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第1話:朝の検証。この鉄くず、世界の理を書き換えるってマジ?

読者の皆様、はじめまして。この物語は、辺境の村で暮らす13歳の少女鍛冶師リリアが、無自覚に世界の理を書き換え、最強のバフ武器を量産していく物語です。


彼女が「みんなが笑顔になる道具」を純粋に追求するほど、世界は平和になり、いつの間にか王都から来た女性勇者パーティに全力で愛でられることに……。


無自覚チート、勘違い、そして女の子同士の尊い友情(クソデカ感情)が織りなす、心温まるほのぼのファンタジー。


日々の疲れを癒やしたい方、可愛い女の子たちの絆に触れたい方に、ぜひお読みいただきたい作品です。



「うーん、今日もいい天気!」


あたし、リリア。13歳。

辺境の村で、おじいちゃんの跡を継いで鍛冶師をやってる。

朝一番に工房の扉を開けると、ひんやりとした空気が気持ちいい。


あたしは、今日も今日とて、目の前の鉄くずと向き合っていた。

村の人が「これ、何かに使えないか?」って持ってきた、錆びだらけの塊。

普通の鍛冶師なら、見向きもしないような、ただのゴミ。


でも、あたしには違う。


あたしがそれをじーっと見つめると、頭の中に変な声が響く。

いや、声っていうか、情報が流れ込んでくる感じ?

これが、あたしにしか使えない固有スキル【万物解析】。


『個体名:劣化した鉄塊 を解析します……成功。

 不純物含有率:85%。

 【解析結果】

 由来: 約300年前、魔王討伐の際に折れたとされる伝説の聖剣『アスカロン』の破片。本来は神聖な魔力で満たされていたが、長年の風雨により劣化。現在はただの鉄くずと化している。

 希少度: 神話級(ミソロジー)。ただし、現状では価値なし。

 加工難易度: SSS+。通常の鍛冶技術では、いかなる方法を用いても加工不可能。世界の理(システム)により、神聖な力を失った素材は、その形状を永久に保つよう固定されている。

 **最適化ルートを構築しますか? [YES/NO]』


「え、聖剣の破片だったの!? すごーい!」


あたしは、解析結果に目を輝かせた。

加工不可能? そんなこと、あたしには関係ない。

だって、あたしには【最適加工】があるんだから!


あたしは迷わず、心の中で「YES」と答える。

すると、あたしの手元が勝手に動き出す。

これが、あたしのもう一つの力、【最適加工】。


『【最適加工】を発動します。

 対象:劣化した鉄塊(聖剣アスカロンの破片)。

 目標:お肉がよく切れる包丁。

 【世界の理への干渉】

 警告: 対象素材は世界のシステムにより「加工不可能」と設定されています。このまま加工を続行すると、世界の理に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 影響予測: 素材の「加工限界値」という概念が消失。あらゆる素材が、加工者の意図により無限の可能性を持つようになる。これにより、世界の技術レベルが飛躍的に向上する可能性。

 **続行しますか? [YES/NO]』


「えー、包丁作ってるだけなのに、そんな大げさな……。もちろんYESだよ!」


あたしは、システムからの警告を気にせず、心の中で「YES」と答えた。

だって、お肉がよく切れる包丁を作るのが、今のあたしの目標なんだから。


カン、という軽い音。

でも、その一撃で鉄塊の中の不純物が、まるで魔法みたいに弾け飛んでいく。


『解析完了。

 対象を【神聖魔鋼(しんせいまこう)】に昇華させました。

 【世界の理の更新】

 更新内容: 「素材の加工限界値」のシステムが削除されました。今後は、加工者のスキルと意図により、あらゆる素材が無限の可能性を持つようになります。

 影響: 世界の鍛冶師、錬金術師、魔術師などの生産職に、計り知れない恩恵をもたらします。

 付与可能なバフを選択してください:

 1. 切れ味上昇(極)

 2. 鮮度保持(常時)

 3. 属性付与:聖光(食材を浄化)

 4. 所有者への愛着(リリアに懐く)

 5. NEW! 【世界を平和にする力】(使用者の心を穏やかにし、争いを避ける)

 6. NEW! 【万物調和】(使用者の周囲の環境を最適化し、争いを未然に防ぐ)

 7. NEW! 【無自覚の加護】(使用者の行動が、結果的に最善の方向へ導かれる)

 ……以下、多数のバフが追加されました。』


「わー、いっぱい増えてる! じゃあ、全部盛りで!」


あたしは、追加されたバフも全部選んじゃう。

だって、せっかく作るなら、使いやすいほうがいいでしょ?

