Ep.6 魔王がいない!?
「魔王がいない!?」
俺は水の精霊の憩い場、ポルネの泉で出会った水の精霊の美少女、スプライネからの言葉に唖然としてしまった。
そのあとこの世界に来る直前、女神サマに思い切り魔王を倒します!!と宣言した恥ずかしい自分を思い出す...
あああああああああああぁ!!恥ずかしいっ!スゲエェ恥ずかしい!!
そういえば女神サマ、最後の瞬間だけ苦笑いだったような...
スプライネは恥ずかしくて膝を抱えて丸くなってしまった俺を見かねたのか
「魔王はいなくても魔物はいる...魔王もそのうち誕生するかもしれない」
世界にとっては全然嬉しくないフォローを俺の為にありがとう。
会ったばかりの可愛い精霊ちゃんに励まされた俺。完全に可哀想なコ扱いされてた。
わざわざ異世界から魔王を倒しに来たのにその魔王がいないとか気を遣うよな。
異世界高校生コースってホントに安全なんだな...なんとも言えない異世界生活のスタートだった。
魔王がいないなら俺がやる事はなんだ?活気のないというこの世界、まずは国を盛り上げるとかか?
なんかいきなり行き詰ってないか?この世界の神様を神託をもらいに行くべきか?
膝を抱えたまま考え込んでた俺の様子をずっと眺めている水の精霊スプライネ。
どうフォローしようか今も考えてくれてるらしい。
「分かった。ソウイチの仲間になる。ほっとけないし」
なんか可哀想だからと心の声が聞こえた気がした。
全く不本意な展開だけど水の精霊、スプライネが仲間になってくれるとわかり少し前向きになれた。
「それって俺と一緒に旅してくれるのか?」
「別にいい。このままソウイチを放っておいたら野垂れ死ぬかもしれないし。この世界の事何も知らないんでしょ?」
「たしかに。ここがポルネの泉って事しか知らないや」
「どんだけ...ここから普通に街に行くのも最低でも3日はかかる」
マジで?...