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雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!  作者: 谷島修一
生徒会長選挙編
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いけふくろうを巨大化する

 僕は、集合時間の6時少し前に、いけふくろう前にやって来た。


 土曜日の朝早いので、人は少ない。

 いけふくろうは、池袋の地下道に設置されている、ふくろうの石像である。

 待ち合わせスポットとして、それなりに有名なので、これほど朝早くなければ、待ち合わせの人でいっぱいになる場所だ。


“それなりに有名”というのも、池袋を拠点をとしている僕らのような者には、いくふくろうは馴染み深いが、そうでない人たちには、そうでもないらしい。


 いけふくろうが、今一つ有名でない理由が、その大きさが小さいからだ、という説を誰かが唱えており、巨大な張りぼてのいけふくろうを上から被せれば目立って良いというが、まだ実行はされていない。


 ちなみに僕らが通う雑司ヶ谷高校は、池袋から東京メトロの副都心線で1駅隣の雑司ヶ谷駅が最寄りだから、池袋は庭みたいなものだ。


 少し待っていると6時ぴったりに、伊達先輩と上杉先輩がやって来た。


「「おはよう」」


「おはようございます」


 二人の私服を始めて見た。

 伊達先輩は白いTシャツにデニムジャケットにデニムジーンズ。

 上杉先輩はピンクのTシャツにダメージスキニーデニム。


 上杉先輩がニヤニヤ笑いながら顔を近づけて来た。

 ちょっと近い。この人のパーソナルスペースはどうなっているのか。


「なにジロジロ見てんの?」


「あ、いえ…、伊達先輩はデニムというイメージがなったので、ちょっと意外で」


「動きやすい格好にしたのよ」


「アタシはどうよ?」


 そう言って上杉先輩はポーズをとった。


「上杉先輩は想定の範囲内です」


「はあ? こういうときは嘘でもいいから誉めとくの!」


 怒られた。

 そうか。失敗したな。

 まあ、上杉先輩を褒めてもなあ…。


「はい。乗車券」


 伊達先輩は、乗車券を差し出した。

 出発と行き先が、“東京都区内から東京都区内”と書かれている変な乗車券だ。こんなの初めて見た。


「昨日の帰りに買っておいたわ。落とさないでね」


 さすが準備が良い。

 僕と上杉先輩は乗車券を受け取った。


「ありがとうございます」


「特急券は私が持っているから」


 昨日の話だと、特急券とか他の乗車券もたくさんありそうだったが、それの管理は伊達先輩にお任せしよう。僕や上杉先輩よりはしっかりしてそうだし。


 そんなこんなで、池袋駅から山手線に乗り新宿駅まで、新宿駅で中央線に乗り換えて立川駅までやって来た。ここで特急あずさ号に乗り換える。

 

 あずさ号はE535系という比較的新しい車両で、座席にコンセントがそれぞれついていて、スマホの充電もバッチリできる。

 僕は朝早かったので甲府まで、1時間20分程度だが寝ることにした。

 先輩二人はスマホでゲームをやっているようだ。例の“イケメン天下布武”ってやつだろう。


 そして、甲府に着いたとき、上杉先輩に文字通りたたき起こされた。


 「着いたよ!」

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