第2話 こいつら何者!?(ネル視点)
私はネル、この屋敷のガードマンみたいなものだ。
仕事が交代する時間になったのでとりあえず仲間のところへ。
ちなみに私の仕事は屋敷の警護とお嬢様の護衛だ。
今は屋敷の警護にあたっている。
「そろそろ交代時間よね?警護お願いね?」
そう同僚に言って私は自室に戻る。
その時
「オラオラ〜、金出せ、カネェ〜」
とか言うベタセリフと共に現れたのは盗賊団っぽい奴ら。
どうやら玄関から堂々と進入してきたらしい。
「簡単にやられると思うな!!」
そう言いながら近くに居た警護の者とそいつらに立ち向かうが
「っ!?体が、動かない」
それは他の者も同様でみんな動けないでいた。
「あまりこちらを舐めないでください、こちらにだってそれなりに強い者は居るんですよ」
そう言いながら盗賊団っぽい奴らの中から現れたのは、スーツを着た紳士っぽい男だった。
「動けないでしょう?今までこれを解いた人は数少ないです。無駄な抵抗を止めてお金と食料を頂ければすぐに帰りますから」
「ふざけないで!!そんな簡単にやられて溜まるもんですか!!」
私はおそらく無駄であろう罵声を出来る限り浴びせかけた。
「まあ、良いでしょう。どうせ動けないんですから。皆さん、早くこの人達を縛り上げなさい」
「「「はい、お頭」」」
「くっ!!」
私達はなす術も無く猿轡を噛まされ両手両足も縛られた。
「何の騒ぎだ!?」
そこに駆けつけたのはこの家の主とお嬢様だった。
「すいません、お金を頂けますか?あと食料も。あなたほどの方なら分かるはずだ、どうすれば良いのかを」
「わ、分かった。給仕の者、早く食料を持ってまいれ。誰か人を貸していただけませぬか?自室に金庫があるゆえ」
「ええ、良いでしょう。では、そこのあなた」
そう言われて盗賊団っぽい奴らの中から2、3人が主についていった。
「そこのお嬢様はおとなしく猿轡を噛んでいてください」
他の部下らしき奴らがお嬢様を先ほどの私達のように縛り上げていく。
「さて、先ほど言ったとおり私は無駄に暴力を振るったりは致しませんのでご安心を。
まあ、私の部下が何か粗相を働いても殺そうとしない限りは私は関知致しませんのでご了承を」
「ふう、あとは帰るだけですか」
主はお金を持って戻ってきて、私達と同様に縛り上げられた。
食料も給仕の者が持ってきた。
無力なのが情けない。
コンコン
ドアがノックされた。
私達は声を上げようとするが猿轡をしているためくぐもった声になってしまう。
その上玄関のドアまでがかなり距離があるため声は届かなかった。
盗賊の者達が反応するわけも無く、そのノックの主がどこかに行くまで声を潜めていた。
しばらくしてまた
コンコン
とノックされた。
それと同時に
「お邪魔しま〜す」
そんなことを言いながら入ってきた神経の図太い奴(盗賊が居るのを知らないだけ)がどれだけの豪傑なのか希望を持って玄関を見てみると
ヒョロっとした少年2人だった。
希望は潰えたわね……。
「コノ状況ハ何デスカ?ケイサン」
「サア?何デショウカネェ?カイサン」
そんな感じに片言で話をしていた。
やっと状況が把握できたのか。
「神様は俺に何か恨みでもあるんだろうか?」
「カイ、それは神のみぞ知るって奴だよ」
「いや、たぶん知ってるのはお前の胃袋と口と満腹中枢に違いない」
何の話してるの?この2人……。