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「それでは、皆さんに渡すものがありますので、出席番号順に前の方に取りに来て下さい。」
黒色のリュックとバックが一人に一つずつ配られた。どちらにも学校の指定マークが付いている。
リュックを開け、中の物を1つ取り出してみる。灰色のブレザーであった。
「中に入っているものは、制服、体育着、学生証、タブレット、タッチペン、カードです。全て入っているか確認してください。」
生徒達が確認し終えると、先生はタブレットの説明を始めた。
「このタブレットは、この学校の生活に欠かせないものです。学校からの連絡はこのタブレットに通知されるため、毎日必ず持ち歩くように。また、生活に必要な物の申請は、画面の左下のアイコンをクリックして行います。右側のアイコンからは、朝食、夕食のメニューを選択し、注文できます。その他、メールや電話、インターネット機能、テレビ機能も付いています。このタブレットの使い方については、右下のアイコンをクリックすることで表示されますので、目を通しておいてください。カードは通貨の代わりになります。売店などで物を買う時に使用するので、無くさないように。」
渡されたものの説明を淡々とするので、私はだんだんと眠くなり、眠気と必死に戦っていた。周りをみると、堂々と顔を伏せて寝ているツワモノもいたのだが、先生は気にも止めず、そのまま説明を続けていた。
長い長い説明が終わったと思いきや、その後すぐに入学式の予行練習があった。そして午後の入学式本番を終えた頃には私はぐったりとしていた。16時過ぎに、今日の日程が全て終わり、帰りの時間となった。
「それでは、これから皆さんを寮に案内します。」
やっと終わりだ、と生徒達がガヤガヤし始めた時、先生パンパンっと手を叩き、注目を集めてから、一言だけ言いたいことがあります、と言った。
「この学校で、この28人のクラスメイトで、卒業まで良い思い出を築き上げていきましょう。」
私のクラスの担任は、そう言って笑顔で私達を迎えた。