってそれはないだろ

:今回の異常事態に対して真っ先に反応示したのがななみちゃんだから違うと思うんだよな

:それもそうか

:となるとなんだ?

姫華日奈子:明確に答えは出てるのだけどね……気づかないものかしら

:ん?

:ん??



〔まさかチートなんですか?〕


〔……違うよナ?〕


信用されてるのかされてないのか分からないわね、これ…



コメント:


姫華日奈子:流石に違うわよ……答えは“想撃”よ

:想撃?

:想撃…?

姫華日奈子:あの子が“虹の剣”を使う前になんでわざわざ“魔力剣”を宣言していると思ってるのよ…

:……あっ

:言われてみれば確かに

:改造とかで実装したら宣言する必要なんてないか

:ん?でもどういうこと?

:想撃だからってその……虹の剣?そのものを再現できるわけじゃなくない?

:確かに

姫華日奈子:情報が残っていればできるわよ



〔…んーと?〕



コメント:


ミトロジア辻本:えっと…?

:どういうこと?

:理解度が低いのかまるで理解が及ばんのだが……

姫華日奈子:…えっと辻本さん、そもそもこれ話していいのかしら…?多分ゲーム内の秘密として設定されてたと思うからネタバレ防止も含めて攻略後の情報として共有はしなかったのだけど……

:あ、そうだったの

:道理で……

:だからうちら知らないのか

:そもそも図書館を攻略する人が少なすぎるんだよなぁ…

:姫は攻略したことあるんだっけ…?

:姫でも一部って言ってた気がするな

ミトロジア辻本:そもそも私も攻略方法とか忘れてたので別にいいですよ……

:わぁ

:公式が忘れちゃ駄目でしょ

:草生えた



〔姉御が忘れてたらダレが覚えてんダヨ……〕


〔攻略情報に関しては書いてませんでしたからねぇ…〕


それもそれでどうなのかしら……



コメント:


姫華日奈子:今後攻略する人もいるかもしれないから少しぼかすわよ?

:お

:ありがたい

:お願いします

姫華日奈子:“大図書館の大鍵 γ”で開ける扉の先、そこに収められるは“実現しなかったもの”

:ん?

:実現しなかったもの?

姫華日奈子:“実現しなかったもの”とはテスト段階で実装されていたもの、並びに企画段階までにしかならなかったもののことを指すわ

:……んーと?

:どゆこと?

ミトロジア辻本:あー……そういえばそうでしたっけ

:んぇ?

:辻本さん?

ミトロジア辻本:あの扉の先に保存されてるのは言わばかつての“開発記録”……開発段階で実装を諦めたものや開発当時の情報

ミトロジア辻本:つまり“虹の剣”を含め強すぎる、弱すぎるなどの問題で本サービス時に実装されず、原始スキルであるという理由もあってその後の実装をするかを悩みながら実装しなかったものの記録が残されています

:ふむ

:ふむふむ

ミトロジア辻本:残っているものと言えば剣技で言ってしまえば秘伝書のようなものなのですが……

:が?

:が??

ミトロジア辻本:それが虹の剣を使える理由にはなりませんね……



うーんとどう説明したらいいのかしらね…?



コメント:


姫華日奈子:そこは想撃の特性が手助けをしているわね

:特性……

:特性ね…?

姫華日奈子:想撃はざっくり言えばイメージを以てゲーム上に存在しない技をあたかもゲーム上のスキルかのように無理矢理使うものなのよね…

姫華日奈子:技の型さえ知っていればそれを強くイメージとして思い描くことでゲーム上のスキルかのように扱える…

:……え

:え?

姫華日奈子:さっきヨウさんが火の剣技を使ったでしょう?あれも同じ原理なのだけど……

姫華日奈子:自分が思い描く属性、自分が思い描く軌跡、自分が思い描く威力……これらを揃えて発動させるのが想撃なのだから、開発資料やスキルデータという“秘伝書”ともいうべきものが存在するのならそれを想撃でなぞることができるのよ



……そして、それはななみちゃんと───なぜ使えるかは知らないけれど───姫川ユウさんが使う花神流にも言えること。


それを知っていれば、それを強くイメージできれば。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


それこそが“夢想の読み取り機(ドリームスキャナ)”たる所以、だと莉愛ちゃんは言ってたわ。


夢の中だからこそ、どんなことでもできてしまう。夢の中での可能性をゲーム内だとはいえ実現させるのがドリームスキャナの本質。


超人的な動きも、システムに規定されていない魔法も。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからこそドリームシリーズはチーターに歯向かうことが一種のコンテンツになっている、とも言えるのだけど。


このゲームに乗せられているのは“想像の読み取り機(イメージスキャナ)”だけれど、これはその機能縮小版。限定的だとはいえ大体ドリームスキャナと同じ事ができるのよね。



コメント:


姫華日奈子:ななみちゃんはよくこれを“どちらかと言えばこれはチートではなくグリッチ”って言ってたわね

:草

:いや草

:えぇ……

:グリッチなんか

:グリッチかぁ

:グリッチってなんぞ

:ゲーム内の不具合やバグを意図的に利用して相手を攻撃する不正行為のことやぞ

:バグ利用って言えば分かるやろ

:あーそれね



“どちらかといえばグリッチ”。


それは加奈が言ってるだけの話。


さて、この場にはドリームスキャナとイメージスキャナの開発者である莉愛ちゃんが……リリアンちゃんがいる。


開発者である以上、その仕様は全部完璧に把握しているはず。


想撃の本家本元たるドリームシリーズ、その根幹となるシステムを作り上げたリリアンちゃんの見解は……果たしてどうなのかしらね?

対八岐大蛇、ななみちゃん以外もちゃんと動いてるんですけど動かし方が微妙にわからなくなっていく今日この頃…

あと戦い方に一度も焦点を当てていないのはモノさんリンネさんりりにゃんさんの個人勢組…ちゃんと書けるかな、私。

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