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学校一の美少女が日々キスを求めてくるんだが  作者: 早瀬 渚
寒さが深まっていく季節

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10/18

11月のある日

 あの夏から季節も巡り、少し肌寒い季節になってきていた。

 その間にも色々あり、長谷に無駄にからまれたり、雫川のことが好きなヤンキーにからまれたり、雫川が他の男子に告白されたりしていた。まあ、最初の二つはあしらう程度で終わり、雫川もそんな男子容赦なく振っていたので、何の問題もなかったのだが。

 何かあったと言えるのはその程度で基本的には楽しい生活だった。放課後出かけたり、休みの日に遊びに行ったり、まあよくいる高校生カップルみたいな生活を送れていたのではないだろうか。

……もれなくどこ行ってもキスされてはいたが。あれだけは何回やっても慣れないんだよな。特に大勢の人がいる場所では。

 そんなこんなで今日は土曜日。互いに予定がない日ということで、少し遠くにあるショッピングモールに来ていた。2階建ての建物で、フロアは縦に横に伸び、テナント数は50個あるんじゃないだろうかというくらい大きい場所だ。

 とりあえずいつも通り、ひとまず女性のアパレル屋さんや雑貨屋さんを巡り、一通り買い物を終えた。

「あ、あそこ行ってみない?」

 2階の一角。雫川が指差した方向にはゲームセンターがあった。都会の方のショッピングモールは分からないが、田舎のショッピングモールにしてはそこそこ広く、教室3個分くらいの広さはあった。

 俺と雫川はそこへ足を運び、色々なゲームを眺める。入り口近くにはUFOキャッチャーが所狭しと並んでおり、向こうのほうにはメダルゲームや機関車の乗り物、バスケットなどのゲームがあった。

 先に進む彼女は厚手の白いニットに青のひざ丈スカート、黒タイツを履いており、寒くなってきた今の季節にぴったりの出で立ちだ。……とても似合っている。

「あ、あれ欲しいな。」

 雫川が指差した先には大きめのぬいぐるみのUFOキャッチャーがあり、景品は小さくて可愛いと謳われているぬいぐるみだった。

「UFOキャッチャーか。……任せろ。」

「お、珍しく頼もしい。昨日のテストで良い点でも取れた?」

「……いや、そんな子どもみたいな理由で気が大きくなったりしねえよ。」

 とは言ってみたものの理由としてはちょっとあるかもしれない。

「俺、割とUFOキャッチャーが得意なんだよ。」

「へぇ~、じゃあ、お手並み拝見。」

 にこやかに笑う雫川の声を聞きながら俺はアームと連動しているスティックを動かした。



「2000円も使ったのに取れなかったね。」

「やめて、具体的な金額を出して傷を抉らないで。」

 取ることを諦め、俺と雫川はフロアの端のほうにあるベンチに座っていた。

 あれだけ、豪語したのに全く持って取れなかった。そのくせ、持ち上がり少し動いたりはするもんだから、希望を見出してしまい、めっちゃやってしまった。

 はぁ……、最後結局落ちるところとは逆方向に転がっていくんだもんな……。……絶望。

「私、ちょっとお手洗いに行ってくるね。」

「……うん分かった。」

 ……ちょっと良いところ見せたかったな。


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