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学校一の美少女が日々キスを求めてくるんだが  作者: 早瀬 渚
始まり

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4/6

服選びとその後

 「じゃあ、今日はここで選ぼうか!」

 言って、雫川は一つのテナントを指差す。そこは俺がよく行くユニクロノの隣にあり、INNAと書かれていた。

「いや、別にあっちでいいぞ。あっちのほうが安いだろうし。」

 言いながら俺は奥の方を指差す。

「たまには別のところで買うのもいいでしょ?それに、ここはそんなに値段しないよ。」

「へぇ~、そうなのか。」

 値段を見てみると、確かに良心的な値段ではあった。ただ、ユニクロノより模様がついたものが多く、なんだか少し気が引けてしまう。

「じゃあ、今日はいっぱい買っちゃうよ!」

「……何で、お前がそこまでテンション高いんだ。」

 別に、お前の買い物ではないだろうに。

 ……まあ、それでいうと当事者の俺がテンション低めなのがおかしいけど。

「それに、一着、いっても二着くらいでいいぞ。」

「どれにしようかな~。」

「全く聞いていないし……。」

 聞く耳を持っていない雫川が畳まれている服たちを笑顔で眺めていた。

 ……まあ、ありがたくはあるな。


 ◇     ◇      ◇      ◇


「……疲れた。」

 さきほどの服屋さんを後にした直後に出た俺の一言がそれだった。

 着せ替え人形よろしく、何着も着ては脱ぎ着ては脱ぎを繰り返し、気が付くと一時間くらい経っていた。なんなら他の店にも連れまわされたし……。全身が重い。急に重力が重くなったのではと錯覚させるほどに。ドラ〇ンボールの修行場みたいだ。

 ……なのに何でまだ隣のこいつは鼻歌歌えるくらい元気なんでしょうか。

「楽しかったね。」

「…………少しは。」

「お、それは相当楽しかったとお見受けする。」

「……まあ、否定はしない。」

 楽しくなかったといえば、嘘になる。疲れはしたが、まあ悪くはなかった。……今すぐに休みたいけど。

「あ、そういえば、私行きたいところあるんだった。」

 雫川が閃いたとばかりに人差し指をピンと立てる。

 それだけで一瞬目を奪われてしまいそうになる。

 その動きで様になるの、雫川くらい美人じゃないと不可能だろうな。

「ああ、そうなのか。早く行ってくれればよかったのに。」

「服買ったあとに行こうと思ってたから。それに、ちょっと疲れたあとにふさわしい場所だから!」

「……ということは、やっぱり雫川も疲れてたのか。」

 俺がそう言うと、雫川はムッとした表情をし、腕を組む。

 その動きで様になるの以下略

「泰輔くんがね!私は無尽蔵の心臓を持ってるから疲れ知らずなの。」

「へぇ~、そうなのか。」

 サキュバスは生まれつき身体が強いと聞いてはいたが、そういう部分にも現れるのか……と、ほわんほわん考えていると、雫川がげんなりした声を出していた。

「ほんと、興味ないとき興味なさそうな返事するよね……。」

「……ん?ほぼ、いつもじゃないか?」

「……確かに。」

 雫川が考えた末に肯定する。やっぱり、他人から見てもそう思うのか。

 ……これはちょっと直した方がいいかもな。

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