第5話 新たな仲間
カイだ、この護衛達全然駄目だ。
訓練してやると言って、能力を使わないでやってやったら相手全員で掛かってきて俺達二人に数分で負けやがった。
「弱い、最初の勢いはどうした!!」
筋の良い奴は少ししかいないし。
「こんなんじゃ駄目な奴らだと言われても仕方ないぞ?」
せめて旅人のCランクくらいは無いと。
「カイ、言い過ぎだよ。でも、もうちょっと強くなったほうが良いかもね」
「とりあえず、俺達は今日の夜に此処を出る。それまでみっちり特訓だ!!分かったな!?」
疲れてヘロヘロになった奴らからおおぉ〜と返事が来た。
こんなガキにやられてちゃ居られないとか思っているのだろうか?
これでもあんたらの数倍生きてるんだが。
「……あの」
控えめに挙手をしながら話しかけてきた奴が居る。
美人なネーチャンが話しかけてきた。
「何だ?え〜……「ネルです」ネル、どうかしたか?」
「あの、いきなりで申し訳ないんですけど、私も旅に連れて行ってもらいたいんですけど」
その場に居た一同沈黙。
「「はあ?」」
俺とケイは同時に信じられないとでも言うように声を上げた。
「ネル、僕らと来るのはやめたほうがいいと思うよ?絶対カイにこき使われるのがオチだから」
失礼なことを言うなケイ。
「ケイ、俺が何時こき使った?お前が食料余分に食ったぶん働いてもらってるだけなんだが?しかも、お前の食った量はその働きでも足りないくらいじゃないか」
「うう………だって〜」
だっても何もあるか!!
「お前はなそもそも食わなくても良いような量食ってるんだからそれぐらい当たり前なんだ。というか、お前の胃は一体全体どうなってるんだ?一回腹掻っ捌いて見てみるか?どうせ俺達死なないんだし」
「あの〜、それで返事の方は?」
おお、すっかり話が逸れてしまった。
「動機によっては許可だ」
「強くなりたいんです、守りたいものを守りたいですし。それに……貴方達についていったほうがよっぽど面白そうな人生送れるだろうし」
何だか訳ありのようだ。
だが面白くは無い、苦労だらけの人生だ。
「良いよ〜、ただ仕事の時はちゃんと働いてもらうけどね。貴女の言う強くなるためにも」
ケイ!?
俺はケイの耳元で囁く。
「おい、何言ってるんだ?俺達についてきても俺達より早く死ぬだけだろうが」
俺達は不老不死にして、能力者。
絶対に普通の人生を送ることなど出来はしない。
「え〜?分からないじゃん、それまでにあの人見つかるかもしてないし」
ケイが耳元で返す。
何だかもう決めてしまったみたいだ、こうなったケイは止められないことは俺が一番よく知っている。
俺はネルの方を向いて
「分かった、一緒に来るのを許可しよう「ありがとうございます!!」だが」
「だが?」
「道中でちゃんと料理とかの準備などの手伝い、それからさっき言ったように俺達の仕事の手伝い、さらにお前自身の仕事、その他をこなせ。それが出来なきゃ許可出来ん」
ケイがさっすがカイとでも言うようにこちらを見ている。
「それぐらいなら出来ます、こう見えても元旅人ですからある程度のことは出来ます」
「これからよろしくね〜」
「仕事追加、ケイが食料を食わないように見張ること」
「ひどっ!!カイ、どんだけ俺信用無いの!?」
「仕事とか親友としては信じているが食料については別だ、かけらも信用してはいない」
「うわぁ〜ひどいなぁ〜」
「まあ、何にせよこれからよろしくな?ネル」
「よろしく〜」
ケイが一緒に言ってくる。
「はい、よろしくお願いします!!」
普通に見ても美人だし、見方によっては可愛いし。
目の保養に最高だ!!
まあ仲間にした理由はそれだけでは無いのであしからず。
「さあ、特訓再開だ!!」
うへぇ〜という声が護衛達から上がる。
あ、食料をもう一人分デブ男爵に請求しよう。
権力は使わなきゃ損だ。
食料以外の必要な物は次の町にあるだろ。
前の町からかなり歩いたし此処からはあまり遠くないと思う。
武器とかは此処の物じゃ旅に使うには弱すぎるから途中で見つけたり買ったもので良いだろう。
さあて、次はどんな町だろうか?
はい、第1章終わりです。一章ずつの間隔はかなり短くしていくつもりですので、非常に私事で申し訳ないのですがその方が書きやすいのでw
第2章では、昔の友人に会う予定となっています。その友人はかなりのお偉いさんだったり……。
次回からキャラ書きを始めようかな〜と思っていますがまだ分かりません。
評価感想もお待ちしております。ぺこ <(_ _)>
では、次回をお楽しみに〜