1/1
終わりと始まり
私は、あの世界が嫌いだ。戦争をすること以外、何も考えない魔族が嫌いだ。仲間を殺し、民を殺し、そして、魔王まで失った。なぜ、考えながら行動することができないのか。なぜ、戦うことしかできないのか。なぜ、平和を求めようとしないのか。私は、そんな世界が嫌になってしまった。
そして私は、魔族でありながら人間の世界に逃げて来た。でも、私を歓迎するものなど現れなかった。魔族だからと罵倒され、攻撃され、最後には、魔族に殺されるくらいならと自害したものまでいた。私は、人間たちと、魔族より知能が高い人間たちと一緒に暮らしたいだけだったのに...。私が心を閉ざしかけていたとき、声をかけてくれた少女がいた。「どうせ、処刑されるに決まっている」と心にもないことをずっと考えていた。でもそんなことはなかった。私は、この少女に救われた。初めて人間に救われたのだ。私はこれから彼女を守って行きたいと思った。次の新たな主人として...。
私は、「レイス・ミル・レベティー」
私は、今いるこの人間の世界が・・・
めっちゃ好きだ!