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51.エレメンタル

遅くなりました。

今回少しだけ説明があります。

 僕は勝った……のか……。

 サラ様に、勝てた。

 主人を負かすなんて、従者としてどうなのだろうと今更ながらに思う。


「よくやったな」


 気がつくと目の前まで来ていたサラ様にねぎらいの言葉をかけられる。


「ありがとうございます」


「別にクロが弱かったとしても手放す気はこれっぽっちもないが、強くて困ることはない。これからも私のことを助けてくれるか?」


「もちろんです、サラ様」


 彼女は僕が今日敗れていたとしても、見捨てたりすることはなかっただろう。

 けれど、僕は自分に見える価値が欲しかった。

 自分が彼女の傍にいることを自分の中で納得したかった。

 今日、その価値を見つけられた。もし、彼女の身に危険があるようであれば、僕が身体を張ってそれを止める。



「いい試合だったぞ!」


「二人とも良かった!」


「今年の新入生はやばいな!」


「クロちゃーん!」


 今まで気がつかなかった歓声が聞こえた。

 僕は昨日のサラ様とアデーレのような試合ができたのだと実感する。

 誰かに希望を与えたいなんてそんな大層なことを考えるような性格ではないけれど、誰かの心に残ってくれればいいななんて似合わないことを思ったりした。


 その後、僕たちは表彰され、明日からは予定通り授業が行われること、明日の朝に今回のトーナメントを元にクラスが発表されることが言い渡された。


「クラス分けってどうなってるんでしょうか?」


「それはわたくしが説明いたしますわ」


 いつの間にか近くに来ていたアデーレが答えた。


「試合に負けてしまったアデーレ様はこういう時しか偉そうに発言することができませんからね」


 めちゃくちゃ辛辣な解説が同じくいつの間にかやってきていたパオラさんにより入る。


「流石に厳しすぎますわ……」


 いつもはハイテンションで彼女に返すアデーレが本気で落ち込んでいる。


「いいから説明をしてくれ、そのために来たんだろう?」


 サラ様が追い討ちをかける。


「そのために来たのではないんですが……」


 アデーレは渋々といった感じでクラス分けについて解説を始めた。


「クラスは三つに分かれることになります。一つは普通クラス、七割くらいの生徒はここに配属されます」


 大半の生徒が配属されることになるということか。


「魔法学校の中では言い方はアレですが、エリートではない方々がこのクラスになります。ここに入れるだけで十分素質はある方なのですけれどね」


「アデーレ様が優秀だということを理解していても、全て上から目線なのムカつきますね」


「これでも気を遣ったつもりなんですけども!?」


 上から目線なのは否定できないが、アデーレはずっと人の上に立つような立場で過ごしてきたのだろう。彼女のいう通り、気を遣ってる方な気はする。


「まぁいいですわ。次に約三割の生徒が配属される選抜クラスですわ。そこまで普通クラスとやることが変わるわけではありませんが、色々とレベルは高く、発展的なことにも挑戦していきます」


「みんなで選抜クラスになれるといいですね」


 僕は仲のいい、この四人で選抜クラスになれることを望むが、それは否定される。


「いえ、それでは困りますわ」


「どうしてでしょうか?」


「私たちはエレメンタルクラスになるでしょう」


「エレメンタルクラス?」


「ええ、選抜クラスの上にあるもので、各学年数人しか選ばれることはありません。現在は二年と三年は一人ずつしかおりません」


 すごい人数が少ないらしいことは理解した。


「そしてその中で四大精霊(エレメンタル)と呼ばれる四人の席を奪い合うのです」


「そのクラスの中で序列があるわけですね?」


「序列というか強い四人を決めているというだけですわ。その席を巡った試合などは生徒たちに公開され、モチベーションを高めるためなどに利用されます」


「なるほど……」


 次の目標はサラ様と僕が共にそのエレメンタルと呼ばれる四人になることだろう。


四大精霊(エレメンタル)は地・水・火・風と席が分かれております」


「それは好きな席を選ぶのか?」


 サラ様がアデーレに質問をした。


「主に得意魔法で分けられますわ。サラの場合は様々な魔法が使えますしどの席でもいいでしょうが、おそらく土の席であればすぐに取れますわ」


「ほう」


 サラ様は嬉しそうな、少し物足りなさそうな複雑な表情をしている。


「クロも氷魔法が得意そうですし、水の席にすぐ着くことができるでしょう」


「それは良かったです。では火の席はアデーレですね?」


「……いえ、残念ながらそうはいきませんわ」


「えっ!」


 否定されたことに驚く。

 彼女ほどの力があれば当然であると考えていた。


「それは何故なんでしょうか?」


「先程言ったうちの二年の生徒が火の四大精霊(エレメンタル)だからですわ」


 彼女は深刻そうに言う。


「それを奪うためにはどうするんですか?」


「先程言った席をかけた試合を月に一回まで挑戦できます」


「アデーレであれば、すぐに勝てますよ」


「だといいのですが」


 最後まで彼女の表情が晴れることはなかった。



 今日もご飯に誘われたが、毎日お邪魔するのも悪いので今日は遠慮することにした。

ブクマ、評価ありがとうございます。

最近更新遅くなりがちですが、応援してくれる方に感謝です。



本編の内容と変わりませんが、わかりやすくまとめたものです。


エレメンタルクラス……人数制限はなく、各学年優秀な生徒が集まって構成されるクラス。学年の壁はありません。現在は3年1人、2年1人、1年3人。


四大精霊(エレメンタル)……風火土水の各属性から1人ずつ選ばれる学校の代表のようなもの。現在は風に3年、火に2年。まだ、正式決定はしていませんが、土にサラ様、水にクロは確定的だとアデーレが述べています。



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― 新着の感想 ―
[良い点] クラス決めエレメンタルに座れるのは僅か4人狭き門ってやつですね。しかも火の席にはアデーレさんでも渋る程の火属性の使い手が余程すごい人なんですね。 さすが特別な席に座ってる事だけありますね。…
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