Ep.3 特典能力≪精霊交流≫?
「特典能力ですか?」
アニメの主人公には大抵必殺技がつきものだ。
実際、人間が魔物のいる世界で素手で勝つなんて無理なんだ。
強い武器があってもキツい事に変わりはない。
「はい♪これは成人コース、高校生コース関係なく希望された能力を一つ特別にサービスしちゃいます♪」
楽しそうに手でジェスチャーまでし始める。
女神サマなんかノリノリになってきてないか?
最初はまさに女神サマという感じの神々しい雰囲気でとても会話できそうになかったんだけど。
「なんでもいいですよー♪私、女神様ですから♪」
自分で女神言うのは恥ずかしかったんじゃ?...
どんな能力でもあげられますって自慢気なのはやっぱ神様クオリティだから?
なんだろうこのノリの良さ。元気なタイプの日本人と変わらないような。
どんな能力でも一つか...何がいいんだろう?
どうせ異世界に行くならやっぱ魔法は使えるようになりたいかな?
剣や拳で魔物と近距離で戦うのはどうしても怖い。
「出来たら魔法の実力を高めたいんですけどどうしたら良いですか?」
「でしたら精霊さんと仲良く出来る能力はどうですか?
位の高い精霊さんと仲良くすれば凄い魔法も使えますし、精霊魔法なら魔力切れの心配もないですよ」
おー!それなら強そうだ。これぞ特殊能力。魔法使い放題なら異世界でもなんとかなるか。
異世界初心者の俺は素直に女神サマのオススメの能力をもらう。
「じゃあそれでお願いします」
「それじゃあ蒼一君の能力は≪スピリッツ・クローサー=精霊交流≫に決まりね♪
良い精霊さんに出会えるようにその世界の神様に頼んでおくから。蒼一君は男の子だし可愛い精霊のコがいい?」
ちょっと意地悪なお姉さんチックに聞いてくる女神サマ。
でもそこまでしてくれるなんてホントありがたい。これも安心安全の高校生コースだからかな?
俺が不思議そうにしてると女神サマは言った。
「私ね、高校野球とかスポーツ観戦が好きなの?熱投甲子園とか。だから高校球児の君を応援したいの♪」
女神リリクス様、日本のテレビ見てた。