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雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!  作者: 谷島修一
生徒会長選挙編
41/487

歴史研には手を出すな!

 日曜日。 


 朝、9時ごろ起床する。


 今日の午後は毛利さんがやって来て、僕が先週休んだ授業の内容を教えてくれるのだ。来週から期末試験が始まるのに、休んでしまったので、ちょっと勉強しないといけない。せっかく上がって来た成績がまた元に戻ってしまう。


 午前中は時間があったので、今後、歴史研究部をどうするかも考えた。

 部室に行く回数を減らそうと思っていたが、その通りにする。

 伊達先輩と上杉先輩と僕の3人で部室に居るのは神経が磨り減る。部室に行くとしたら、毛利さんが図書委員の仕事が無い、月、水、木曜日に行けば、部室に居るのは4人になって絡みが分散されていいかもしれない。

 まあ、週3回も行くこともないだろう。そして、勉強でわからないことがあれば伊達先輩に聞に行く、ということにすればいい。


 うん、当面はそうしよう。しばらくは、歴史研に深入りしないようにする。


 お昼ご飯を食べて、そうこうしているうちに、午後。

 毛利さんが自宅やって来た。

 今日の毛利さんは、白のトップスにカーキ色のロングスカートだ。基本地味。そういえば、彼女の私服姿を見るのは初めてだな。

 

 僕は自室に彼女を招き入れる。

 少し世間話をしていると、妹の美咲がジュースを持ってやって来た。


「毛利さん、いらっしゃーい」


「お邪魔してます」


 美咲はジュースをローテーブルにおきながらは尋ねる。


「今日は勉強ですか?」


「そうよ」


「お兄ちゃん、勉強は結構してるはずなのに、成績が普通なんですよー。実は勉強してるふりかもしれないから、ちゃんと監視しておいてください」


「余計な事、言わなくていいよ」


 僕は少々大きい声で言った。


「じゃあ、ごゆっくりー」


 美咲は部屋を出て行った。

 まあ、確かに勉強している割には成績はずっと中の上だ。きっと、要領が悪いのだろう。

 しかし、しばらくの間、伊達先輩に教えてもらっていたし、今日は毛利さんに教えてもらうから、明日からの期末試験は完璧だ。多分。


 毛利さんはカバンから教科書とノートを取り出す。


 「期末試験のスケジュールも知らないでしょ?」


 「知らない」


 「月曜日は、英語と国語と物理よ。今日はそこを重点的にやりましょう」


 「いいね。よろしく」


 そんな感じで勉強会がスタートする。休んでいたところを毛利さんに教えてもらう。一緒に勉強していてわかったのだが、毛利さんは物理があまり得意でないらしい。以前の授業内容で、毛利さんが良く分かっていないところは、僕の方が教えてあげた。


 なんやかんやで3時間ほど勉強しただろうか。今日のところは、ここまでにしようということになった。


 僕は昨日の伊達先輩とのことを思い出して、毛利さんに尋ねた。


「毛利さんって、好きでもない人にキスする?」


 唐突な内容に質問に毛利さんは戸惑っているようだ。

 彼女は少し考えて答えた。


「するわけないよ」


「そうか…、そうだよな」


「なんでそんなこと聞くの?」


「昨日、キスされた」


「えっ!?」

 毛利さんはとても驚いたようだ。

「誰に?」


「伊達先輩だよ」


「ええーっ!」


「キスといっても頬にだけどね」


 毛利さんは、それには答えず。毛利さんは少しふくれっ面になった。

 そして、教科書とノートをカバンに詰め込むと一言。


「もう帰る」


 そう言って部屋を出て行く。僕は玄関まで見送るが、彼女は終始無言だった。


 なんで怒ってんの?

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