6/10
6
この収容所に居る、もう一人の超能力者と僕が反乱の始まりを呼びかければ、日々の生活の中、計画の大まかな概要を露見しないよう少しずつ伝えられてきた彼らは、虐げられ続けた鬱憤を爆発させて、命を失うのも恐れず勇気を胸に奮闘してくれるはずだ。
僕は誇らしい気持ちになった。
おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんもお母さんも兄も姉も、鉱山で過労死させられ、僕には家族は居ない。
今は収容所の全ての人が…いや、世界中に居る仲間たちこそが、僕の家族なのだ。
坑道で作業している僕の頭の中で、反乱軍リーダーのカウントダウンが響いた。
(3、2、1、ゼロ!!)
僕は採掘機械を投げ捨てて、叫んだ。
「かかれ!!皆、戦うんだ!!」
僕の声を聞いた周りの人々が、次々と機械を投げ捨てた。
「おい!!何をしている!!」
僕たちを、やや離れた場所から見張っていた異星人が怒鳴った。
パワードスーツではなく、ヘルメットを被り、レーザーガンを持っている。