釣り合い
掲載日:2022/09/10
ある2人の漁師が大物を目当てに小舟で魚釣りをしている。
「今日は釣果がすこぶる順調だな、そのせいで餌にするのがなくなっちまいそうだ」
「なら、この小魚を使えばいいさ」
「おいおい、そんなんじゃ小さい獲物しか釣れないに決まってるじゃないか。海老で鯛を釣るなんてことわざとしては存在すれども、実際に起こることは滅多にないぞ」
「まあまあ、物は試しだ。とりあえずやってみよう」
漁師の1人が釣り針にやっとかかるほどの大きさの魚をつけて竿を海に投げる。
「まあ、無理だと思うけれどなあ」もう一人がいぶかしげに言う。
しばらくすると小魚を餌にした方の漁師が突然叫んだ。
「ほうらみろ、やったぞ!」
もう一人が水面を覗くと、そこそこの大きさの魚がかかっていた。
「むむ、大きさの割に力が強いぞ」
2人がかりで竿を持つ。
「いいぞ、後少しだ」
しかしここで突然力が猛烈に強くなり2人は小舟ごとひっくり返ってしまった。
水中で下をみて、2人は驚いた。なんと巨大な魚が竿を持ち、その先についている生きた魚が漁師のかけた小魚をつらいついているのだ。
巨大な魚はきっとこう思ったことであろう。
「しめしめ、まさかとは思ったがほんとうにこんな小魚でつれるとはな。人間が2人もかかったぞ。海老で鯛を釣るとはよく言った物だ」




