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帰り道の奇妙な案内人

夏のホラー2023参加作品です。よろしくお願いいたします。

私の名前は生家(ゆくえ)百合(ゆり)。14才。女子中学生。私は母の実家にある田舎町に住んでいます。お父さんは私が小さい頃に亡くなりました。


私はあまり友人はいない。実は毎日のように私は帰りに黒いコートを羽織った者を見ています。彼はある道を指で矢印のように指しては私を何処かに誘導しようとしているみたいです。


私が彼と初めて出会ったのは小学校一年生の時…学校から家に一人で帰っていると、彼の姿が見え道の方向にこっち行けみたいに指を差しているのです。


私は最初、彼の差している方向に従わずにいました。そのうち姿を見せなくなるだろうと思っても帰り道に彼が出現するのでその存在がとても気になっていました。


当時、母に彼の話をした時は私を付け回している不審者ではないかと思ったらしく、母と一緒に帰った時に彼が姿を見ても母には見えていなかったので私以外、認知されていないみたいでした。


その存在に何故か私の母は彼にあまり深く関わるなっと私に言っておりました。でも私は彼の存在に不気味に感じたのと、彼は私に何の用なのだろう? ということが成長するに連れ気になるようになり、私はある日の夏の帰り道、彼の指を差した方向に行ってみました。


でも何のこともない普通で平坦な見慣れた道でした。そしてまた彼が現れ、私に指を差して誘導しました。誘導された場所を歩いていると再び彼が現れて道の方向を指しては私を誘導するといつの間にか私は森の中まで来ていました。


そして彼は生えている雑草の地面の下を指差したのです。そこには何があるのだろうか? 私は手で差された方に地面を掘り起こすと、何かが出てきた…それは赤ちゃんの骨の遺体でした。


これは大変なことだと思い、私はすぐに警察に通報しました。私は警察に事情を言うと、その日は家に返して貰いました。私はその出来事を母に言ったのです。しかし母の顔色が凄く悪い。どうしたんだろう? 私は分かりませんでした。


すると母から呼び出しを受けた私。遺体で発見された赤ちゃんのことでした。私は母から驚きの事実を聞かされました。あの赤ちゃん…実は母の子供だったのです。


母が高校生の頃のことでした。同級生の男の子と付き合っていた時に出来た赤ちゃんだったのです。周りにバレてはいけないと母と同級生の男の子が赤ちゃんを処分しようと殺害し、森の中に行って埋めたとのこと。


母は生んだ赤ちゃんを殺害したことで今まで苦しんでいたんだとか。母は黒いコートを羽織った彼の出現により、私にその出来事がバレるかも知れないと恐れていたんだそうです。


私は母を説得することにしました。母がこれ以上苦しまないように自首することを。母が警察に逮捕されることにより、母の苦しみが解放されるなら。


でも母は黙っていて欲しいと私に言ったのです。それは同級生の男の子のことでした。母の逮捕により、同級生の男の子の人生にまで傷を付けてしまったら。彼まで逮捕されてしまったら…彼の人生は今は幸せかも知れない。


だから警察にバレないようにしてきたのにと母は泣いてしまった。私が悪かったのか? 私が興味を持って彼の指を差した方向に行ったのが悪かったのか? 私にはもう分かりませんでした。


でも母が警察に捕まるのも時間の問題です。私は自分を責めてしまいました。母の人生だけならまだしも同級生の人の人生まで壊してしまったら私はどう責任を取ったら良いのでしょうか? 私はどう責任を取ったら…私は黒いコートを羽織った彼の誘導に従い行くべきではありませんでした。こんなことになるなら。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 黒いコートの男性は同級生だった。 これが私の最適解ですかね。 [一言] 私的な勝手な解釈です。 高校生だった男は、一児の父になる勇気もなく、先生や双方の両親に打ち明けて、怒られ、様々な…
[良い点] 米国の「キリスト教原理主義」州で起こりそうなお話でした。母親の苦悩も当然でしょう。未成年による情状酌量すべき事件(個人ではなく社会制度の問題なので)でも、仕事を就いている者に突然襲ったら、…
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