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日常の秘密  作者: 相川焔
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四話 野村潤 平等

この世界に平等なんて存在しない。

俺がこの世界の真実を知らないし知ることもできない。

ただ言えるのは、平等と言う言葉が偽りであること。

人間は、生まれた時から運命が決まっている。

金持ちの子供は、金持ちになり。

貧乏人の子供は、貧乏人になる。

そう思えるようになったのにも訳があった。

「それより明日から高校生だぜ。」

弟の龍が二段ベッドの下から声をかけてきた。

「ああ、そうだな。部活動するよ。」

俺は、考え事をやめて弟に返事をする。

「そうだな。やっぱりサッカーかな。」

弟は、俺と違いスポーツができる。

プロを目指してがんばっているらしい。

夢があるっていいな。俺には、夢なんてないからな。

そう思いながらも弟との会話を続けた。

同じクラスかどうかとか。どんなクラスメートがいそうかとか。

もう、高校に行くのが楽しみだった。

翌朝、俺と龍は、早起きをして学校へと向かった。

電車で二駅なのでそう遠くは、ないと思うが満員電車は、避けられない。

早く出たつもりが学校には、もう多くの人が登校していた。

「クラス確認しようぜ。」

龍は、楽しそうにクラス分けを見に行った。

1クラス40人の4クラスらしい。

これは、多いのか、普通のか、少ないのか。

「どうだった。同じクラスか。」

龍の後ろに立って自分の名前を探し始めた。

「残念。違うクラスだよ。」

龍は、残念そうに自分のクラスへと向かった。

「あいつは、2組で俺は・・・。4組か。」

自分の名前を確認し俺もクラスへと向かった。

クラスへと向かうと黒板に座る席が書かれていた。

俺は、この時何かを感じたのに気にせずに席に座ってしまった。

いや、どのみち後で気付こうがその時に気付こうが変わらない運命だっただろう。

「あれ、お前。」

自分の席に座り読書をしていると声をかけられて俺は、本を閉じた。

「俺も読んでるんだよ、小説。」

彼は、鞄から本を取り出してみせてきた。

「おっと、俺の名前は、一ノ瀬恭弥。よろしくな。」

彼は、思い出したかのように自己紹介をしてきた。

初日から新しい友達ができそうだ。

俺は、この時そう思えた。

「俺は、野村潤。まさか同じ本を読んでる人に出会えると思ってなかったな。」

俺も挨拶をして話を始めることにした。

どうやら彼の親友も同じクラスらしい。

それと読書を始めたのは、初恋の人の影響だとか。

「わりぃ。寝坊した。」

彼が恭弥の親友とか言う恭介なのだろう。

「流石恭弥だな。もう友達できたんか。」

恭弥は、彼に俺を紹介すると彼を俺にも紹介してくれた。

「こいつ、小学6年からのダチでよ。恭介って言うんだ。」

俺は、彼と。恭介と挨拶をするとそこから違う事を考え始めるようになってしまった。

恭介の後ろからチラッと見えた人物。

彼は、俺の闇歴史を知っている人物にそっくりだった。

そう、彼がきっかけで俺の人生は、おかしくなるのかもしれない。


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