Ep.4 異世界へ
「ええ。日本のテレビも見てますよ♪」
なんでも女神サマは永く地球をメインに太陽系の生命を管理しているウチに地球のスポーツ観戦にハマったという。
それからはスポーツに熱心な少年少女が不慮の事故により亡くなってしまったケースはなんとかしてあげたいと思うようになったとか。うん。女神だ。
練習中、熱中症で倒れた俺もその女神サマ救済コースに当てはまったらしい。
異世界高校生コースもこの女神サマの発案かもしれない。
「特典能力も決まったしそろそろお別れかな。蒼一君頑張ってね」
女神サマは名残惜しそうにしてくれている。
俺が任された異世界転移ミッションの決まり事としては
・魔王を倒せば無条件で即仕事終了
・魔王を倒さなくてもその世界に十分貢献すればOK
・その世界の人達が活気づくようにして欲しい
・俺の能力がわかるステータス画面は念じれば見るのができる
達成条件が割とユルいのは助かるけど合格ラインはわかりづらい気が。
「それはその世界の神様に聞けば良いですよ」と笑顔の女神サマ。
異世界での旅が行き詰った場合はその世界の神殿や巫女のいる協会へ行き祈りを捧げれば神託をもらえるらしい。
これから行く異世界の神様の名前はルディウス様というらしい。女神サマも俺の事を連絡してくれるようだ。
アフターケアもしっかりしている異世界高校生コース最高か。
「こんなに良くしてくれてありがとうございました!日本に戻れるよう頑張ってきます!!」
女神サマに礼を言い、呼吸を整える。少し野球部のストレッチもして準備OKだ。
準備が整った俺を見て女神サマは手を合わせて祈りを捧げるようなポーズを取っている。
神様も祈るのか?そんな事を考えていると俺の周りに緑色に発光している円が浮かび上がる。
緑色の鮮やかな光の柱が現れ、その中にいる俺の姿が徐々に消えていく中、
「蒼一君には女神リリクスがついてるからね!また高校球児に戻れるように帰ってきてね!」
とんでもなく綺麗な女神サマのエールに思わず
「頑張って魔王を倒してきます!!」と大見得切ってしまった俺。
消えていった俺を見届け終えた女神リリクスは一言。
「あの世界は今魔王いないようだし蒼一君でも大丈夫よね」