堺で悪巧みと出会い
第3章始まります。
ここまでは出会いや準備。
ここからは敵への嫌がらせです。
やっと敵組織へ本格対処へ。
京に着いて3ヶ月。
尾張を出て6ヶ月がたった。年が明け、1567年になった。
京はかなり寒い。
尾張を出た後に、堺に寄った。
そこで2ヶ月ほど色々と。
まず、鉄砲を見学しに行った。堺の商人はニコニコと見せてくれる。
織田が金をたんまり貯めていることは知っているようだ。
まだ尾張では鉄砲は数が少なく、見たことがなかった。
まぁ、前世で猟銃を祖父が持っていたから、見たことも触ったこともあるから、ある程度はわかる。
しかし、現代日本のものと比べるとやっぱり違う。冶金技術だな。
そんな鉄砲を見ていると坊主に近いが、それとも違う独特な格好のロン毛のイケメンにいちゃんと出会った。
誰かは名乗らないが、喋ると気が合った。鉄砲の話はよく話せる。声は落ち着いた感じで少し若いような気がする。
あっちも熱心だった。
多分だが、津田算正様(後の監物)だと思う。本人は名乗らない。俺も名は名乗らない。
照算殿ということもあり得るが、だいぶすごいオーラがあるし、まとめ役特有のカリスマ性を持つ。この人が津田算正ではなかったら、根来はすごいな。こんな人がゴロゴロいることになる。
まぁ、お互いに仕事の話はしない。そりゃ、8歳児に仕事の血生臭い話はしないよ。
あっちは鉄砲傭兵だからね。まぁこんな小さい子が銃を熱心に見てるから、きっと不思議だとは思うだろうけどね。
彼は火薬の匂いと殺意のある目、それでいて無駄な殺傷はしない。そんな人だった。
他にも堺商人と会う。
塩の話はもう堺で噂だ。さすが商人である。堀田殿も堺で上手くさばいているので、軋轢もない。大橋殿らのニコニコ顔が思い出される。
塩以外の儲け話を探しているようだ。儲け話をこっちにもいずれ出そう。大橋殿らもその辺のさじ加減はわかる。自分たちばかりでは他の商人との軋轢がひどくなる。
変な人を紹介された。画家さん。
そう、前に叔父上との話で出ていた転生者らしき人。
名前は加戸さん、多分、加藤さんだろ。ペンネームとかか?
彼は40過ぎのおじさん。
転生というより転移か?まぁ、だから面倒を見ようとはならない。保の件もあるから、慎重に見極める。だが、無害そう。この年まで絵ばかり描いてきたと言っていた。前世でも絵描きか。だから画家になったのね。変わり者だ。というかこの時代に合わそうという気がない。
ここにも、絵の具を南蛮人が売ってないかと訪ねてきたらしい。
大丈夫か?早死にしそうだな。
まぁ面白そうな知識があったら、面倒を見よう。
加戸さんとはここで別れた。京に先に向かうらしい。近衛の老害のところで会うかな。
堺の商人とは、何度も歓待を受けた。どうやら、堀田殿らの件で織田には美味しい話があるのではと思われている。塩の製法は秘匿だが、塩に関わっていることはそれほど隠していない。堺には融通してるし、美濃で使うからね。もう戦が始まったようだ。
噂は堺でも聞こえる。さらに甲斐や信濃にも流し、武田とのよしみを通じているとのこと。こうなると美濃攻めもすぐに終わるだろうと。
まぁ後顧の憂いも消えた。今川は死に際。武田は婚姻関係と塩、徳川は隷属同盟。
敵として、美濃、近江、アホの朝倉、将軍家と三好に、裏切り王の松永殿。
一番面倒な本願寺と延暦寺の宗教勢。
何と言っても一番怖い上杉謙信様だ。まだ関東と信濃に夢中だが、いずれは当たる。この準備を早めにしないと痛い目に会う。後、根来に、雑賀衆。これも対策が必要。
信長様が撃たれたことも織田家の弱体化の遠因だ。
そして何より、キンカン頭こと明智光秀だよ。
弟たちと信長様に奇妙様を殺す最悪のクソヤロー。
人の可愛い弟たちを火焙りにしやがるんだ。絶対にさせない。
よし今回話に来たら、追い返そう。
どうせ、お屋形様はあのバカ将軍には見向きもしない。
話がずれた。堺の商人と話して、長島の一向宗勢が邪魔だよと言っといた。叔父上が。
あいつらがいるといいものを作るのも邪魔すると。できれば潰したいが手がない。奴らの食料でもなくなって士気が下がると、助かるんだが。とそれとなく伝えた。
堺の商人は長島への食べ物等の流入を邪魔をしてくれるようだ。しかも、博多や伊勢、関東等にも伝えてくれる。
さらに、延暦寺も嫌いと匂わせた。
まずまずの堺での釣果だ。
津田算正様との面識。
堺商人らによる長島潰し。(まぁ徳川様は自領の一向宗潰しに励んでいるだろう。織田が三河をいらないのは、三河の一向宗勢がうるさいから。)
そして、延暦寺への警戒心を植え付けた。
後、それとなく伊賀勢との関わりを堺の商人が持ってないか探った。
持ってたよ。あいつら傭兵だから、情報戦専門のね。
そんな人らは商人も関わっている。
ただ面倒だったのが、慶次殿が堺でもう少しと粘ったこと。予定より長居した。
まずは堺で悪巧みです。
堺での悪巧みは成功でしょう。
付き添いが慶次になった際の話しあい
半兵衛「この竹中半兵衛がお伴しましょう」
慶次「半兵衛さん、あんたは美濃攻めで忙しいだろう。それに長旅は無理だ。」
重矩「では、重矩ですね。この器用な私が一番いいでしょ。」
慶次「重矩さん、あんたは半兵衛さんの側にいる必要があるだろう。」
各務「慶次殿、あなたは前田様の家臣だ。前田様を支える必要がある。」
慶次「叔父上は、俺を家臣と見てないさ。それに各務さんは、森様に必要だ。
そうなると俺が京へのお伴だな。」
他3名「「「うー」」」
慶次「決まりだな」