それに、「世界を平和にする力」とか「万物調和」とか、お肉を切る包丁にはぴったりだもんね!


カン、カン、カン!


リズム良く槌を叩く。

あたしの身体は、不思議と疲れない。

むしろ、鉄を打てば打つほど、力が湧いてくる気がする。


そして、一時間後。

あたしの手元には、淡く青白い光を放つ一振りの包丁が完成していた。


「できた! あたしの新作、第一号!」


あたしは、その包丁を掲げてまじまじと見る。

見た目は、ごく普通の菜切り包丁。

でも、解析情報を確認すると、とんでもないことが書いてある。


『名称:リリアの試作包丁・一号

 ランク:神話級(ミソロジー)

 【固有能力】

 ・【絶対切断】:いかなる物質も抵抗なく切断可能。物理法則を無視。

 ・【鮮度永続】:切断した食材の鮮度を永久に保持。腐敗、劣化を無効化。

 ・【聖光浄化】:切断時に聖光を放ち、食材の不純物や毒素を完全に除去。

 ・【平和の刃】:所有者の殺意を削ぎ、争いを避ける効果。対人戦闘では、相手の戦意を喪失させる。

 ・【無自覚の導き】:所有者の行動が、結果的に世界の平和に繋がるよう、無意識に誘導する。

 【バフ効果】

 ・全ステータス+500%

 ・物理/魔法攻撃無効化(確率99%)

 ・所有者への愛着(リリアに懐く)

 【備考】

 この包丁の誕生により、世界の「素材の加工限界値」システムは完全に削除されました。これにより、今後、あらゆる素材が加工者の意図により無限の可能性を持つようになります。世界の技術革新が加速するでしょう。』


「……最後のは何? 世界の技術革新が加速?」


包丁を振ってみると、シュンッ!と空気を切り裂く音がした。

軽い。羽毛よりも軽い。

なのに、一振りしただけで工房の壁にヒビが入っちゃった。


「あわわ……。これ、ちょっとやりすぎたかな? お隣のおばちゃんに渡すのに、こんなに切れ味良くなくてもいいんだけどなー」


でも、あたしは思った。

これなら、おばちゃんも安全に料理できるし、美味しいご飯をたくさん作れるはず。

使いやすさを追求した結果なんだから、これでいいんだよね!


『解析完了。

 対象の検証を終了します。

 結論:あたし、なんかすごい包丁作っちゃったみたい。』


あたしは、自分でもよくわからない結論を出しながら、満足げに微笑んだ。

さて、次はどんな素材を解析しようかな?


その頃、王都では。


『【緊急速報】

 世界のシステムに大規模な変動が発生しました。

 「素材の加工限界値」システムが消失。これにより、あらゆる素材が無限の可能性を持つようになります。

 原因不明。現在、各国で調査が進められています。

 なお、この変動により、魔王軍の活動が一時的に鈍化しているとの報告があります。』


そんな緊急速報が、世界中を駆け巡っていた。

でも、そんなこと、あたしには関係ない。

あたしはただ、みんなが笑顔になる道具を作りたいだけなんだから。


あたしは、完成した包丁を大事に布で包むと、次の鉄くずを手に取った。

検証は、まだまだ始まったばかりなんだから!





【ステータス確認】

名前: リリア

種族: 人間(?)

職業: 鍛冶師

固有スキル:

・【万物解析】(対象の情報を読み取り、最適化する)

・【最適加工】(解析に基づき、最高効率で素材を加工する)

・【無自覚の加護】(自分の行動が及ぼす影響を、都合よく解釈する)

現在の目標: 「使いやすい包丁」を作って、お隣のおばちゃんを驚かせること。



『【システムメッセージ】

 王都より、勇者パーティがリリアの村へ向かっています。

 接触まで、残り24時間。』


あたしは、そんなメッセージには気づかず、次の素材に夢中だった。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。


辺境の村の鍛冶師リリアが、無自覚に世界の理を書き換え、最強のバフ武器を量産していく物語、いかがでしたでしょうか?


第1話では、リリアの無邪気さと、彼女のスキルが世界に与える絶大な影響の一端を描きました。


次回、ついに王都からやってきた女性勇者パーティが登場します!

リリアの作った包丁に、彼女たちはどんな反応を見せるのか? そして、リリアと勇者様たちの間に、どんな尊い友情が芽生えるのか……どうぞお楽しみに!


「面白かった!」「続きが気になる!」と感じていただけましたら、ぜひ下の☆☆☆☆☆から評価(応援)を、そしてブックマークをお願いいたします。


皆様の応援が、リリアと勇者様たちの平和な日常を紡ぐ大きな力となります。


感想もお待ちしております!


それでは、また次の更新で!



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