シャルロット
「私が手伝ってあげる!」
「いや、いいよ」
「えぇっ!」
なんだこの赤髪ポニーテールは。
「なんで!」
「なんでって…お前子供じゃん」
「子供じゃない!それに、私はそこでノビてるロッドより全然強いのよ!」
「うっわぁ、それは凄いなぁ~!」
「ちょっと、馬鹿にしないでよ!」
馬鹿にはしたけどそれは結構凄いな、子供なのにロッドより強いなんて。いや、これはロッドがただ単に弱いだけって事もあるか。あいつワンパンで気を失ったしな。
「アメリアさん。ロッドとこの子供の「シャルロット!」シャルロットのランクを教えてもらってもいいですか?」
「いいですよ。えーっと、ロッドさんもシャルロットちゃんも3ですね。どちらも成り立てですが」
ほうほう。3か。これって凄いのか?
「わかってなさそうなので一応言いますが、シャルロットさんの年齢でランク3は凄いことですよ。ちなみに、シャルロットちゃんの方が強いというのも本当です。若干ですけど」
流石アメリアさん。俺の心の中を見透かしてるかのように、良いコメントをしてくれるぜ!
「ねっ!言ったでしょ!」
と、どや顔をするシャルロット。
うん、やっぱり子供だな。
「お前今何歳だよ?」
「…20よ」
20か。って20!?以外に子供じゃない!?
「シャルロットちゃん、嘘はよくありませんよ。あなたは14才でしょ」
なんだ、嘘か。確かによく考えればこの色々未成熟、いやアフロディーテよりは育ってるけどさ。でも改めて考えてみると本当にアフロディーテってやばいな。どこに栄養がいってるんだろう…話がそれた、この未成熟な奴が20はありえないな。
「14才って、やっぱり子供だな」
「子供でもいいじゃない!強いんだから!」
うわ、開き直った!
「…まぁ、確かに強かったらいいんだけどさ」
「じゃあいいわね」
「強かったらいいんだけど、シャルロットそこまで強くな…」
「強いわよ!」
ロッドといい、シャルロットといい、よく人の話を遮るな。
「ねぇ、お願い。私も一緒に行って良いでしょ?」
「えぇ…」
急に塩らしい態度になるなよ、断ることに何か罪悪感生まれちゃうじゃん…
「おい、リアム。女の頼みを断るなんて罪な野郎だな。そんな奴はモテねぇぞ」
俺が返事に困っていると、イゼリオがシャルロットを援護し始めた。
イゼリオ、余計なことを言うなよ、そ、それに俺はモテるし!…うん、モテるし。いや、別に強がってないよ?
「そいつの兄はランク9、姉はランク8だから、そいつも見込みはあると思うぜ。連れてってやれよ」
「イゼリオ、私の事を推してくれるのは嬉しいわ。でも、あの人達の評価で私を語らないで」
「はいはい、そいつはすまなかったな」
兄姉との仲はあんまり良くないみたいだな。声のトーンがマジだったもん。
それにしても、兄姉は優秀、シャルロットもアメリアさん曰くこの歳では凄いランク3。それに巨乳ではない、ときたか。
…もしかして。もしかしてだけど、素晴らしい出会いってシャルロットの事なのか?
うわぁ、認めたくない…このちんちくりんが素晴らしい出会いの相手だって認めたくない…
…けど、認めざるをえないか。
「シャルロット、言っとくけど、厳しい旅になるぞ」
「一緒に行っていいのね!」
「まずは話を聞け。厳しい旅になるぞ」
「わかってるわ!」
「死ぬかもしれないぞ」
「それも承知の上よ!」
「俺は金持ってないから、移動費とか食費とかはお前が出すことになるぞ」
「全然いいわ!…えっ?」
「よし、ならいいぞ!」
「ちょっ、ちょっと待って!今最後の変だったわよ!」
「いや、変じゃない!お前のお守りをしてあげるんだから、当然だ!」
「リアムさん…あなたって人は…」
アメリアさんがすっごい冷たい目で俺を睨んでくる…だ、駄目だ。美人の冷たい目は何か快か…いや、間違えた。怖すぎる!
「も、もちろん冗談だよ?そんな大人げないことするわけないだろ?」
「そうよね!よかったわ。とんでもない人について行こうとしてるのかと思っちゃったわよ」
「も~そんなわけないだろ~。失礼な奴だなぁ」
「…本当にこの人は…」
だ、駄目だ。アメリアさんの俺への好感度の急降下が止まらない!俺が悪いんだけどさ!
「いやぁ、でもよかったよかった!ついに姫様もパーティーを組む奴が見つかって」
俺たちの話が一段落付いたところで、イゼリオが嬉しそうに話し始めた。
「姫様?」
「そうとも。コイツ戦う時はすげぇ暴れっぷりでな、周りの仲間とか全く気にせずに魔法をばらまきながら険を振るうんだよ。その様から俺達の間では暴れ姫って言われてたのさ。そんなだから今までパーティーを組む奴がいなくてな」
何だと…そんなのと一緒に戦うって危険すぎるだろ…そりゃパーティー組む人いないわ…
あれ?これ、俺のせられたのか?シャルロットが怒るのを知っていながら兄姉の話をしてまで勧めたりしてきたのは、シャルロットにパーティーを組ませたかったからで…
「やっぱりさっきの話は無かったことにしてもらってもいいで」
「よくないわ!男に二言は無いでしょ?」
「アメリアさん!イゼリオ!じゃあな!次は、魔神将を倒した後にでも会おう!」
「あっ、ちょっと!無視して逃げないでよ!」
こうして、俺はクルッカス町のギルドを後にした。
素晴らしい?出会いでちんちくりんを手下に
「ふんっ!」
「痛っ!おい!お前突然殴ってくるなよ!」
「だって今変なこと考えてたでしょ?」
「ば、馬鹿やろ、仲間にそんなこと考えてるわけないだろ」
「ならいいけど~。先に言っておくけど、私そういうこと感じるの鋭いのよね」
…これからは気をつけよう。
こうして、1人の仲間を手に入れて。
ようやくヒロインの登場です。子供ですが笑
町編は次で多分終わり、戦闘にそろそろ入る予定です!