うぶな彼女と激甘彼氏 ※〇〇です!
ーーチュンチュンーー
鳥のさえずりが聞こえる。
まだ寝たい……
「ひまり、もう朝だよ。朝ごはんできてるよ」
彼の声で目が覚める。
私は急いで階段を降りていく。
「ありがとう! うわ〜、美味しそう!」
白米、味噌汁、焼き魚、漬物が机に置かれている。
私はお箸を持ち、食べ始めた。
味噌汁は、具沢山で甘さが程よく美味しい。
焼き魚は、醤油がベースになっていて、外はパリパリ、中はふわっとしている。
「とーっても美味しい! ありがとう」
「こちらこそありがとう。美味しそうに食べてくれて俺は嬉しいよ」
彼の耳は少し赤くなっていて、照れているようだ。
「あ、会社に行かなきゃ……」
彼ともっと一緒にいたいのに……
「行ってくるね。帰る時、連絡するね」
私は玄関の扉を開けようとする。
「ちょっと待って」
何かと思い振り向いてみる。
すると、彼の柔らかな唇が頬に触れた。
私は驚きと恥ずかしさを隠せず、顔が赤くなっているだろう。
「行ってらっしゃい」
彼は嬉しそうに微笑んでいる。
「い、いってひまふ」
恥ずかしさのせいで、呂律が回らなかった……
彼と一緒にいると、心臓がいくつあっても足りなさそうだ。
■■■■
「姉ちゃん、朝から何ニヤニヤしてしてんの?」
「何してるかって? 『うぶな彼女と激甘彼氏の朝のルーティン』の妄想をしてた」
私はドヤ顔で答える。
弟は呆れた顔をしているのだが……
「うん、そうだと思った。妄想ばかりじゃなくて、そろそろ現実で恋愛したら? 姉ちゃん、顔だけは可愛いんだから……」
顔だけとは?
顔以外は、可愛くないということだよね……?
今すぐにでもキレそうだ。
「……キレていい?」
「や、やべえ。怒らせた! 逃げろー!」
私は弟を追いかける。
「ちょっと待ちなさーい!」
「待てと言われて、待つやつがどこにいんだよっ」
これが私たち姉弟の朝のルーティンだ。