ぷろろーぐ
前提知識:
ショゴスはでかくてキモイスライム。目がたくさんある。
鳴き声はテケリリ。
私のエッセイ(猫耳子)で感想返しに「異世界転移・転生系も世界観がテンプレ共通、別に悪くないですが、たまには変なの読みたいというのはありますよね。
今もふと、変なタイトル頭に浮かびましたけど、書きたいとは思わないしなぁ……。」と書いたのですが、
ついそのタイトルを書きたくなって書いた。後悔しかない。
続きは寝る前にあげる予定。多分ね。
「やあ、君。気分はどうだい?」
「ここは……」
見渡すと、あたりは一面の白。自分の体すら見えない白い空間。その白にひびが入ったかと思うと、そこから10歳くらいの女児が姿をあらわす。現実感の無いほど整った容姿、景色に溶け込みそうなほど白い肌に銀髪、ほっそりとした四肢、体には薄手のヴェールのような布を幾重にも身にまとっただけの姿だった。
「転生の間ってやつさ。君は死んだ、享年32歳、死因は車道に飛び出した幼女を助けようとして代わりにトラックに轢かれたこと。特記事項:童貞」
「ど、どど童貞ちゃうわ!」
「失礼、素人童貞だったね」
「……」
女児はニヤリと笑いながら装束の裾を摘まんで言う。
「まあ、なんだね。私の化身は見るものに取って魅力的と思われる姿を反映するんだが、イイ趣味をしているね?」
「悪いのかよ!」
「いや、悪くはないさ。童貞拗らせてロリコンになった君だが、実際に手を出したわけじゃない。咎めることはないさ。紳士ってやつかい?最期は幼女の命を救って死んだんだ。うん、見上げたロリコンだね」
バカにしてるのかと叫びそうになったが、その女児の吸い込まれそうな瞳を見ると、その意志は一瞬で霧散した。
「……ちぇ、なんだってんだよ。あんた神かなんかなんだろう?俺を馬鹿にしに来るほど暇なのか?それとも転生チートでもくれるってのか?」
ラノベにでもありがちな設定をはき出してみると、女児は思わせぶりにこう言った。
「あげると言ったらどうする?」
「全属性魔法の才能と健康な体と武芸の才能と錬金術の才能とアイテムボックスとあらゆる言語能力と記憶持った転生と伯爵以上の貴族の生まれと幸運と可愛い使い魔と可愛い幼なじみと自分を慕う妹とテイマー能力と精神操作と鑑定スキルとスマホの持ち込みと死亡時の蘇生能力とスキル複写とスキルラーニングとスキル奪取と瞬間移動とダンジョンマスターと獲得経験値アップとステータス偽装と」
「黙れ」
「……」
女児がこちらを睨むと、口を動かしても声が出なくなった。
「君の人生にそんな価値があったとでも?特に世の中の役にたっていたのかどうかも分からないような人生を過ごしてきた記憶はあるだろう?……ただ、そうただ1つだけ。君が最期に成した功徳に対し、1つだけ願いを叶えてあげるよ」
女児はこちらを見て、鮫のように笑う。
「君が次に言った転生チート、それを1つだけ叶えてあげる。他の全ての要素は運命のなすがまま、ランダムってことさ。さあ、声を出せるようにしてあげる。良く考えて答えるがいい」
「ぁ……………………………………………………………………………………………………………………………………………い、イケメンに、…………してください」
女児は下からニヤニヤしながら見上げてくる。
「また童貞で死ぬのは嫌だもんなぁー?」
「ぐっ……」
女児はばっと天に手をかざすと、高らかに宣言する。
「君の願い聞き届けた!君は次の生、男であり同族の異性に大いに好かれる存在となるだろう!では転生スロットスタート!」
虚空より見上げるほど巨大なスロットマシンが現れ、安っぽい金色の光を放つ。ドラムが回転しながら、チャリンチャリンと音を立てて止まっていく。
転生先➡地球
転生地➡南極
転生日時➡2020/06/27
魔法➡なし
肉体的能力➡高
性別➡男
外見➡イケメン
種族➡ショゴス
「と言うわけで、君はイケメンショゴスだおめでとう!」
「ファック!」
そう叫ぶと、世界が光に満ち、何も見えなく……意識が……。