一本目 【リンドウ】
初投稿です。言葉がおかしいとか書き方読みずらいわとかあると思うんですけど面白そうな内容を思いついたんで形にしてみました。これは連載小説の一作目なのでまだまだ登場人物が出てきます。さて、あなたはこのお話に出てくる登場人物から犯人を当てることができるでしょうか。ぜひスクロールを。
一本目 【リンドウ】
台東区のとある路地にあるフラワーショップ、『ローズ・ローズ』。古い緑のオーニング(カーテン屋根)のちいさな破れ穴から一滴の朝露が落ちた。店の景観用に置いている花瓶の花へ霧吹きをかける。いつもより霧吹きの水かさは減っている。僕は草薙直哉。父が6年前に亡くなってからは僕がこの店の店主をしている。店のドアが開きドアベルが鳴る。こんな朝早くからくる客はそう多くない。
「お~い。リンドウを一本頼む...。」
柳瀬健二。5年前に地方から上野警察署へ配属された刑事さんだ。31歳。死亡事故や死者の出る事件が起きると必ずうちにお供え用の花を買いに来る。だけど珍しい。いつもは菊を買っていくのに。
「珍しいって顔してるじゃねぇか。たまには口にしてみたらどうだ?」
さすが刑事。一本のリンドウを渡した。
「だが、今回の事件は悲しみが深い。...花菜ちゃんが遺体で見つかった。」
「え...?」
いつもは話下手でしゃべらない僕でも声を出した。小林花菜。2年ほど前からうちの店によく顔を出していた24歳の可愛らしい女性だ。病気の兄へのお見舞いに1週間に1回花束を買いに来ていた。常連さんともすぐに解け合い、瞬く間に周囲の人間と仲良くなれるような素敵な女性だった。
「ようやく人間らしい反応したじゃねぇか。一応聞くが、犯人に心当たりはあるか?」
無いといったら噓になるが、そもそも健二さんだってなんとなく人物が頭にいるんだと思う。少しの沈黙の後、健二さんが口を開いた。
「蛭田和...か?」
「...。」
「...まぁいい。また来る。」
健二がカウンターに背を向けてドアへ向かう。ドア前で僕は彼に新しくリンドウを手渡した。
「なんだよ。さっきもらったって。...はぁ。わかったよ。いつもありがとうな。」
彼はいつも通り渋った顔をしてリンドウを受け取って店を去った。またドアベルが鳴りひとりになった途端、朝で冷えた店内をより肌寒いと感じたような気がした。
【リンドウの花言葉】
「あなたの悲しみに寄り添う」「正義」
読んでいただいてありがとうございます。あまりにも雑な設定のまま書き出したんで読みづらいところたくさんあると思います。でもどうしても「これ、面白くないか?」って思ってしまってうずうずが爆発してしまったのです。「あの人を早く登場させたいよぉ~!」っていううずうずも爆発しそうですが耐えますね。僕の考えでは全6作くらいで完結させようと思っているのですが、きっとたくさん延びていくと思います。次回をお待ちください。