召集連絡は突然に
ニューヴィクトリアに魔族が入れるようになって半年が経った。
俺たちは葵の家で3人で暮らしていた。
ちなみに半年間一緒に暮らしていたから何かしらのアレを期待したりしていたのだが何も無かった。
まぁ俺はまだ15歳だし、いやもう16歳か。
とにかくそういうのはあと二三年後だな。
そして、ニューヴィクトリアはこの半年で結構変わった。
暗黒郷から1番近いこの街は今までは多額の防衛費用がかかっており財政的に厳しくなっていたそうだが魔族と和解した結果、防衛費は削減され財政にも余裕が出てきたらしい。
その他にもニューヴィクトリアは海がないため今までは雨が降らない日が続くと水不足に陥っていたそうだがそれも魔法によっていつでも水が作り出せるようになり改善された。
そして最近では獣族の魔族に対する敵対心も薄れてきたようでエラ以外の魔族もニューヴィクトリアにやってくるようになった。
噂では最近、獣族と魔族のカップルが出来たらしい。
子供が出来たら魔獣族だな。
と、まぁ、こんな感じでニューヴィクトリアは奪還したと言っても過言ではないと言えるほどになった。
そんな中、俺たちは半年間で何もしていなかった。
いや正確に言うとエラはちょくちょく街の人を魔法で助けたりしてたし、葵も街の人の仕事を手伝ってたりしていた。
俺もアウベスさんに魔法を教わっていたので本当に何もしていなかった訳でもない。
ただ打倒勇者というのは全然進んでいなかった。
というのもあと奪還しなけれいけない街はあと10個あるのだがどこも人口が多いのである。
ニューヴィクトリアは人口が1万人程なので何とかなったが残った10個の町はどこも人口70万人越えの大都市なのである。
1番でかい街は人口500万人を超える超大都市で大都会である。
そんな街を一体どうやって奪還すればいいのだろうか。
そんなことを思っていたいつもどうりの昼下がり。
ひとつのビッグニュースが飛び込んできた。
「魔物大量発生?」
『そう、魔物大量発生!どうやら最近魔物が増えてきているらしくてね、どうやらボクの聞いた話によると魔物を倒す為の軍隊が作られるらしいんだ』
「それで?それに出ろと?俺はそんな危ないことはやらないからな。死にたくないし」
『嫌そうだけど君は出なきゃ行けないよ。もう君が出ることになっちゃったから』
え?
嘘?
まだヤることもヤってないの
『まぁ仕方ないよ。君がここ半年モテるために魔法の練習ばっかしてたから戦闘に使えると思われたんだろうね』
なんてこった。
モテるためにやってたことがこんなことに使われるなんて。
「頑張ってねルカ。お守りでも作ってあげるよ」
やった。女の子からのお守りゲットだぜ!
じゃなくて!
命の方が大事でしょ。
『でもこれはチャンスだよ。この軍はこれから奪還する予定の街の人達も入ってるからね。ここで活躍したら街の危機を救った正義のヒーローってことで色んな人から尊敬されるかもしれないでしょ。もしそうなったらそれを利用して街を奪還出来るかもしれないし』
なるほど。
それは確かにチャンスかもしれない。
『あ、君は明日にはこの街を出なきゃいけないから準備とか今日中にしておくんだよ』
嘘だろ?
軍隊への召集連絡って前日に来るもんなの?
『まぁ死なない程度に頑張れ!』
ということで俺はこれからしばらく軍隊に入ることになりました。




