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ステータスが編集できたので、巨大数を入力しました。

作者: 橙 暁斗

 とある日、地球のどこか──



「──この発見は人類を一歩先のステージに進めるだろう。」


 こう締め括られた物理学の権威による発表は世界を混乱に陥れた。


 しかし人類は何十年もかけて、その発見をもとに文明の大きな発展を遂げる。


 そんな時だった。


【A362862にて最大繁栄種の文明が一定の水準への到達したことを確認。システムのインストールを開始します】


 どこからともなく響く性別不明の声は全人類の意識を暗転させた。



 ・・・・・・



「......うぅ。なんだったんださっきの?」


 そう呟く1人の男性、西宮 京也が会社のデスクで目覚める。


「あれ、周りの奴ら仕事をしてるのか?」


 この時期同僚が死んだ目をして仕事をしているのは普通だが、目を瞑って仕事をしてるには流石におかしい。


 そう思った時、ある事に気づく。


「ん? なんだこれ?」


 視界の端に変なアイコンのようなものが見える。

 そこに意識を集中すると画面を開くことが出来た。


 そこにあったのは自分のステータス画面。


 STR(筋力) 9

 CON(体力) 18

 POW(精神力) 15

 DEX(俊敏性) 16

 APP(外見) 11

 SIZ(体格) 13

 INT(知性) 15

 EDU(教育) 15

 LUK(幸運) 75


「はは、なんだこれ? ゲーム開発の仕事のしすぎで変な夢でも見たのか?」


「なになに?体力と精神力がなかなか高いな。幸運最強じゃん。それ以外は普通だな」


「あれ? これ数値に視線を向けるとなんか反応するぞ。これ数値変えられるたりして?」


「とりあえず筋力十倍にしてみて......」


 STR(筋力) 90

 CON(体力) 18

 POW(精神力) 15

 DEX(俊敏性) 16

 APP(外見) 11

 SIZ(体格) 13

 INT(知性) 15

 EDU(教育) 15

 LUK(幸運) 75


「え? マジで出来た」


 うーん、これシステムのミス?


 それじゃあ最大まで上げてやるか!


 STR(筋力) 9999999

 CON(体力) 18

 POW(精神力) 15

 DEX(俊敏性) 16

 APP(外見) 11

 SIZ(体格) 13

 INT(知性) 15

 EDU(教育) 15

 LUK(幸運) 75


「マジかよ7桁しか無いのかよ。クソUIだな」


「七文字かぁ...... なら最近知ったチェーン表記やるか。」


 STR(筋力) 3→ 3→ 3→3

 CON(体力) 18

 POW(精神力) 15

 DEX(俊敏性) 16

 APP(外見) 11

 SIZ(体格) 13

 INT(知性) 15

 EDU(教育) 15

 LUK(幸運) 75



「これでどうだ? あれ、反応しなくなったぞ?フリーズしたか?」


「まあこういうのは反応はなくても処理はしてたりするからな。一応全て同じにしておこう。」


 STR(筋力) 3→ 3→ 3→3

 CON(体力) 3→ 3→ 3→3

 POW(精神力) 3→ 3→ 3→3

 DEX(俊敏性) 3→ 3→ 3→3

 APP(外見) 3→ 3→ 3→3

 SIZ(体格) 3→ 3→ 3→3

 INT(知性) 3→ 3→ 3→3

 EDU(教育) 3→ 3→ 3→3

 LUK(幸運) 3→ 3→ 3→3



 ・・・・・・


 同時刻 【神界】



 神界、この世の全ての生命を見守り、管理し、一定以上の文明を持つ生物を神に昇華させる使命を持つ神が住む世界。


 そんな世界のどこかでは緊張が走っていた......


「異常が発生しました!」


「何ですか騒々しい」


「A362862にてシステムがダウンしています。おそらく原因は神力不足かと」


「何ですって? そこならついさっきシステムを稼働させたとこよ?なぜそんなことが?」


「わかりません。とりあえず神力を供給するのが宜しいかと」


「もう、めんどくさいわね。なんなら直接神界に繋げちゃいなさいよ」


「宜しいのですか?」


「ええ、許可するわ」


「ではA362862のシステムを神界に接続要請、接続開始します」


「......異常発生しました‼︎」


「今度は何よ!」


「神界のエネルギーが急速に無くなっています!このままでは神界の維持が出来ません!」


「え? と、とにかくA362862への接続を切d ──


 こうして神界は次元を維持するだけのエネルギーを失い、全ての神もろとも消滅した。



【地球】


「あれ、表示が消えた。途中まで枠を超えてすごい勢いで数字が増えていってたのに」

「変な夢だったな」


「まあ良いや俺も仕事しよ」




 ──こうして世界中の人が一斉に気を失うという怪事件が起き、陰謀論が飛び交ったが特に実害は無かったのでそのうち忘れられていった。

説明しよう!


3→3→3→3とは


巨大数の一種であり、10進数表記をインクを使って表すには全宇宙の物質全てをインクにしても足りないと言われているグラハム数よりずっと大きい数である。

詳しくは自分で調べて欲しい。


こんな桁数の桁数すら分からない馬鹿げた巨大数を計算、ステータスとして表記しようとするエネルギーだけで神界は滅びました。

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