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異星人たちは僕らが結束するのを許しはしない。
充分な休みも与えられず、僕たちはぶっ通しで採掘作業を続けた。
実際に見たわけじゃないけど、僕はこの場所こそが地獄だと思ってる。
(さあ、始めよう)
僕の頭の中に声が響く。
僕たちのリーダーの声だ。
他の何人かのメンバーが挨拶した。
(了解)
僕も返事する。
僕が自分自身の特殊な能力に気づいたのは5才のとき。
(私の声が聞こえるか?)
それがリーダーの声だった。
ごく少ない割合の人しか持っていない能力…超能力というものだ。
テレパシーで、遠く離れた同じ力を持つ仲間とだけ話し合うことが出来る。
その日から、僕は組織の一員になった。
もちろん、表面的には異星人には従順だ。
この超能力の存在は、けして奴らに知られてはならない。
もしバレたなら、全ての能力者はすぐに殺されてしまうだろう。
リーダーは同じ力を持つメンバーに呼びかけ、自らの作戦を語った。