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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第10話 中田さん美女化計画スタート!

中田さんと口約束を交わした翌朝。

たぶん緊張してたのか普段よりずっと早く目が覚めた俺は、まず後藤に文鎮化されたスマホをなんとかしに近所のショップへ直行した——


機種変更をサクッと済ませた後、13時少し前には丁度良く中田さんの家の前に到着。


中田さんの家は俺の家から歩いて7分ほどの場所にあるマンションだった為、思ったより近くて道に迷うこともなくあっさり到着する事ができた。


もしかしたらこれまでに彼女と何度かすれ違っていたのかもしれないけど……正直、全く記憶にない。

それだけ中田さんのステルス力は高いのかもしれない。


スマホを見ると時刻は12時55分。

そろそろ出てくる頃かもと思い顔を上げたその時——


エントランスから出てきた人影がふと視界をかすめた。


「…………中田さん……?」


今日は休日。だから中田さんが制服姿で出てくる可能性は低い……

そんな予想をしながら俺はぼんやりその人影を見つめていた。


スラッと伸びたモデル顔負けの高身長。黒髪のロングヘア。そして明らかに常軌を逸した暴力的な胸元の膨らみ。もといおっぱい。


間違いない……中田さんだ……


そんな彼女の服装に俺は思わず目を疑った。

だって、服装が劇的にダサかったから……


時は9月上旬。残暑が厳しいこの季節、薄着になるのは当然だとしても……

彼女はよれたぶかぶかの白いロングTシャツに、その裾から少しだけ覗く謎のスポーツメーカーのグレーのショートパンツ。足元にはくたびれた白い無地のスニーカーという格好。


例えるなら近所のスーパーに買い物へ行く主婦のスタイルのようだった……


唯一その壊滅的なコーディネートを中和しているのが、彼女の圧倒的なスタイルなのだろう。

まあそんな事は口が裂けても言えるわけがない。

彼女を傷つけたくないし、これから俺が可愛くしてあげればいいんだから。


そんな彼女は俺に気付くと、まるで子犬のように全力の笑顔で手を振りながらダッシュしてきた。


「あっ!雪村く〜ん!」


一歩一歩踏み出すたびに、ふよんふよん、ぷるるん♡と上下に揺れる中田さんの異次元級のバストに俺の視線はあっさりと釘付けにされてしまう。

……本当に、俺ってどうしようもないバカだ。


「お待たせっ!ごめん、待った?」

「いや、今来たとこ……」


そう言ってふと気付く。

これ……デートの会話じゃね!?

童貞とはこういうものである。別に友達同士でもありそうな会話ではあるのだが……

その意識が芽生えた瞬間、心臓は勝手に暴走し始め体はぎこちなく強ばってしまう。

そんな俺の隣に何事もなかったかのように中田さんが並び立ち、楽しそうに話しかけてくる。


「雪村くんっ、今日は宜しくね!私、本当に何もわからないからオススメのお店案内してくれるとうれしいなっ」

「ああっ……OK……じゃあ早速行こっか?」

「うん!」


中田さんが満点の笑顔を向けてくる。

今日は眼鏡を外してるせいか、分厚い前髪の隙間からチラッと見える素顔がやたら可愛い。


それだけでもう服装がどうとか完全にどうでもよくなってしまう。


俺が緊張しながら歩き出すと、それに合わせて歩きながら身長差を埋めるように彼女がほんの少しだけ体をかがめて目線を合わせてくるその優しさに、俺の心臓はずっとバクバク鳴りっぱなしだった。


こうして、俺の『中田さん美女化計画』が、ついに始動した——



————



最初に向かったのは大手の眼鏡チェーン店だ——

店の敷居をまたげば、所狭しと並んだ無数の眼鏡が目に飛び込んでくる。

いろいろ試すには、やっぱりこういう場所が手っ取り早い。


「うわぁ……眼鏡ってこんなに色々あるんだね……」

「まあ、店舗も大きいからね……早速、色々試着して中田さんに似合うヤツを探していこう!」

「うん!宜しくねっ、雪村くん!」


元気いっぱいの中田さんの声が店内に響き渡り、そのひと言を合図に眼鏡の試着大会がスタートする。


まず彼女の顔立ちや骨格を正確に把握したかった俺は、さりげなく彼女に声をかけた。


「中田さん、ちょっとこっち向いてもらってもいい?顔の形とか知りたくて」

「うん、いいよっ」


くるりと俺の方を振り向いてにっこり笑いながら視線を合わせてくれる中田さん。

その笑顔にドキッとしながら、俺も見つめ合うようにじっと顔を観察して……小さく後悔した。


ヤバい、ちょっと待って……明るい場所で、しかも間近で見る中田さん、可愛すぎて直視できない!?いやいやっ、これはデートじゃあない!仕事みたいなものだ!ちゃんとしろ俺っ!


