神格(仮)付与
見切り号発車!!
ぱんぱかぱーん!!
おめでとうございます!
今この瞬間、石に躓いて転んだ、あなた様に朗報です!
この度、神格を付与されることとなりました。
これであなた様も、神々の一員です。ちなみに、付与の返還は受け付けませんので、ご了承下さい。
『はい』と、一言!
ぜひとも、この神世界へいらっしゃって下さい!
………………。
お返事、ありがとうございます。
了解ですね?間違いないですね?
コホン。
では、仲間となりましたあなた様にプレゼントですよ。
………………。
え?楽しみ?
いえいえ、そんな大層なものじゃないですよ?
………………。
やだな~。照れるじゃないですか。煽てても変わりませんよ?
………。
え?構わない?十分?
またまたー。あなた様の心理パターンは熟知していますよ?
『使えるモノは、使う』が、座右の銘なんですよね?
………………。
もちろん!
調査は、バッチリですよ!
それよりも、このミサンガ付けてみて下さいよ。
………………。
そんな、微妙そうな顔をしないで!?
特別な付与をしたんですよ!?
ほら、かっこいいですよ?
付けて下さいよ~。確認のために、今!
お願いします~。
……。
おーー。似合いますよ。
うんうん、良いですね。
……。
気に入っていただけたみたいですね。
付与の詳しい説明をさせていただきますよ?
とくと、ご覧あれ!
『絶対服従』
…………………。
ん?神様っぽい?
そうですね~。
………………。
誰に対して?
あなた様に対してですよ~。
……。
え?違う?誰が服従するのか?
だ~か~ら~、あなた様ですよ。
この、荘厳で、麗しい、女神である、ワタクシが、あなた様のご主人様ですよ?
……。
あのー、いくら引っ張っても、取れませんよ?
あ、ハサミでも無理ですよ?
……。
どうしたら取れると?
あははは~。取れませんよ。
なんせ、絶対服従ですから~。
あなた様の神格がワタクシよりも、たかーくなれば、或いは……。
といったところですかねぇ。
……。
ん?ワタクシの神格は上からの方がはやいんですよ。
だから、ちゃーんと、神格(仮)が、付与できたんですよ?
…………。
ん?(仮)って何か知りたい?
言葉通り、仮の神格ですよ。
まあ、なんちゃって神様?みたいな感じですかね~。
………………。
何故神格(仮)を与えたのか?
よくぞ聞いてくれました!
神々って、のんびり遊んでいるイメージですが、違うんですよ!?
雑務雑務雑務。どこまでいっても雑務!
書類の洪水では、申請書、報告書、嘆願書のetc。
挙げ句の果てに、実状視察のために現地取材や、上からの監査・査定。そのために、また書類書類書類。
ブラック企業よりブラックですよ!?
そもそも、ブラック企業なんて、ブラックじゃないですよ!?あんなのカフェオレ並に甘っちょろいミルキーさですよ!!
休日?休憩?ナニソレ美味しいの?が常態ですよ!
…………。
し、失礼。
話している内に、こう、怒りが溢れ出てしまいました。
説明しますね。
で、お話ししたとおり、『このままだとヤバイ!!』と愚考したんですよ。
なら、仕事を誰かがワタクシの代わりに、そりゃもう、馬車馬のごとくやってくれれば良いと思いついたんです!
一気に解決です☆
………………。
え?帰って寝る?
いえいえ、やってくださいよ?
なんてったって、あなた様は、ワタクシに『絶対服従』なのですから。
これからよろしくお願いしますね☆
女神がブレそう。
こわい。