第3話 黒い男の影
「ケイ、この状況を100文字以内で説明しろ。今すぐに」
「簡単に言うと、このお屋敷の人達が盗賊に金やら食料を盗られそうになっている」
「正解、どうしよう?」
「助ければ食料譲ってくれるよ、きっと」
「かな?」
正直腹が減ってたまらない。
「それじゃ」
「いっちょやりますか」
「君達、さっきから何の話してるのかな?状況分かってますか?」
「分かってるよ、このお屋敷の人達が盗賊に入られて捕まって金とか食料とか盗られそうになっているとこでしょ?」
ケイが紳士っぽい盗賊に答える。
「ケイ、行くぞ」
「これくらいならこの前の仕事の方が面倒だもんね」
「確かに、ついでにこいつらからも……クククッ」
「カイが少し壊れた」
そんな呑気な会話をしているとそろそろガマン出来なくなったようで。
「ふざけるのもいい加減にしてください。皆さん、私が抑えますからその間に縛って置いてください」
「「分かりやした!!」」
「では、失礼して……ハッ!!」
ッ!?この力は……!?
「お前はその力何処で手に入れた?」
何で今まで気づけなかったんだ?
「カイ、とりあえずぶっ潰してから拷問なりなんなりして聞きだすよ?」
同じ力持ってるの奴の事は真っ先に同じ能力者が気付くはずなのに
「了解!!」
「な!?何で効いてないんですか!?効かない奴なんて居ない筈なのに」
「なら良いこと教えといてやるよ!」
「経験が足りないねぇ、他の能力者に会ったことがないんだね」
ケイが言う。
「同じ能力者には効かないんだよ、俺らはこう見えて何十年も旅してるし、今までいくらでも能力者には会ったことあるんだよ」
それに続いて俺も言う。
「んで、何処でその能力を?」
「アレが誰なのかは知らないが、ある日盗賊の下っ端をやっていた私のところに妙な男が来て能力を残していった」
「まあ、そいつが原因で俺達が旅をすることになったんだが」
次はケイが言う。
「それは何時のこと?」
「答えるわけ無いでしょう?そこまで答える義務は無いですから、皆さんやってしまってください、私も援護します」
盗賊の奴らが一斉に飛び掛ってきた。
「ケイ」
「カイ」
「「ハアッ!!」」
全員その場に落ちた。
「まあ、能力使えばこれくらい楽勝だ」
「さぁて、他の情報も話してね?能力は効かない、手下共は使えない、そして相手は何十年も旅を経験した熟練者。八方塞という奴だね」
ケイが殺気を籠めて言う。
「ヒッ!!わ、分かった。分かったから殺さないでくれぇ」
情けない、紳士的だったのも一気に崩れ去って行ったね。
殺気とか何十年も旅して修羅場潜り抜けてれば嫌でも感じたり使ったり出来るようになる。
まあ、普通の人間には結構きついだろうが。
「で、何時にその男に会った?」
俺は問う。
「半年ほど前のことだ」
「その男はどこに行った?」
「そこまでは知らない、知り合いというわけではないからな」
はあ、ここでも大した情報は無しか。
「ケイ、眠らせろ」
「りょーかい!!」
能力を使って盗賊どもを眠らせた。
それから紳士っぽいやつの能力を吸い取っておいた。
「ケイ、何で俺はコイツの能力に気付いていなかったんだろう?」
「お腹が減りすぎて分からなかったんじゃない?カイは僕から見て若干壊れてた」
…………。
「あんたら大丈夫か?」
屋敷の人達全員に問うがムームー言っているだけで何も声になっていない。
そりゃ当然か、猿轡噛まされていればな。
「ケイ、この人達の猿轡解くぞ?そしたらその紐で盗賊どもを縛れ、人数分はあるようだから大丈夫だろ?」
「うん、分かった」
結構縄を解くのには時間が掛かった。
食料貰えるかな?
面倒なことに巻き込まれまくるカイ&ケイ運悪いなぁ。
ちなみに作中では書いてませんが、能力が効かないのは自分より強い能力を持った相手、ただの人間だけどとてつもなく強い人間だけです。
自分より弱い能力者には簡単に効きます。
ちなみに、カイとケイは黒い男から与えられた力はトップです。
自分の中ではそんな設定になっています。
近いうちに設定資料集的なものを更新しようかと思っています。
評価感想お待ちしております。ぺこ <(_ _)>
では、次回もお楽しみに!!
楽しみにしてる人居るのかな…………?