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一人百物語 動物編

トスットスットスッ

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/07/18


二十年以上前、開腹手術をした。

手術をした当日の夜、鎮痛剤は効いていたがやはり手術跡がしんしんと痛み、よく眠れないでいた。

何時頃かはわからないが、夜中にふと目を覚ますと


    トスッ

  トスッ

トスッ


と、ベッドの足元から何かがやって来た。

それは四つ足の、あまり大きくはない者の様だった

(なに?)

と思っていると、目の前に

亡くなった愛猫タキの顔が現れた。

タキは生前と変わらない表情でじっと見つめると、つん、と冷たい鼻面を私の鼻に押しつけた。

(来てくれたんだ)

と思うと

タキはまた


トスッ

  トスッ

    トスッ


と足元の方に戻り、そこで丸くなった。

以後、退院するまで、夜中にふと目を覚ますと足元に丸くなっているものがいて、よく足につかえた。

心配かけたね。

おかげで無事退院できたよ。


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