第6話 囚われし者達
「大丈夫ですか〜?」
捕虜の人達が一斉にこちらを向く。
「安心してください、ギルドの者です。ギルドの依頼で助けに来ました」
捕虜の人達から安堵の声が上がる。
「怪我をしている人はあっちの少年のところに行ってください。怪我の治療をします」
「は〜い、こっちに来てくださ〜い」
怪我をしている人がぞろぞろとケイのところに集まっていく。
「食料を持ってきているので怪我をしていない人はこちらに来てください。怪我をしている人は治療が終わった後来てください」
今度はこちらに集まってきている。
つかまっていた人達は総勢37名ほどで子供から老人まで色んな年齢層が居る。
ちなみに食料はテレポートで持ってきたから大量にある。
用意はギルドに任せておいた。
「はい、1人に付き水はコップ3杯分、食料はパンを2つまで。それでも足りない人は街に戻るまで待ってください」
俺は1人ずつに分けていく。
何だか相当衰弱してるな、食料をあまり与えられていなかったんだな。
この人達はこんなことになっていたって言うのにケイはあんなに食ってばかり。
そんなことを考えていると全員に分け終わった。
「みなさん、一息ついた人からこちらに来てください。みなさんを街に送り届けます」
最初の内はみんな各々で食事を摂って休憩していたがだんだん人が集まってきてテレポートを始めた。
ギルドで捕虜の人達を任せてすぐに戻る。
それを何回か繰り返すとすぐに終わった。
「ケイあとは俺達だけだ。帰るぞ?」
「うん、さっさと報酬貰って次の街に行こう」
俺達は町に戻った。
「さあ、ギルド長。報酬を」
「食費の為にもお願いしま〜す」
「お前はもう少し食うのを止めろ。いっそのこと1週間飯抜きにしてみるか?」
「そんな殺生な〜」
「あの?報酬です」
「どうも、盗賊の奴らは明後日まで寝てると思います。今の内に捕まえといたほうが良いですよ?」
「協力ありがとうございました。また近くに来た際には助力をお願致します」
ちなみに、ギルド長よりXランクのほうが位としては上だ。
「んじゃ、お疲れ様〜」
俺達は宿に戻って明日出発することにした。