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学校一の美少女が日々キスを求めてくるんだが  作者: 早瀬 渚
始まり

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3/6

何度目かのデート

 梅雨の合間、久しぶりに太陽がお目見えした今日この頃、俺は雫川とお出かけしていた。


 俺的には別に彼女との関係は最低限でいいのだが、なぜか雫川は形にこだわるらしい。デートも最低でも一週間に一度はしていて、理由を聞くと休日にデートしないと周りから怪しまれるためらしい。別に怪しまれたところで、関係ない気もするけどな。


「デートって必要なのか?」


 隣を歩く彼女に俺はそう聞く。


 今日の彼女の服装は制服ではなく、白色のワンピースに淡いピンクのブラウス、靴は前が軽く覆われているタイプの白のサンダルを履いていた。いつも彼女の私服は学校のときのイメージと少し違い、可愛い系が多い。そういう趣味なのかもしれないな。……良いことですね。とても。


「何でこれから楽しもうっていうときにそんなこと聞くのかな……。必要も必要。普通にラブラブしてるほうが、周りから聞かれた時に面倒じゃないしね。」


「そういうもんか。」


 まあ、普通のカップルらしくしてたほうが矢面には立たない。根掘り葉掘り聞かれてボロが出る的な展開になったらやばいだろうしな。


 ……まあ、嘘が得意な雫川さんはあんまりそんなことなさそうだけど。


「うん。それに、別れそうって噂が立ったら無駄にアタックしてくる人もいるからね。そのための用心棒でもあります。」


「ほんとオブラートに包まず言うよなあ。」


 こういう図太さというか無神経さは逆に好感が持てる。


「それは泰輔君も同じでしょ?」


「否定はできない。」


 オブラートに包んだところで邪推してしまうのが人間ってものだろうしな。


「あ、着いたよ。」


 そんな会話をしていると、目的地に着いた。港にほど近い場所にあるこのピンク色のショッピングモールはどことなく、オシャレな雰囲気を漂わせる。


 まあ、日本全国にあるから気のせいなのだろうが。


「ああ。今日は何するんだ?」


「……いつも、私任せよね。ちょっとは考えてきてくれない?」


 俺の質問に雫川はムスッとした表情を見せる。といってもなあ、


「うーん、なかなか必要に駆られないものに情熱を向けるのは難しくてな。」


「……端的に言うと?」


「デートプランを考えるのがめんどくさい。もっというと、やりたくない、今すぐ帰ってもいいくらいだ。」


「それは言い過ぎ!もっと私のこと考えてくれてもいいじゃない!」


 なんか雫川がメンヘラ彼女みたいなことを言い始めた。でも、まあ


「その反応の雫川は割と好きなんだよな。」


「……あら、そう?」


 言って、雫川は頬を赤らめる。


 ……自分で言ってなんだが、これ誉め言葉として取っちゃうの?


「ああ、とても素直に感情を表してる姿が若々しくて。」


「……それ、小学生みたいって言ってない!?」


 ほんとにもう、とぶつくさ言いながら激昂した雫川は先へと進んでいく。……人をからかう楽しさは雫川で覚えたかもしれないな。




「ところで、泰輔君は普段どういうところで服買うの?」


 ショッピングモールの中へと入り、感情が落ち着いてきたらしい雫川がそんなことを聞いてきた。周りを見ると、変わらずアパレル関係のテナントが立ち並び、少し辟易してしまう。


「まあ、ユニクロノが多いかな。そもそも買う頻度が少ないが。」


「へぇ~、じゃあ、私が選んであげようか。ファッションセンスにはそれなりに自信があるんだ。」


「いや、別に面倒だろうから、いい。着られれば何でもいいし。」


 服の役割的には身体を隠せればなんでもいいわけだし。……よほどダサいのじゃない限りは。


「もう、折角私がそういう気分なんだから、否定しなくていいの。悪くない提案でしょ?」


「まあ、時間つぶすにはちょうどいいか。」


「何で、テンション下げる言葉のチョイスばかりするの。」


「ああ、悪い。ちょっと本音が。」


「冗談でも……って、冗談じゃないの!?本音でそんなこと言わないでよ!そんなに私とのデート嫌?」


 雫川は少し上目遣いで聞いてくる。それに関しては、否定しておかなければならない。


「いや、むしろ楽しいぞ?……悪かった。あんまり人と関わり合いがなかったから、どういう言葉を使ったらいいか分からなくてな。」


 友達が少なくなって久しい俺は人とどう接するのが正解か分からなくなっていた。……これっていう答えがなく、そのときそのときで変わるから難解が過ぎるんだよな、これ。


「そ、そう……。ならいいけど。」


「でも、俺の服を選ぶのでいいのか?もっと、雫川のためになるようなことのほうが……。」


 俺がそう言うと、雫川が咄嗟に俺の言葉を遮った。


「いいの!私がそうしたいんだから。じゃあ、ちゃっちゃっと済ませるよ!」


「したいのか、面倒なのかどっちなんだよ……。」


 雫川の言葉に困惑しながら俺はあとを付いていった。

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