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煙が収まってから、僕たちは部屋へと突入した。
誰も居ない?
そう思ったときは遅かった。
立派なデスクの陰に隠れていた敵のレーザーガンが、僕の頭を吹き飛ばした。
僕は冷静だった。
頭が無くなったって死にはしない。
次の頭が生えてくるまで、身体全体で考えればいい。
大事なのは、続けて撃たれないことだ。
僕はデスクの後ろの敵に反撃のレーザーをお見舞いしてやった。
相手の右腕の肘から先が消し飛んだ。
「ぎゃあっ!!」
異星人が叫んで、床に転がった。
おそらく、こいつが収容所の所長だろう。
僕はレーザーガンを油断なく構えて、敵に近づいた。
「動くな!」
異星人が動きを止めた。
ヘルメットを被っている。
何かブツブツと呟いてるけど、よく聞こえない。
僕は空いている触手でヘルメットを掴んで脱がせた。
異星人のおぞましい顔が露になる。
2個もある眼。
小さな穴が2つある鼻。
口の中に覗く、僕たちには無い白い歯。
頭に毛も生えている。
「このヒトデの化け物どもめ!怪物め!よくも主人に逆らったな!」
ヘルメットが無いと異星人の声が、はっきりと聞こえた。
「こんな…こんなことをして、ただで済むと思うなよ!我々の母星『地球』から大艦隊がやって来るぞ!終わりだ!お前たちは、もう終わりだ!あまねく星々を支配する『大地球連合』に逆らったら、間違いなく根絶やしにされるぞ!」
おぞましく醜い異星人は罵詈雑言を吐き続けた。
傲慢で残忍な侵略者め!!
「気味の悪い化け物!!滅べ!!滅びてしまえ!!」
叫び続ける異星人。