あらためて見る中田さんの顔は、まごうことなき正統派の優しそうな美少女だ。

卵型の整った輪郭に少しラフだけど柔らかい印象の眉。ぱっちりした透明感ある瞳に小さく整った鼻と、ぷるんとした形のいい唇。左の口元にある小さなほくろがチャームポイント。


確かに粗削りな部分はあるけど、こういうのを素材がいいって言うんだろう。


「どうかな……?私に似合いそうな眼鏡……ありそう?」

「う〜〜ん………。」


首を傾げながら真剣な眼差しでこちらを見つめてくる中田さん。

俺は顎に手を添え、なんとか冷静さを取り戻し始めた思考で真剣に答えを導き出していく。


中田さんは顔立ちのバランスや全体の雰囲気からして、圧倒的にかわいい系が似合うタイプだ……で、その魅力を最大限に引き立てる眼鏡の形といえば……!!


「中田さんなら……少し大きめの丸眼鏡で……縁がメタルフレームがいいはず!」

「おお〜…なんか雪村くんめちゃくちゃ本格的だね!さすがおしゃれ好きなだけあるっ」

「そんな、それほどでも…………」


女の子からそんなふうに言われると、つい照れてしまって上手く返せない自分が情けない。


視線を彼女から商品棚へ移した俺は、いくつかの眼鏡をピックアップしながら候補を絞っていく。

そんな俺のすぐ横に、まるで張り付くようにぴったりと寄り添ってくれる中田さん。


そして、目星をつけた眼鏡を手に取りそっと彼女に差し出した。


「この丸眼鏡なんて凄く似合うと思うから……中田さん一回掛けてみて?」

「これ、初めて掛けるタイプだなぁ……いつも無難な四角いのだったから……」


彼女は俺から眼鏡を受け取ると、嬉しそうにそっと顔にあてがいながらご機嫌な様子で近くの鏡へ向かい、自分の姿をじっくりとチェックし始める。


「あっ……コレ可愛いし……なんかオシャレかも!凄い雪村くんっ!ねぇ見て見てっ!」


コロコロと可愛らしくはしゃぐ彼女はくるりと俺の方へ振り返り、グッと身体を近づけてその姿を見せてきた。

そんな仕草に思わず心がときめくが、それを必死に抑えながら冷静に眼鏡が似合っているかを判断していく。


うん、似合ってる……女性らしくて柔らかい雰囲気が出てるし、その奥の素顔も見えて……めっっっちゃ可愛い!


「うん!いいね!凄い似合ってて中田さんめちゃくちゃカワいぃ………っ!?!?」


そこまで言いかけたところで俺は言葉を詰まらせてしまった。

いや、正確には……思考が停止した。


俺の視界に突如として飛び込んできたそれは——


中田さんのでっかい生おっぱいだ。


俺より背が高い彼女は自然と前屈みになって視線を合わせてくる。

その拍子に今日着ているぶかぶかのTシャツの首元がゆるゆるになっていて、油断しかないあられもない状態で……

そこから覗く立派で真っ白な双岳とそれをお気持ち程度に包む黒いレース。


7割は見えてる。


むりむりむりむり!?コレは罠だって!?……うわぁ……めっちゃ柔らかそう……


目が離せない。童貞である自分を恨みたい。

おっぱい?そんなの見慣れてるよ?くらいになりたい。


そんなギリギリの思考に追い込まれている俺を責め立てるようにグイグイと近づいてくる彼女。その動きに合わせるように視界を埋め尽くしてゆくおっぱい。


「どうどう?雪村くん似合うかなっ?」

「うううううん!似合う!!その……あっっ……中田さんめっちゃ可愛いよ!もう最高!誰よりも可愛い!天使みたい!」


焦りのあまり心の声がそのまま口に出てしまった……


自分でも引くほどのくっそキモいセリフに、中田さんの顔はまるで茹で蛸のように真っ赤になり、視線が左右に高速で泳ぎはじめてしまう。


「あわわっ!?雪村くんっ!?そそそっ、そんなに沢山可愛いとか言われると私っ…はずかしくてっ……雪村くんと目が合わせられなくなっちゃうよぉ〜……///」


お互いに視線を外してその場でわたわたと慌ててしまうふたり。


でも、中田さんに引かれなくて本当に良かった……

そんな安堵の気持ちの方が大きかった。


早くこの感じに慣れなきゃ……なにおっぱいに浮かれてんだよ俺は…不謹慎だろ!?

俺は中田さんを可愛くして王子様を見つけてあげるためにここにいるんだから!


スタートからこんな感じで未来に小さな不安を感じながらも、俺は自分に活を入れてやましい心を振り払う。でなければやっていけない……


そして再び、中田さんと一緒に眼鏡選びに向きあっていった——





次回:やっぱり中田さんはそのままが可愛い

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奥付

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