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日常の秘密  作者: 相川焔
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プロローグ 菅原恭介 視線


「なあ、連続殺人の犯人今頃どうしてるかな。」

「きっとどこかで怯えてるよwww捕まらないようにねwww」

「あー、早く捕まんねーかな。怖くて外もろくにあるけやしない。」

「夏休み中は、外出しないくせに何言ってんだ。」

その日は、高校のクラスメートとスマホのアプリで会話をしていた。

「なあ、この中で誰かが殺人鬼になったらどうするよ。」

『突拍子もないことを言うんだな。』そう思うだけだった。

今にして思えばそれが『フラグ』と言うものなんだと気が付くべきだったと後悔している。

「 速報です。つい先ほど連続殺人事件の犯人が捕まりました。」

テレビからアナウンサーの声が聞こえる。

日曜日のお昼で生放送をしていた頃だった。

俺は、昼飯として作っていたラーメンを食べていた。

「おい、あの連続殺人の犯人捕まったてよ。」

父さんが母さんに話しかけていた。

母さんは、テレビの音が聞こえているが聞こえなかったかのように返事をしていた。

「それにしても平和だな。我が家は・・・。」

ラーメンを食べ終えて庭に咲いている花をみて俺は、そう思った。

スマホの着信音がなる。

我が親友、一ノ瀬恭弥からの電話だった。

「おう、どうした。遊びの誘いか。」

いつものように電話に出るが恭弥のテンションが明らかに違っていた。

クラスでも人気者の彼が物凄く暗いのだ。

「どうした。お前、暗くないか。」

俺がそう聞くと恭弥は、急に明るさを取り戻し一気に喋り出した。

恭弥とは、小学校からの仲だが未だに扱い方がよくわからん。

恭弥の話によるとたまたま初恋の女の子に出会ったのはいいが会話が続かないそうだ。

んでたまたま俺の話になり呼ぼうかとの話になったみたいだ。

「・・・それよりお前の初恋の女の子って誰。」

俺は、記憶力に自信があったのだが全く覚えてない。

いや、教えてもらってないんじゃないか。

「来たらわかるって。駅前のあの目印んとこな。わかるだろ。あの人形。そいじゃ後でな。」

人の予定など一切聞かずに恭弥は、一方的に電話を切った。

「どうした。恭弥君から遊びの誘いなんだろ。」

父さんは、いつの間にかテレビを消して俺のほうを向いていた。

「ああ、なんか初恋の女の子にあったんだけど話が続かないからヘルプだって。」

「女の子と普通に話せるようになったんだね。」

母さんが俺をからかいながら俺にメモを渡した。

「ま、前から普通に話せるっての・・・。それよりこのメモは。」

俺は、手渡されたメモを開いて読んでみた。

「明日の昼にあの公園へ。」

誰かからの伝言なのだろうか。

「さっきあんたに電話があって待ってもらおうと思ったんだけど急いでるからってそれをって。」

俺が恭弥と電話をしている間に家のほうに電話があったらしい。

誰かは、言わずに切ったらしいが俺らの間であの公園っていったらすぐにわかる。

スマホのスケジュールに登録だけして俺は、自分の部屋で支度をはじめた。

「あれ、お兄ちゃんどっかいくの。」

今頃起きて来た妹が眠そうな目をこすりながら俺の部屋にはいってきた。

「おはよ、それよりもう昼だぞ。母さんが怒ってる。」

妹は、それをきくなり慌てて一階へと降りて行った。

「夏休み入ってから昼夜逆転してんなあいつ。」

まあ、妹よりも友を救ってやらないかんな。

俺は、支度をへて家族に一言だけ言って待ち合わせ場所へと向かった。

自転車のカゴに鞄入れて全力疾走すると地元の駅に着いた。

「ほんとこの辺も変わったよな。」

地元の駅だけやたら整備されている。

いろいろできるのは、いいものだと思うが駅周辺だけってのも考えもんである。

「さてと、切符買って行きますかな。」

俺は、目的地の駅まで切符を買い電車を待っていた。

「そう言えばあの連続殺人犯捕まったらしいよ。」

「やっとなんだ。何人殺されたんだっけ。」

「確か6人だったような。」

女子高生らしき女の子たちが事件について話していた。

だけど俺が気になったのは、次の一言だった。

「私、まだ人が殺されると思うんだ。」

彼女がそう言った瞬間だった。

俺の背後から不気味な気配がした。

「・・・。」

気のせいだよな。

俺は、恐怖心を抑えながら振り向いたがそこには、誰もいなかった。

「気のせい。もうすぐ電車がくる時間だ。」

俺は、その時に気づくべきだったのかもしれない。

『この先に起こる悲劇と言う奴に・・・。』

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