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おじいちゃんは異星人の、とんでもなくおぞましい顔にビックリして、泣きだしてしまった。
部隊長は拡声器を口に当てて、流暢な僕たちの言葉で怒鳴った。
後で分かったことだけれど、奴らは自動翻訳機を身体に埋め込んでいるんだ。
「お前たちは今日から我々の所有物になった!この星の全てを我々が管理する!以上だ、クソども!!」
この日から、異星人の長い長い支配が始まった。
捕まった人々は奴らが、そこら中に造った強制収容所に収監された。
異星人たちは鉱山で希少な鉱物を産出するための労働力として、人々を使った。
最低な労働環境下で酷使し、それでいて全滅することがないように、閉じ込めた状態でコミュニティは構築させた。
僕は、その中で産まれた世代だ。
物心がついた日から収容所と鉱山を往復する人生を18年間、続けてきた。
異星人たちは常に僕たちを監視している。
僕たちが協力して、反乱を起こさないようにだ。