後日談という名の
これは同じ会社のAさんBさん夫妻の話である。
なんでもそのAさんとBさんは社内恋愛で結婚したらしい。
でもAさんの不倫で離婚。
わー、職場一緒なのに不倫で離婚なんてきっついなー。そんなふうに考えていた。
「大変だったのよ。Aさんが奥さんのBさんに財産を盗まれたって大騒ぎするから」
へえ、奥さん不倫の腹いせに本当に盗んだんですかね。
「そんなことするような人じゃなかったから話し合いしたり、弁護士さん頼もうかっていうことにもなって大変だったのよ。そして、そんなこんなしてるうちにAさんの借金とかが色々わかって余計大変になったの」
おっと、もしかして?
「多分だけど、不倫だけじゃなくてAさんの借金とか色々がわかったからBさんが離婚したんじゃないかって考えるのが自然だったわ」
人生色々あるんだなあ。そうしみじみ思ってしまった。
「そんな騒動があってもAさんもBさんも会社をやめてしまったの」
おっと、二人ともやめてしまっていたんだ。
「でも、Aさんは転職がうまくいかなかったから今うちでパートで働いているの。色々あった人だからどんなトラブルに巻き込まれるかわからないから近寄らない方がいいわよ」
そう言われて、もしかしてあの人がAさん?と思い浮かぶ人がいた。どうしてあんなに遠巻きにされているんだろうかと不思議だったがそういうことか。
借金あって、不倫して、離婚して、転職がうまくいかなくて。
「今日飲みにいかないか」
「今日は用事があって」
会社の人にも相手にされない。でもお金がないからパートでもなんでも働かなきゃならない。きっとこういう人をかわいそうな人、というんだろうな。と他人事のように思った。
「あ!君新しく入った子だよね?今日一緒に飲みにいかない?仕事のことも話たいしさ」
「すみません、今日用事があるので
何も知らなかったら私はこの誘いを断られなかっただろう。善意かもしれないし、会社の先輩だと思っていたし。
それに不倫をするような人だ。何かあったとき私を巻き込まれても困る。こういう人は距離を置くのが一番だ。
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