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世界中に居る僕たちの仲間は異星人たちより、はるかに数が多い。
奴らはパワードスーツやレーザーガンのような強力な武器を持っているけど、大勢の人々が暴れだせば厄介なことになる。
だから、僕たちが連携できないように、なるべくバラバラに収容して、ずっと見張っているんだ。
異星人たちに監視されながらの鉱山での長い1日が、今日も始まった。
収容所からのバスを降りて、大勢の人々が鉱山の入口にある建物に一旦、集められる。
そして、鉱山内で使用する採掘機械を渡される。
この機械は武器としては使えないように、異星人に向けると自動的に停止する仕組みだ。
とはいえ、破壊行為は出来るので、持ち出しと返却は厳重にチェックされる。
身体のどこにも機械は隠せないから、持ったまま収容所に戻るのは無理だ。
採掘機械を携えた人々と僕は、巨大な鉱山の、割り当てられた坑道へと吸い込まれるように入っていく。
作業中は私語は厳禁だ。




