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20.魔界魔道士協会

 35階の魔界魔道士協会に行ってみよう!

 お腹いっぱい魚を食べた二人は次の目的地に向かう。

「そんな協会があるのか、知らなかったな」

 とシャドウは首を振る。

「俺の知らないことばかりで面白い」「わくわくするな」


 35階は魔道士協会の支部があるからか、魔道士系の魔物が多い。

 見習い魔道士スライムやマージオオガラスや、魔法キノコやマージガエルだ。

 魔法を得意とした魔物達で魔法が発動してしまうと厄介だが、シャドウの方が素早い。みんな魔法を唱えられる前に倒してしまう。

「素早く倒す」「華麗な」「俺様」

 とシャドウは余裕しゃくしゃくだ。

 ミヨも魔道士スライム(仮)にクラスチェンジして見習い魔道士魔法の「ナデナデ」より強力な回復魔法キュアを覚えたが、一回しか使わなかった。


 魔界魔道士協会は星のマークを辿っていくとそこにある。

 魔界の木はそう教えてくれた。

 よく見ると35階には壁や地面に星のマークが書かれている。

 星のマークに導かれ、辿り着いたのは35階の隅にたたずむ一軒の家だった。

「魔女の家だぁ」

 屋根はパンプキンカラーで、壁は黒く塗られている。

 一軒家としては二階建てで大きめだが、魔界魔道士協会支部とポストに書かれている以外は協会らしさはない。

「おい」「誰か」「いないか?」

 入り口の黒猫のドアノッカーではなく、ゴンゴンとシャドウがドアを頭突きすると中から女性の声が聞こえた。


「入って来なさい。ただし、狭いから二人とも人間の姿でね」

「あ、人間になれるんだっけ、私」

 必要な呪文は考えると頭の中に浮かんでくる。

 ミヨは呪文を唱えた。

「メタモルフォーゼ☆人間の女の子!」



 ミヨは10歳くらいの女の子になった。

 ピンク色の髪でピンク色の瞳。色白で……。

「…………」

「あ、無事に変身出来たよ」

 とミヨは初変身に大喜びだ。ピンクと白の服も可愛い。

 ドレスじゃなくて、ダンジョン内でも動きやすいジャンパースカートだ。フェアプリの世界感に合わせているのか、フリルもリボンもついてちょっとロリータ風。

「……シャドウ君?」

 既に変身して人間の少年になっていたシャドウは、じーっとミヨを見ている。

「シャドウ君、私、変?」

 ミヨは小首をかしげる。

「い、いや、変じゃないぞ」

 とシャドウはあわてて顔を背けた。


「お邪魔しまーす」

 と中には居ると、そこで出迎えた人物にミヨもシャドウも息を呑んだ。

「どうぞ、魔界魔道士協会支部にようこそ」

 そうニッコリ微笑むのは、緑色の肌の若い女性だった。


「ドルイド先生と同じ……緑」

 良く言われるのかちょっとうんざりした様子で黒のローブを着た女性はひらひら手を振る。

「はいはい緑よ。私、古代文明の末裔なの」

 ますます驚いたシャドウが叫んだ。

「じゃああんた、ドルイド爺さんの知り合いか?」

「は?ドルイド爺さん?誰?」


「なるほどダンジョンの中に同族がいたのねぇ」

 と緑の魔女ヘザーは感慨深げにため息を漏らす。

 ただし腰まで届く金髪だ。髪の毛がないのは種族的特徴ではなく、個体差だった!


 二人もヘザーにすすめられて椅子に座って、元気が出るという魔法の香草茶を飲んでいる。

「うん、ドルイド先生は色々私達に教えてくれたんだ。会う?」

「そりゃ会いたいけど、会えるの?」

「ドルイド先生のところに戻れる呪文符があるよ」

「……なら、会ってみようかな。それより先にミヨちゃんの登録だけどね」

「はい。登録して下さい」

「分かりました、はい、登録料1万マネー」

 とヘザーは手を出す。



 思わずミヨは脱力した。

「お金、取るんだ……」

「当たり前でしょう、運営費よ。その代わり会員になると色々特典があるわよ。魔法のアイテム、杖や防具やそれに呪文符も売るわよ。あ、買い取りもしてあげる。それに今ならなんと魔法のポケットレシピ帳付き」

「魔法のポケットレシピ帳?」

「ポケットサイズの魔法のレシピ帳よ。新しい薬草や実やその他アイテムを発見するとそれを使ったレシピが記されるの。その階に新アイテムがあるならそれも教えてくれるわ」

「うわ、便利~。ゲームの画面みたい」

「ゲーム?まあ、便利よ。どうする?入る?」

「入る……けどお金は……8000マネーしかない」

 何かの役に立つかと思ってミヨもお金は手に入ったら拾ってはいたが、これまで拾い集めたお金は8000マネーだ。


 しょんぼりしていると、シャドウが言った。

「ミヨ、俺のを使え」

 シャドウはミヨよりたくさん戦っているのでもう3万マネーを超えている。

「でもシャドウ君のお金だよ」

「いいさ、俺は別に使い道ないし」

「うん、じゃあ、借りていい?返すから」

「ああ」



「じゃあ、ヘザーさん、登録お願いします」

「へぇ、あなた、やるわねぇ。将来いい男になるわよ。じゃあ登録料1万マネーは確かに頂きます。ミヨちゃんは今から魔界魔道士協会認定魔道士よ」

 ヘザーがそう言うと、ミヨの変身が解ける。

 ぷるんボディのピンクスライムに戻ったミヨの額にさっきより少し大きな星のマークが輝いている。


 ミヨは魔道士スライムになった!


「おめでとう、ミヨちゃん」

「ありがとうこざいます。ヘザーさん、あと、シャドウ君もありがとう。ミヨ、魔道士スライムになったよ!」




 魔道士スライムになったミヨの額のマークは三つで、

 ↓真ん中の★がちょっと大きい。


 ☆★☆

(*゜∀゜)<魔道士スライムになったよ!

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― 新着の感想 ―
[一言] ☆★☆スライムやみみん「初めまして!スライムやみみんと申します!最新話まで読みました!ミヨちゃんかわいいですねー!僕は、ミヨちゃんと同じ魔導士スライムです よろしくです!」 (紺色とんがり…
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