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俺の憂慮
色々あった夏祭りを終え、俺は家へと帰っていた。
2LDKのマンションの一室が俺の住処だ。唯一の同居人である俺の父親は恐らく今日も残業でまだ帰ってきていない。
俺は道中の電気をつけながら進み、自室のベットへと倒れこんだ。
雫川と解散してからというものの、今日の雫川の態度についてぐるぐると考えてしまっていた。
花火を見てから解散するまではいつもの彼女で、何ならいつもと変化があったのはあの質問があった数分の間だけだ。あの時間は幻だったのではと思ってしまうが、脳裏にくっきりとあの雫川の表情が残っているので、あれは事実だったんだとまざまざと思わされる。
……俺と雫川は本物のカップルというより、雫川が生きるために付き合った仮面のカップルだ。言い方は悪いが、主人と奴隷みたいな感じだと思っている。まあ、奴隷はその関係と最も奴隷になる瞬間を楽しみにしているが。
故に、雫川にとって俺との彼氏彼女の関係は浅いものだったはずだ。なのに、彼女は俺のことを好きだと言った。これは俺を喜ばせるための嘘なのか、はたまた真実なのか。
……ただ何にしても、この関係のタイムリミットはあるんだよな。




