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森勝蔵長可 転生者は家族を守りたいが為、狂い笑う。  作者: 確かな嘘
第3章 京とあいつとあいつと。
23/87

閑話 美濃攻め

与太話というのはどうでもいい話という意味で書いてます。本当はデタラメのどうでもいい話という意味だが今作では本編では漏れたどうでもいい話ということ。読まなくても良いという話です。


ただ、今回は与太話でもない。どうでもよくはないが、読まなくても本編は読めるから単なる閉話として、本編ではないので、飛ばして読んでもいただいてもOKです。

信広の画策から2週間後

ついに美濃戦は始まった。


その1ヶ月前

信広の画策が始まる数週間前


森可成は忙しく、美濃へと足を運んでいた。

「安藤様、件の戒めより、龍興様には冷遇なされているようですね。」

「えぇ、美濃のためと思い行ったのですが、無駄だったようです。」


安藤守就は、娘婿の竹中半兵衛が行った稲葉山城城の簒奪に協力していた。

竹中らを稲葉山城入りする商人たちを招き入れ、商品を確認する役目をかって出て、

武器であったものを商品として確認し、城内に入れた。


これは、安藤が初めから竹中半兵衛と打ち合わせ通りに城内に入る品物の見定め役にと、

当日、申し出た。


そして、簒奪後は竹中半兵衛が隠居であったのに対して、安藤はお咎めは公にはなかった。

しかし、もともと龍興は自身に近いものを重用し、安藤らが不満を溜めていたのに、

さらに安藤らを遠ざけ、自身への謀反を警戒して、物資などの流通を制限していた。


そのため、安藤は領地経営に困り果て、

さらに織田家との争いも激化し、尾張からの流通も止まりはじめ、苦しい状況だった。

そこに、織田家の美濃攻めの気配という状況は詰みに等しかった。


森は多額の金を取り出し、

「そうですか、苦しい状況でしょう。もしよろしければ、こちらを受け取り下さい。」

「うっ、私に美濃を抜けろと」


竹中が声をあげる。

「いいえ、斎藤家を潰し、美濃をお救いするのです。」


「義息子殿?」

「ええお久しぶりです。岳父様」


「岳父様、もう、十分でしょう。それに私たちが仕えた斎藤家は道三様の死によって終わったのです。」

「うっ」

「義龍は、斎藤家の家督を継ぐために道三様を殺しておきながら、自身は一色氏や土岐氏の系譜と宣う。これでは、土岐家と斎藤家の争いのはずだった。ならば道三様についたものも多かったはず。家臣を騙したのです。そんなものの血筋に義はあらず。そして龍興は国主の器にあらず。」


「そうだな。」

「ええ、そうでしょう。ここはこれをお受け取りください。」

「あぁ。私は何をすれば良い。」


「安藤様は織田家が攻める1ヶ月後までに、稲葉様、氏家様を織田に就くよう説得をお願いします。」

「そうか」

「そして、織田が攻める際は、龍興が動くまでは敵の振りをしてください。龍興が動いた後に織田を美濃に招き入れていただいて、美濃を共に攻めましょう。」


「わかった」


こう答えると、森可成より大量の金を受け取り。そして氏家と稲葉を説得する。説得に成功したのは森可成らが安藤を調略して2週間もしない頃だった。


同時期、村井は武田家の居所、躑躅ヶ崎館を訪れていた。

「馬場様、どうかこちらをお受け取り下さい。」

「ほう。塩、金に、宝物ですか?」

「ええ、どれも当家の心づくしの品物。織田よりの気持ちでございます。」


「それは当家との仲をということですか?」

「ええ、織田と御家との仲を」

「ほう、どこまでを狙っておるのでしょうか?」

「武田家は駿河が狙いでしょう?当家は美濃です。」


馬場は織田信長の懐刀と評判の村井がやけに素直に狙いを言ったため、不思議に思う。

しかし、かなり良い話だ。駿河は武田家にとって喉から手が出るほど欲しい。

考える。織田の狙いはまだ先があるのか。

「婚姻でもしますか?」

「おぉ、馬場様、それは素晴らしい。ならば主信長の妹君を義信様に嫁がせるのはいかがでしょう?」

「ふむ、それは素晴らしい案ですな。」

「ええ、もし叶うならば、嫁ぐのに姫様が苦労せぬよう、さらなる貢ぎ物を致しましょう。」


武田家は苦しかった。

甲府があまり経済状況が良くない。

それでも、村上や小笠原をを滅ぼし、諏訪や仁科らを服従させ、信濃を奪ったことで、穀物の大生産地を得た。しかし、謙信の信濃への南下により、戦続きによって苦しい状況は抜けらぬ状況だった。


