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これは、おじいちゃんに聞いた話だ。
おじいちゃんが子供の頃に突然、空にたくさんの異星人の宇宙船が現れた。
実は、それと同時刻、同じことが世界中の都市の上空で起こっていた。
異星人たちは何の通告も無しに猛烈な攻撃を開始した。
容赦ないじゅうたん爆撃で僕たちの全人口の半分が死んでしまった。
地上にある防衛施設の全てが沈黙したのを確認した異星人たちは、宇宙船を地上に着陸させた。
宇宙船から、おじいちゃんが見たこともない不気味なパワードスーツを着た異星人たちが、ぞろぞろと出てきて、爆撃を生き残った人々を捕まえ始めた。
少しでも抵抗した人は、躊躇なく撃ち殺された。
広場に無理矢理、集められた大勢の人たちの中に、おじいちゃんと、おじいちゃんのお父さんとお母さん、僕にとっては、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんも居た。
異星人の部隊長が、皆の前に立った。
そいつはパワードスーツのヘルメットを脱いだ。