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雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!  作者: 谷島修一
波乱の夏休み編
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おっぱい卓球

 食事の後は、大浴場で風呂に入る。

 混浴ではない。


 ここの温泉は効能が疲労回復ということらしい。

 なので、日中の海での疲れを取ろうとして長めに湯船で浸かっていたら若干のぼせた…。


 風呂から上がって旅館の浴衣に着替えた。そして、ロビーへ行き、そこにあった自販機でスポーツ飲料を買う。

 ロビーにあった椅子に座って、しばらく休んでいると、毛利さんがやって来て隣の椅子に座った。彼女も旅館の浴衣を着ていた。

「ずいぶん、ゆっくりしてたのね」

 彼女は僕の顔を覗き込むようにして尋ねてきた。


「ああ、ちょっとお風呂に浸かりすぎて、のぼせたよ」

 僕は、一口、スポーツ飲料を飲む。


「先輩たちが卓球やろうって言ってるわよ」


「卓球?」


「あっちの奥の部屋に卓球台があって、ラケットとピンポン玉を借りれたので、やろうって」


 温泉卓球というやつだな。


「先輩たち元気だな…」


「それに、島津先輩が卓球上手いらしいから教えてもらおうって」


 そうか、島津先生は卓球部の顧問も兼任だから、上手くて当然なのか。

 僕は重い腰を上げて、卓球台があるという旅館の奥の部屋に、毛利さんと一緒に向かった。


 奥の部屋には卓球台が3台。一番奥の台では他のグループが卓球を楽しんでいるようだった。

 一番手前の台で、伊達先輩と上杉先輩が卓球をしていた。

 島津先生は審判をしている。全員、旅館の浴衣に着替えていた。


「来たね!」

 上杉先輩が僕の姿を見つけると言った。


「皆さん、元気ですね」

 僕は少々呆れたように言った。


「いいから、ちょっと、やってみてよ」

 上杉先輩はラケットを手渡してきた。


 卓球、中学校の授業で、やったきりだな。

 まずは、伊達先輩と卓球対決をする。


 そして、勝った。

 僕にも伊達先輩に勝てるものがあった。感動した。


 伊達先輩に代わり毛利さんと対決する。今度も勝った。


 上杉先輩は試合前に変なポーズを取った。

 僕は眉をひそめて尋ねた。

「なんですか、それは?」


「夜叉の構え」


 無視した。

 そして、上杉先輩にも勝った。


 海で見たように他の女子達は運動が得意ではないらしい。

 今日ぐらいは、ささやかな優越感に浸れそうだ。


 順番を変えながら僕らは卓球を楽しむ。

 島津先生も時折参加するが、かなり手を抜いている様子。本気でやられたら強そうだ。


 僕と上杉先輩が台の横の椅子で順番待ちをしていると、上杉先輩がいつものように唐突に話題を振って来た。


「ねえ、『おっぱいバレー』って映画、知ってる?」」


「はあ? なんですか、その卑猥なタイトルの映画は。AVですか?」


「違うよ! ちゃんとした青春映画だよ。調べてみてよ」


 僕は半信半疑でスマホでググる。

 本当にあった。


『おっぱいバレー』

 2009年に綾瀬はるか主演で映画化。


「それで、この映画がどうしたんですか?」


「ダメダメなバレー部の男子達が、綾瀬はるか演じる先生に、試合に勝てたら、おっぱい見せろ、っていう約束をするっていう話なんだけど」


「はあ」


「島津先生と本気の卓球勝負して、勝てたらおっぱい見せろっていう賭けをしてみたら?」


「何、言ってんですか?!」


 まったく冗談も休み休み言ってほしいよ。というより、もう上杉先輩はしゃべるなよ。


 次の僕の順番がやって来た。相手は島津先生だ。

 そこで、上杉先輩が横から声を掛けた。


「先生! 武田君が『勝てたら、おっぱい見せろ』って言ってます!」


「はあ?! 何、言ってるんですか?!」

 僕は抗議する。


 審判役の伊達先輩と椅子に座っている毛利さんの僕を見る目が軽蔑の眼差しとなった。


「そんなこと言ってません!」


 一方の島津先生は冷静だ。

「いいわよ」


 いいのかよ。


「本気でやったら、負けるわけないけど」

 先生は不敵に笑う。


 確かに勝てる気はしないが…。


 そんなわけで、島津先生のサーブ。

 僕は一応、気合を入れてラケットを構えた。

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