そんな状況のため、織田の申し出は申し分などなかった。

しかし、そんなにして何かあるのかと訝しんだ。


「どうでしょうか」

「いや、問題ない。いや嬉しい申し入れじゃ。これで武田と御家は婚姻関係となりましょう。」

「そうですか。有難い。これで主信長に良い報告ができる。」


こうして、織田と武田の同盟は1566年秋に組まれた。


こうして、状況が整った織田家は稲葉山城攻めへと進む。

史実より2年遅く始まった。


まず、織田軍は曽根城と堂洞城を攻めた。

曽根城は森可成らが、堂洞城は柴田らが包囲した。


森可成は城の前に軍を置き、稲葉と睨みあっていた。

そこに氏家らが救援に向かった。

これに

龍興は曽根城は大丈夫と、稲葉山城の側近たちを連れ、五千の兵で堂洞城を救援に行った。


堂洞城に到着した龍興らは堂洞城の勝家らを蹴散らし、織田軍と睨み合いを続けた。

そんな折に報告は入る。

「曽根城陥落、曽根城陥落」

「何?安藤らはどうした。」

「氏家殿、稲葉殿は織田に降伏、安藤様内応し、謀反」

「何?守就が?」

「はっ」

「くそ、守就め。」


さらに報告が入る。

「墨俣に城ができた模様」

「墨俣に城?稲葉山城の喉元ではないか?そんなところに城などあり得ぬ。」

「いえ、立派な城が」


木下がその配下になった美濃の地侍だった蜂須賀小六らと共に有名な一夜城を作った。

作ったのは、外壁と倉庫のみで、中身はほとんど手つかずだが、龍興や美濃武将らを怯えさせるには十分だった。

これにより、稲葉山城の喉元に刀を突きつけられた状況だ。


「戻りましょう。龍興様」

側近がここで意見した。

「うむ、くそ信長め。ここは一旦引くぞ。稲葉山城ならば守りきれる。」

「ええ、信長ごときでは稲葉山城は攻め落とせません」

「あぁ、そうだ。戻るぞ」


こうして、中美濃や西美濃は簡単に落ちた。柴田らが敗れたのも態とだ。

そうすることで、勝てると思わせ、堂洞城に長らく居させるためだ。そんなこととは知らず、龍興らは長居をしすぎた。


木下の軍と森可成の家臣団である各務らが林より借りた兵を連れた森軍は一気に稲葉山城付近を攻め、多くの美濃武将を殺し、又は降伏や内応をさせていく。


中美濃を攻めた織田主軍である柴田らは龍興らを追撃しながら、北美濃を攻めて居た。


西美濃を攻めて居た森家の本軍と氏家、稲葉らは一気に北上し、稲葉山城へと進む。同時に西美濃を内応や降伏をさせていく。


これに焦った龍興らは急ぎ稲葉山城に戻る。しかし、焦れば焦るほどに柴田らの追撃を受け兵を減らす。状況はどんどんと悪くなる。

なんとか稲葉山城前へと戻ると、そこには安藤らが居た。

安藤守就は墨俣城ができたことで、稲葉山城に残った重用されておらない者達がもうダメだと思っていることを利用し、内応させ裏切らせた。

その中には、その後に織田家で活躍する若い者が多く居た。


そして、せっかく戻ってきた龍興は気づいた。もう稲葉山城は落ちていたと。

こうして、龍興は美濃から逃げ出した。ここに美濃は織田家のものとなった。美濃攻めは終わった。


その後、多くのものが織田家に落ち、所領を奪われたのちに織田家の武将になったものや一足軽になったもの、秀吉ら新参者の家臣の家臣になったものが多くいた。また、一家郎族全て処刑された者なども多く居た。

その中で、美濃三人衆は所領を安堵され織田の家臣となった。


龍興は長島へと逃げ延び、その後伊勢へと移った。


木下や森可成は今回の活躍を評価され、織田家内の地位が上がった。

対して、重鎮たちはそれほどの活躍はできずに、密かに織田家の間に軋みが生まれ始めた。


しかし、信長は上機嫌だった。

そして、すぐに浅井家との同盟が相成った。お市の方が浅井家を継いだばかりの浅井長政と婚姻となり、織田浅井の同盟が成立した。お市の嫁ぐ時期は伊勢を攻め滅ぼし、美濃が落ち着いた後となった。


こうして、織田家の上洛への一歩が大きな結果として出た。


その頃、勝三は堺で商人ら相手に政略を振るっていた。


美濃攻めは半兵衛と秀吉と各務が活躍。

武田では村井が活躍しました。

作者が村井をあまり好きじゃないので、あんまり出てこないキャラです。


森家は大活躍です。

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