勝三会議
勝三の問題児ぶりが発揮。
これから父森可成は悩み続けます。どうぞこれを楽しんでください。
その日夕方、
林、柴田、森、堀の4名と織田信長は今日のことを話していた。
森と柴田は呼び出された。
そして、ここに事情を知るもう1人の木下藤吉郎も呼ばれていた。
しかしながら、他のものと比べ、身分の低い木下は自分から話せない。
もっとも、この場でまともに発言できるのは、林、柴田と信長だけである。
他は役もつかない若者、こっぱである。例外は居るが。
「森よ、お主の息子はなんじゃあれは?面白いやつだと思い奇妙のそばにいさせたが」
「お屋形様、申し訳ありません。この森可成の首にてお許しください。」
「何を言っておる。あの件は許しておる。と言ったぞ」
「そうでしたか、呼び出されたので、愚息のことでお怒りかと。」
「違うわ、むしろ面白すぎるぞ。」
「面白いとは?」
「今朝、林から京のことについて話があると言うので、聞いておったが。お前の息子が将軍にはバカ(義昭)よりも無意味な者を担ぐのが良いと言っていたと聞いた。
また、竹中半兵衛とか言うやつの稲葉城攻めをもして、奇妙に一発かますと言っとったと聞き、何をするのかと期待していた。
どうなるかと思い、見に行ったら、見事な作戦だった。一番頼りにしている堀を事前に買収とは恐れ入った。」
本当に感動したようでご機嫌な信長だ。
「ククク。思い出したら笑いが」
「お屋形様。ふふふ。」
「堀よお主も笑っておるではないか。どうせ作戦の途中に笑うのを堪えておったのであろう。」
「ええ、この後の奇妙様の驚き、喚き、泣かれる姿を想像し、作戦実行中に堪えるので必死でした。特に『護衛が一発入れても勝ちで良いのだな』と確認された後のニヤッとは限界間近でした。勝三殿には睨まれましたがね。」
「「「堀よ」」」
「何ですか柴田様に林様に森様。しょうがないのです。ククク」
堀久太郎はドSである。しかも性悪な。色々な書物からもその要素は見られ、色々な創作でもSとして書かれる。この世界の堀もドS性悪。しかも美形。最悪の組み合わせである。
「猿」
「はっ」
「先の件、お前も絡んでるのだな?」
「はい、城門で勝三殿にお会いしましたら、堀様へのお取り次ぎをお願いされまして。
堀様とは親しくしていただいておりますゆえ、お取り次ぎをしました。その際に奇妙様に竹中を食らわすと伝えてくださいと言われましたので、そう伝えました。」
「堀よ、それを聞いてなぜ動く?」
「林様、いや言葉だけで面白いことはわかります。こう言う時はまず話を聞くに限ります。」
「勝三めは、堀の性格まで読んで伝えたか。」
「お屋形様、子供ながら、我が子が申し訳ありません。」
「よい。それより、竹中とかいうもののところには、勝三に向かわせよう。
そうだ、猿お前もいけ。」
「私がですか?」
「そうだ」
「御意」
「あと、森、林、例の件、勝三を連れていくことで進めろ。」
「「はっ」」
「例の件とは?」と柴田が言う。
「まだ教えぬ。」
柴田は呼ばれた理由がわからなかった。
多分、勝三ならば気づくだろう。呼んでも呼ばなくてよいが、柴田の惚ける顔を見ようとした。
そんなところだろうと。
(ククク、柴田様、呼ばれた理由がわからなかったという顔。そんなの、この時のため。その顔が見たいだけ。そして、お屋形様は柴田様を呼んで無い。ククク)
どこまでも性悪な堀だ。
(堀め、権六を関係ないのに呼んだな。クククその顔)
信長様も同じ穴の狢である。
堀について、作者は、自分のドSな部分を描いています。
でもはっきり言います。堀嫌いです。
あんなにはは、ドSじゃない。